アメリカへ海外旅行や海外留学するときに、今持っているスマホのSIMカードを、アメリカで通信できるSIMカードに入れ替えて使いたいと考えている人はいるでしょう。
実は「アメリカのSIMカード」と言っても種類がたくさんあり、間違った選び方をすると現地で使えないというトラブルになるかもしれないのです。
そこで今回は、アメリカで利用するのにおすすめのSIMカードをいくつか紹介しながら、購入する際の注意点、どこで購入できるのか、アメリカの通信事情なども含めて説明していきます。
アメリカで使うSIMカードをどれにするか迷っている人は、是非参考にして下さい。
1. アメリカのSIMカードが使えるSIMフリースマホ、SIMロック解除したスマホを用意する
アメリカで、今持っているスマホを利用しようと考えている人は、まず自分の端末がSIMフリーのスマホかどうか、つまりSIMロックが解除されているスマホかどうかを、自分の端末の「設定」のところで調べて下さい。
もしSIMロックがかかった状態であれば、現在契約している通信会社の店舗またはウェブページで、SIMロック解除手続きしましょう。
SIMロック解除ができるかどうかは、通信会社によって条件があるので確認が必要です。
SIMフリーのスマホまたはSIMロックを解除したスマホを用意する
2. アメリカのSIMカードはどこで購入する?空港?日本で?
アメリカのSIMカードを購入する方法は3つあります。
- 現地空港やショッピングモールなどにある店舗でアメリカの通信会社のSIMを買う
- 日本で日本の通信会社が販売しているSIMカードを買う
- 日本でアメリカの通信会社が販売しているSIMカードを買う
実は、アメリカでは旅行者向けなどのSIMカードがそこまで普及していないので、空港で購入できる店舗がほとんどありません。
アメリカの大手通信会社の1つ「T-Mobile US」が提供しているツーリストプランというSIMカードのみ、アメリカの空港にある「In-Motion Entertainment Store」で購入できるようです。(一部の空港を除く)
T-Mobile USのツーリストプラン以外のSIMカードを購入しようと思ったら、渡航先の現地の通信会社の店舗に行く必要があります。
WalmartやTargetなどの大きなショッピングモールに店舗が入っていることも多いので、通信会社のお店がある場所を事前にウェブサイトなどで調べておきましょう。
また、渡航前に日本でもアメリカで使えるSIMカードを購入することも可能です。
日本で購入できる海外SIMカードは二種類あります。
一つは、国内の楽天モバイルやmineo(マイネオ)などの通信会社が販売している海外向けのSIMカード(※マイネオは2018年12月に終了しました)。
もう一つは、MVNO※も含めアメリカ通信会社の日本国内の支店や販売代理店、個人輸入などでAmazonなどで売っているものです。
※MVNOとは大手通信会社の通信回線を借りることによって、通信サービスを提供している通信会社のことです。
3. 自分のスマホに使えるアメリカ向けのSIMカードを選ぶポイント
日本の大手通信会社といえば、ドコモ、ソフトバンク、auの3社です。
最近では、大手通信会社の通信網を借りてサービスを提供している、楽天モバイルやYmobile、UQmobileなどMVNOと呼ばれる通信会社も多くありますよね。
アメリカも同様に、大手通信会社と沢山のMVNOが通信サービスを提供しています。
この全てのアメリカの通信会社のSIMカードが、日本のスマホでも使えるかというと…そういう訳ではないので選ぶ際には注意が必要です。
ここでは、アメリカのSIMカードを選ぶときに気をつけたいポイントを2つ紹介します。
- アメリカの通信会社の3G通信方式には注意!周波数帯(バンド)は合ってる?
- iPhoneは古い機種を除いてアメリカのSIMカードが使える!Androidは要注意
アメリカに限らず、どの海外SIMにも共通するSIMカードの選び方の注意点については、以下の記事でチェックしてください。
1. アメリカの通信会社の3G通信方式には注意!周波数帯(バンド)は合ってる?
まず、自分が持っているスマホが、SIMロック解除されたSIMフリーの状態になっているかどうかを確認します。
その次に、自分のスマホの通信仕様を、メーカーや現在契約している通信会社のウェブページで調べて下さい。
ここで注意して見ておいて欲しいところは、次の2点です。
- 自分のスマホの3Gの通信方式がどの方式に対応しているか
- 自分のスマホがどの周波数帯(バンド)に対応しているか
この2点を調べる理由は、通信方式と周波数帯が合うSIMカードを選ばなければ、現地でインターネットが繋がらないからです。
自分のスマホの通信方式と周波数帯(バンド)がわかれば、それに合うアメリカのSIMカードを選びます。
1. 通信方式の見方を解説!3Gは2つの方式があるので気をつけよう
4Gの通信方式は、日本でも海外でもLTEが主流なので、特に相互性については問題はありません。
しかし、3Gの通信方式については、W-CDMA方式とcdma2000方式の2つの方式が存在しているので注意しましょう。
自分のスマホの3Gの通信方式がどちらに対応しているのか、両方に対応しているのか、確認する必要がある訳です。
ちなみに、アメリカを含め海外ではW-CDAM方式のことをUMTSと、cdma2000方式のことをCDMAと呼んでいることが多いので混乱しないようにして下さい。
ここで、日本とアメリカの大手通信会社5社が採用している3Gの通信方式について見てみましょう。
日本の場合、大手通信会社3社で見てみると・・・
アメリカの場合は、大手通信会社5社で見てみると・・・
W-CDMA方式を採用している大手通信会社はAT&TとT-Mobile USのみで、それ以外はcdma2000方式を採用していることが分かりますね。
このアメリカの大手通信会社5社は、全米に渡り通信網を持っています。
しかし、アメリカは日本に比べてとても大きな国です。
なので、この大手5社以外にも、それぞれの州や地方に通信網を持つ通信会社が沢山存在しています。
各州や地方の通信会社の3G方式についても、cdma2000方式を採用している会社が多いようです。
3Gの通信回線をアメリカでも利用するためには、自分の端末と通信会社の通信方式が合っているかどうかがポイントです。
なるほど!
2. 周波数帯(バンド)が合っているかどうかをチェックしよう
3Gの通信方式が合っているかどうか調べたあとは、2G・3G・4Gの周波数帯(バンド)が合っているかも調べて下さい。
通信方式が合っていても、通信会社が提供している周波数と自分のスマホが受けることができる周波数が合ってないと、その通信サービスを利用することはできません。
安定して電波をひろう為には、3G、4Gの回線でそれぞれ2つ以上の周波数帯(バンド)が合っていることが理想的です。
iPhone・Androidと、海外SIMの周波数帯を見る方法
4G回線のみで周波数帯が合っている場合、アメリカの大手通信会社5社のSIMカードなら、VoLTE(Voice over LTE)のサービスを提供しているので、データ通信、通話通信、共に出来ると思います。
しかし、VoLTEを採用していない4G回線のSIMカードを使う場合は、データ通信が出来ても通話が出来ない可能性があるので注意が必要です。
また、自分のスマホがVoLTEに対応している機種でないといけません。
2. iPhoneは古い機種を除いてアメリカのSIMカードが使える!Androidは要注意
アメリカで自分のiPhoneが使えるかどうか、気になる人は多いでしょう。
iPhone5以降のシリーズ(日本モデル)は、3Gの通信方式がW-CDMAと共にcdma2000にも対応しています。
またiPhoneはAndroidと比べて、多くの周波数帯にも対応しているので、どのアメリカの通信会社のSIMカードでも利用できると思います。
国内のAndroidについては、どちらかの3Gの方式に対応していないことも多く、対応周波数帯もiPhoneに比べて少ない機種もあるので、注意が必要です。
最後に、日本の各スマホに合うアメリカのSIMカードを下の表にまとめたので、参考にしてください。
- 自分のスマホがW-CDMA方式のみにしか対応していない端末の場合
(ドコモ・ソフトバンクのAndroidに多い) - ⇒ W-CDMA方式を採用している通信会社のSIMカードを購入する
(AT&T・T-Mobile USなど) - 自分のスマホがcdma2000方式にしか対応していない端末の場合
(auのAndroidに多い。しかし、最近のLTE対応のauのAndroidは、cdma2000・W-CDMAの両方に対応仕様の端末になっている) - ⇒ cdma2000方式を採用している通信会社のSIMカードを購入する
(Verizon・Sprint・U.S Cellularなど) - 自分のスマホがW-CDMA方式・cdma2000方式、両方の方式に対応している端末の場合
(iPhone5以降のシリーズなど) - ⇒どちらの通信方式を採用している会社のSIMカードでも購入できる
※通信方式が合っていても、周波数帯が合わなければ利用することができないので、周波数帯も必ず調べましょう。
4. おすすめのアメリカのSIMカード!大手通信会社4社のプリペイドプランを紹介
次に、アメリカの大手通信会社のSIMカードについて紹介します。
以下は、2017年度のアメリカの大手通信会社の加入者ランキングです。
1位 Verizon Wireless | 約148,800,000人 |
---|---|
2位 AT&T Mobility | 約138,800,000人 |
3位 T-Mobile US | 約70,700,000人 |
4位 Sprint Corporation | 約53,000,000人 |
この上位4社は、全米に通信ネットワークを持っている通信会社になります。
これら大手通信会社のSIMカード、または、この会社の通信回線を借りているMVNOのSIMカードを購入すれば、基本的にアメリカ全土で繋がる通信サービスを利用できると言えるでしょう。
ただし、格安SIMと言われるMVNOのSIMカードの場合、利用できる周波数帯(バンド)が少ないと、混線しやすい、繋がらないという可能性もあります。
出来れば購入する前に、問い合わせるなどして確認しておくと良いかもしれません。
ちなみに、4社の4Gの通信エリアは以下のページで比較してみることが出来ます。
それでは、これからこの大手通信会社の4社が採用している通信方式や周波数帯、プリペイドプランを紹介していきますね。
1. Verizon(ベライゾン)
Verizonは全米で一番利用者が多い通信会社です。
3Gの方式がcdma2000方式なので、W-CDAM(UMTS)のみ対応の端末を使いたい場合は、他の通信会社のSIMカードを購入することをおすすめします。
Verizonのネットワークエリアは全米1位のカバー率と言われています。
Verizonのサービスエリアを確認してみて下さい。
1. Verizonの通信方式と周波数帯(バンド)
通信規格 | 通信方式 | バンド番号 | 周波数帯(MHz) |
---|---|---|---|
2G 3G | cdma2000 | 0 1 | 850 1900 |
4G | LTE | 5 2 13 4 | 850 1900 700 1700/2100 |
音声通信・・・cdma2000/VoLTE/Wi-Fi Calling |
※2019年末にはcdma2000のネットワークは廃止、4GLTEに変更予定
自分のスマホがVerizonのネットワークを利用できるかは以下のページでも確認することができます。
確認するためには、自分のスマホのIMEI番号を入力することが必要となります。
IMEI番号とは、端末の識別番号(International Mobile Equipment Identifier)のことです。
スマホの設定の端末情報に載っているので確認しましょう。
確認ができたら、「Your device ID」にIMEI番号を入力します。
今回は試しにiphone 6sの端末が利用できるか、確認してみましょう。
iPhone6Sの場合、VerizonのSIMカードに対応していることが分かります。
2. Verizonの料金プラン
Verizon 通話データプラン | ||
---|---|---|
データ無制限 | 80ドル(8,800円) | 米国内の通話は無料 未使用の通信データは翌月に繰り越せる 日本へのテキストメールも無料 |
10GB | 60ドル(6,600円) | |
7GB | 50ドル(5,500円) | |
3GB | 40ドル(4,400円) |
※1米ドル110円で換算
※有効期限はチャージ後1ヶ月間
2. AT&T(エイ ティ アンド ティ)
AT&Tは全米で2番目に利用者数が多い通信会社。
3Gの方式がW-CDAM(UMTS)を採用していているので、日本のAndroidでも合うことが多いです。
なので、アメリカのどのSIMカードを利用するか迷った場合は、AT&TのSIMカードが使えるか調べてみると良いでしょう。
また、AT&T の回線を借りている通信会社(MVNO)のSIMカードも、日本のスマホでも比較的、利用することができます。
AT&Tのネットワークエリアは以下のページで確認して下さい。
1. AT&Tの通信方式と周波数帯(バンド)
通信規格 | 通信方式 | バンド番号 | 周波数帯(MHz) |
---|---|---|---|
3G | UMTS/HSPA+ (W-CDMA) | 5 2 | 850 1900 |
4G | LTE | 12/17/14/29 5 4/66 2 30/40 | 700 850 1700/2100 1900 2300 |
音声通信・・・UMTS/VoLTE/Wi-Fi Calling |
※2016年12月末で2Gのネットワークは廃止
自分のスマホがAT&Tのネットワークを利用できるかは以下のページでも確認することができます。
AT&T Check your device compatibility
2. AT&Tの料金プラン
AT&T 通話データプラン | ||
---|---|---|
データ無制限 | 65ドル(7,150円) | 米国内の通話は無料 |
6GB | 45ドル(4,950円) | |
1GB | 35ドル(3,850円) |
※1米ドル110円で換算
※有効期限はチャージ後1ヶ月間
3. T-Mobile US(ティ モバイル)
T-Mobile USは全米で3番目に利用者数が多い通信会社。
もともとはドイツに本社をおくT-Mobileが、北米へ事業拡大していき、アメリカでも通信サービスを始めました。
T-Mobile USの通信方式は、AT&Tと同じように3Gの方式でW-CDAM(UMTS)を採用していて、日本のAndroidでも合うことが多いです。
なので、アメリカのどのSIMカードを利用するか迷った場合は、AT&TもしくはT-Mobile USのSIMカードが使えるか、周波数帯など調べてみることをおすすめします。
また、T-Mobile USの回線を借りている通信会社(MVNO)のSIMカードも、日本のスマホでも比較的利用することが可能です。
実は、T-Mobile USのSIMカードは、渡航前に日本でも購入することが出来ます。
Mostsimという代理店がウェブ上でも販売しており、申し込みも日本語なので安心です。
ちなみに、3週間の短期滞在までならT-Mobile USのプランで、旅行者向けのツーリストプランというものがあります。
ツーリストプランのSIMカードは、T-Mobile USの店舗か、アメリカの空港にあるIn-Motionエンターテイメントストアで販売しているようです。
ただし、アメリカの全ての空港で販売している訳ではないので、事前に以下で確認して下さい。
ツーリストプランは、3週間を過ぎると自動的に失効して利用できなくなるので、3週間以上利用したい場合は、オプションを付けるか別のプランに申し込みしましょう。
T-Mobile USのネットワークエリアは以下のページで確認して下さい。
1. T-Mobile USの通信方式と周波数帯(バンド)
通信規格 | 通信方式 | バンド番号 | 周波数帯(MHz) |
---|---|---|---|
2G | GSM GPRS※1 EDGE※2 | 1900 | |
3G | UMTS/HSPA+ (W-CDMA) | 2 4/66 | 1900 1700/2100 |
4G | LTE | 2 4/66 12 71 | 1900 1700/2100 700 600 |
音声通信・・・GSM/UMTS/VoLTE/Wi-Fi Calling |
※1 GPRS(General Packet Radio Service)・・・GSMのネットワークを利用した第2.5世代のデータ通信システム
※2 EDGE(Enhanced Data GSM Environment)・・・GSMのネットワークを利用した第3世代のデータ通信システム
※T-Mobile USは、2017年6月末からLTEのサービスエリア拡張のために、3G(1900MHz)の基地局はLTEに置き換えられ、3Gと2Gのエリアは減っていく予定です。
自分のスマホがT-Mobile USのネットワークを利用できるかは以下のページでも確認することができます。
Check your phone’s compatibility with the T-Mobile Network
2. T-Mobile USの料金プラン
T-Mobile US 通話データプラン | ||
---|---|---|
無制限 | 75ドル(8,250円) | 米国内の通話無料 日本へのテキストメール無料 |
10GB | 50ドル(5,500円) | |
4GB | 45ドル(4,950円) |
※有効期限は30日間
T-Mobile US その他プラン | ||
---|---|---|
旅行者プラン 2GB(3週間)※1 | 30ドル(3,300円) | 米国内1000分通話無料 日本へのテキストメール無料 |
通話とメールのみ | 3ドル/月 | 30分通話 テキストメール30通 |
1日500MBプラン | 5ドル/日 | |
1週間1GBプラン | 10ドル/週 |
※米ドル110円で換算
4. Sprint(スプリント)
Sprintは全米で4番目に利用者数が多い通信会社。
2013年8月にソフトバンクによって買収されています。
この買収によりソフトバンクは、アメリカの通信サービスを国内他社の通信会社と比べて安く提供することが可能になりました。
Sprintが採用している通信方式は、Verizon Wirelessと同様、3Gの方式がcdma2000方式です。
なので、W-CDAM(UMTS)のみ対応の端末の場合は、他の通信会社のSIMカードを購入することをおすすめします。
Sprintのネットワークエリアは以下のページで確認して下さい。
1. Sprintの通信方式と周波数帯(バンド)
通信規格 | 通信方式 | バンド番号 | 周波数帯(MHz) |
---|---|---|---|
3G | cdma2000 | 10 2 | 800 1900 |
4G | LTE | 26 25 41 | 800 1900 2.5GHz |
音声通信・・・cdma2000/VoLTEは現在テスト中/Wi-Fi Calling |
※2013年8月にソフトバンクがSprintを買収。
2. Sprintの料金プラン
Sprint 通話データプラン | ||
---|---|---|
無制限 | 60ドル(6,600円) | 米国内の通話は無料 |
4GB | 40ドル(4,400円) |
※米ドル110円で換算
Verizon、AT&Tはネットワーク網が全米に渡って整っているので、安定して電波が受けられると言われています。
T-Mobile USも全米にネットワークはあるけど、一部の空港などで電波が入らないことも。
Sprintは大手3社よりは少しカーバーエリアが狭いようです。
なるほど。
5. 「Auto Pay」に要注意!アメリカsimプリペイドプランについて
Sprintは日本と同じように後払い(Postpaid)のプランもあるようですが、アメリカのほとんどの料金プランは先払い(Prepaid)のプランになっています。
プリペイドプランには、データ通信と通話ができるプラン、データ通信のみのプランなど、様々です。
期間も1日単位、週単位、月単位と自分の滞在期間に合わせて選ぶことができるプランもあります。
渡航期間や必要な通信データ量、通話プランは必要かなど検討して選ぶと良いでしょう。
1. プリペイドプランのSIMカードには2つのパターンがある
実はプリペイドプランには2つのパターンがあります。
通信会社のアクティベーション用のSIMカードを購入し、SIMカードの認証処理をスマホで行ったあとに、ウェブ上の自分のアカウントからチャージするパターンが一つ。
このパターンのメリットは、利用できる通信量がなくなれば、その都度インターネットから追加チャージできることです。
大手通信会社のプリペイドプランは、このパターンのプランがほとんど。
もう一つは、SIMカードにアクティベーション設定と利用通信量がすでにチャージされているパターンです。
この場合のSIMカードは、基本的に一回の使い切りになるので、利用できる通信量がなくなればもう一度新しいSIMカードを購入する必要があります。
短期滞在や旅行者向けには、ウェブ上でチャージする手間が省けて便利なプランだと思います。
アメリカでは、MVNOがこのサービスを提供していることが多いようです。
2. 「Auto Pay」にしておくと、帰国後も自動的に引き落とされてしまうので注意!
アメリカの大手通信会社のプリペイドプランは、ウェブ上で先払いして通信データをチャージするパターンだと話しました。
しかし、このプランの場合、気を付けておいて欲しいことが一つあります。
それは支払いの設定を「Auto Pay」(自動支払)にしておかないことです。
例えば、月単位のプランで「Auto Pay」に設定してると、1ヶ月経つと自動的に通信データが追加されて費用が引き落とされてしまいます。
数ヶ月、年単位で滞在する場合は、「Auto Pay」にしておけばプラン料金の割引があったり、いちいち自分で追加する必要がないから便利かもしれません。
しかし短期滞在の場合は、「Auto Pay」は申し込まない、もしくは自分のアカウントの設定でOFFにしておかないと、帰国してからも自動的に引き落とされてしまうので気を付けてください。
6. 通信会社の電波が入りにくいときは「Wi-Fi Calling」を試してみよう
アメリカの通信会社の音声通話のサービスの一つに「Wi-Fi Calling」というものがあります。
「Wi-Fi Calling」(Wi-Fi通話)とは、Wi-Fiの電波を利用して電話できる通話サービスです。
国土の広いアメリカでは、通信会社の電波が届かない場所や地域がどうしてもでてきます。
その圏外の部分を無線Wi-Fiの通信網で補うために、この「Wi-Fi Calling」のサービスが始まったという訳です。
ちなみに、「Wi-Fi Calling」は通信会社が提供しているサービスで、公衆のWi-Fi電波では利用できないので注意して下さい。
どのスマホが「Wi-Fi Calling」を利用できるかというと、iPhone5s以降のシリーズなら「Wi-Fi Calling」に対応している端末になります。
しかし、国内のAndroidは「Wi-Fi Calling」の機能がないので利用できません。
「Wi-Fi Calling」のメリットとしては、iPhone5s以降のシリーズの端末なら、特定のアプリを入れなくても、スマホに登録している電話帳から直接電話やSMSの発着信ができることです。
この点でLINEやSkypeによる電話と大きく異なります。
ちなみに、「Wi-Fi Calling」の料金は基本的に無料。
申し込んだ通話プランが適用され、追加で費用がかかることはないようです。
申し込む際に「Wi-Fi Calling」が利用できるか、料金はどうなっているか確認しておくと良いでしょう。
「Wi-Fi Calling」の音声サービスを提供している海外の通信会社は以下で確認できます。
日本では「Wi-Fi Calling」って聞いたことないな。
日本は携帯電話の通信網がきちんと整備されていて、大体どこの場所でも携帯電話の電波が繋がるようになっています。
だから、Wi-Fiを利用した通話の必要性がないので「Wi-Fi Calling」のサービスは行われていません。
なるほど。
だから、国内のAndroidには、「Wi-Fi Calling」の機能がついてないんだね。
5. 日本で購入できるアメリカのMVNOのSIMカードは、料金も安く設定も安心
次は、アメリカの大手通信会社の回線を借りて通信サービスを提供しているMVNOが、日本に代理店や支店をたてて販売しているSIMカードを紹介します。
楽天モバイルなどの国内の通信会社が提供している海外向けSIMカードと比べて、このSIMカードは費用が安いのが特徴です。
また、4G(LTE)の通信も利用できます。
1. HanaCell(ハナセル)アメリカ携帯・アメリカSIM
HanaCell(ハナセル)は、イギリスに本社をおくMobell Communications Ltd.,が運営している会社です。
アメリカ向けの携帯やSIMカードのプランや、アメリカからの一時帰国者向けに日本のSIMカードのプランを提供。(ソフトバンクと提携)
アメリカ向けの通信サービスは、アメリカの大手通信会社「T-Mobile US」の回線を一部借りることで提供しています。
つまり、「T-Mobile US」のMVNOの一つにあたる訳です。
HanaCell(ハナセル)の特徴としては、1ヶ月9.99ドルの格安のプランから、データや通話の使い放題のプランまで様々なものがあること。
なので、アメリカにどのくらい滞在するか、どのくらいの頻度でスマホなどを利用したいかによって、自分の目的に合ったプランがきっと見つかると思います。
また、申込みからサポートまで日本語で対応してもらえるので安心です。
1. HanaCell(ハナセル)の通信方式・周波数帯・サービスエリア
ハナセルのSIMカードを利用するには、SIMロック解除してあるスマホ、またはSIMフリーの端末を用意しましょう。
持っているスマホの通信方式が、4G(LTE)、3G(W-CDMA/UMTS)、2G(GSM)で対応しているスマホなら利用することができます。
通信規格・方式 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|
2G(GSM) | 1900 |
3G(W-CDMA) | バンド2・1900 バンド4・1700-2100 |
4G(LTE) | バンド2・1900 バンド4・1700/2100 バンド12・700 |
サービスエリア | |
アメリカ(ハワイを含む) |
2. HanaCell(ハナセル)の料金プラン
プラン | 米国内通話 | 高速データ通信 |
---|---|---|
月9.99ドル | 発着信 0.27ドル/分 | 0.27ドル/MB |
月29ドル | 発着信 0.27ドル/分 | 2GB |
月49ドル | 使い放題 | 3GB |
月59ドル | 使い放題 | 6GB |
月79ドル | 使い放題 | 使い放題 |
※高速データ通信(4GLTE)の制限を超えた場合、低速での利用になります。
※SMSの利用は、すべてのプランにおいて使い放題です。
- 日本への通話
- 0.5ドル/分
プランの申し込み、自分のスマホ等の端末が利用できるかどうかを確認するには、以下をご覧ください。
2. mobell(モベル)アメリカSIM
mobellは、イギリスに本社をおくMobell Communications Ltd.,という通信会社のアメリカ事業「Mobal」の日本支店。
Mobalは、アメリカの大手通信会社「T-Mobile US」のMVNOの一つです。
利用には、SIMロック解除してあるスマホ、またはSIMフリーの端末であること。
持っているスマホの通信方式が、4G(LTE)、3G(W-CDMA/UMTS)、2G(GSM)で対応しているスマホなら利用することができます。
mobellのアメリカSIMの特徴は、1ヶ月定額5,994円でデータ通信が使い放題という格安プランを提供していることです。
1. mobellの通信方式・周波数帯・サービスエリア
通信規格・方式 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|
2G(GSM) | 1900 |
3G(W-CDMA) | バンド2・1900 バンド4・1700-2100 |
4G(LTE) | バンド2・1900 バンド4・1700/2100 バンド12・700 |
サービスエリア | |
アメリカ(ハワイを含む、グラム・サイパンは除く) |
2. mobellの料金プラン
- データ通信・SMS
- 5,994円 1ヶ月使い放題
- 通話(着信・米国内通話・日本へかける)
- 60円/分
3. H2O(エイチ ツー オー)
H2Oは、アメリカの大手通信会社の「AT&T」の回線を借りているMVNOです。
アメリカのKDDIの子会社であるKDDI Mobileが販売しています。
利用には、SIMロック解除してあるスマホ、またはSIMフリーの端末であること。
また、自分のスマホの通信方式が、4G(LTE)、3G(W-CDMA/UMTS)、2G(GSM)に対応している端末なら使うことができます。
H2Oのプランの特徴は、音声通話のサービスが充実していることです。
アメリカから日本の固定電話への国際電話が無料、携帯電話への国際電話でもある一定料金は無料。
また、アメリカ国内・国外からの着信も無料で、アメリカ国内での通話も無制限で利用することができます。
もし不明な点があれば、E-mailやチャットなどで日本語で問い合わせをすることが可能なので安心です。
1. H2Oの通信方式・周波数帯・サービスエリア
通信規格・方式 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|
3G(W-CDMA) | バンド5・850 バンド2・1900 |
4G(LTE) | バンド2・1900 バンド4・AWS バンド5・850 バンド17・700 |
サービスエリア | |
以下のURLでサービスエリアを確認することができます。 H2Oのサービスエリア |
2. H2Oの料金プラン
データ通信 | 日本の携帯電話への通話 | |
---|---|---|
2GB | 30ドル(3,300円) | 10ドル(1100円)相当が無料 |
10GB | 40ドル(4,400円) | 20ドル(2200円)相当が無料 |
15GB | 50ドル(5,500円) | |
無制限 | 60ドル(6,600円) |
米国内通話 | 日本の固定電話への通話 |
---|---|
無制限 | 無制限 |
※ 有効期限はチャージ後30日間
※ 1米ドル110円で換算
※ 国によっては携帯電話への通話も無料で利用できます。
※ 日本の携帯電話への無料分を使い切ると、1分27.7セント(約30円)のレートが適用されます。
参照)料金プラン
6. Amazonでも購入できるアメリカのMVNOのSIMカードは、販売元をレビューを確認しよう
Amazonでも沢山のアメリカ向けのSIMカードが売っています。
どのSIMカードを買うかは、販売元やレビューなどを参考に慎重に選びましょう。
ZIP SIM(旧・Ready SIM)
※ZIP SIM は、2020年6月30日をもってサービスを終了しました。
ZIP SIMは、アメリカの大手通信会社の「T-Mobile US」の通信回線を借りているMVNOです。
AmazonのサイトでZIP SIMで検索すると、Ready SIMという名前のSIMカードも出てくると思います。
Ready SIM はZIP SIMの旧名称で、現在はZIP SIMになっているので、ZIP SIMのSIMカードを購入しましょう。
Amazonではクロスモバイルという販売店が、ZIP SIMの通話データ用SIMカードとデータ専用のSIMカードを販売しています。
参照)ZIP SIM 通話+SMS+データ通信500MB、7日間 アメリカ用プリペイドSIM Amazon
1. ZIP SIM の通信方式・周波数帯・サービスエリア
通信規格・方式 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|
2G(GSM) | 1900 |
3G(W-CDMA) | HSPA バンド4・1700/2100 HSPA+ バンド2・1900 バンド4・1700/2100 |
4G(LTE) | バンド2・1900 バンド4・1700/2100 バンド12・700 |
サービスエリア | |
アメリカ |
参照)ZIP SIM公式サイト
自分のスマホがZIP SIMのネットワークを利用できるかは以下のページでも確認することができます。
2. ZIP SIMの料金プラン
データ通信・米国内通話・テキストメール | |
---|---|
500MB(7日間) | 25ドル(2,750円) |
1GB(14日間) | 35ドル(4,400円) |
1.5GB(21日間) | 45ドル(5,500円)) |
2GB(30日間) | 55ドル(6,600円) |
データ通信のみ | |
500MB(14日間) | 20ドル(2,200円) |
1GB(14日間) | 30ドル(3,300円) |
2GB(30日間) | 50ドル(5,500円) |
参照)Data-Only Plans
7. 日本の通信会社が提供しているアメリカ向けのSIMカードは、通信回線と費用に注意!
日本の通信会社が販売している海外向けSIMカードは、基本的に、海外の通信会社と提携しその電波回線の一部を借りる形で提供されています。
周波数帯(バンド)の数が限られていたり、4G LTEの回線が利用できず、通信速度が遅い2Gや3Gの回線しか使えないことが多いので、その点には気を付けて下さい。
また費用についても、国内の通信会社が間に入るので、直接現地の通信会社で購入し契約するよりも料金は高めに設定されています。
長期での海外旅行や海外留学にはあまり向いてないので、渡航期間が短期の場合は検討してみてもいいかもしれません。
1. 楽天モバイル 海外SIM
楽天モバイルの海外SIMは、アメリカの大手通信会社の「T-Mobile US」の回線を一部借りることによって、アメリカでの通信サービスを提供しています。
利用するためには、自分のスマホが、SIMロック解除されたもの、またはSIMフリーの端末でなければなりません。
また、2GがGSM方式、3GがW-CDMA(UMTS)方式に対応の端末であれば、楽天モバイルの海外SIMが使えます。
4G(LTE)専用のスマホは使うことができないので注意して下さい。
1. 楽天モバイル 海外SIMの利用可能な周波数帯
地域 | 通信会社 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|---|
アメリカ (ハワイを含む。アラスカ・サイパン・グアムを除く) | T-Mobile US | 2G(GSM) 1900 |
3G(W-CDMA) バンド2・1900 バンド4・1700-2100 | ||
アメリカ(アラスカ) | Manx NA | 2G(GSM) 850/1900 |
2. 楽天モバイル 海外SIMの料金プラン
データ通信 | |
---|---|
50MB※1 | 880円 |
200MB※1 | 2,040円 |
500MB※2 | 4,240円 |
通話・SMS | |
通話100分・SMS100通※1 | 4,290円 |
通話300分・SMS300通※2 | 9,680円 |
※1 購入後7日間が有効期限
※2 購入後30日間が有効期限
※別途楽天のSIMカード、3,000円がかかります。
2. mineo(マイネオ) 海外用プリペイドSIM(データ専用)
※mineo(マイネオ) 海外用プリペイドSIMは2018年12月に終了しました。
mineo(マイネオ)の海外用プリペイドSIMは、アメリカの大手通信会社の「T-Mobile US」の回線を一部借りることによって、アメリカでの通信サービスを提供しています。
利用するには、自分のスマホがSIMロック解除されたもの、またはSIMフリーの端末であること。
また、2GがGSM方式、3GがW-CDMA(UMTS)方式に対応の端末であれば、mineoの海外用SIMカードを使うことができます。
4G(LTE)専用のスマホは使うことができないので注意して下さい。
mineo(マイネオ)の海外用プリペイドSIMカードはデータ専用なので、IP電話以外の電話通話はできません。(SMSは可)
1. mineo(マイネオ)海外用プリペイドSIMの通信方式・周波数帯・サービスエリア
通信規格・方式 | 周波数帯MHz(バンド) |
---|---|
2G(GSM) | 1900 |
3G(W-CDMA) | バンド2・1900 バンド4・1700-2100 |
サービスエリア | |
アメリカ(ハワイ・アラスカを含む) |
2. mineo(マイネオ)海外用プリペイドSIMの料金プラン(データ専用)
データパックチャージの場合※1 | |
---|---|
30MB | 650円 |
100MB | 1,480円 |
500MB | 5,480円 |
1GB | 9,800円 |
重量チャージの場合※2 | |
1MBあたり32円で、1000円からチャージが可能。 |
※1 有効期限はチャージ後30日間
※2 有効期限はチャージ後1年間
※ 別途初期費用として3,000円かかります。
まとめ 自分のスマホ・渡航期間に合ったアメリカのSIMカードを選ぼう!
アメリカのSIMカードを紹介してきたけど、どうだったかな?
思ったより沢山あるから、迷うなぁ。
そうだね。アメリカSIMの選び方をもう一度おさらいしましょう。
- SIMフリーのスマホを準備する、またはSIMロック解除をする
- 自分のスマホの通信方式と周波数帯(バンド)をチェックする
- 自分のスマホとアメリカSIMの、通信方式と周波数帯(バンド)を照会する
- 通信方式と周波数帯(バンド)が合うアメリカSIMの中から、渡航期間や利用目的に合ったプランを選ぶ
この方法なら、失敗することなくアメリカSIMを選ぶことができますよ!
ぼくも早速自分のスマホの通信方式と周波数帯を調べてみます!