高校生が海外へ留学する場合、「お金はどうやって持っていこう?」「留学先でのお金管理はどうしよう?」…と、迷っている高校生・その保護者の方はいるのではないでしょうか?

昔は高校生でも使えるトラベラーズチェックというものがあったのですが、2014年に日本国内では販売が終了してしまいました。

じゃあ、現金?でも大金を持つのは心配…海外は日本よりもクレジットカード社会だと聞くけど、そもそも高校生が使えるクレジットカードはあるの?

…と、色々疑問に思いますよね。

実は、多額の現金を持たないで留学するために、高校生でも使えるカードが3つあります。

「クレジットカードの家族カード」「デビットカード」「海外プリペイドカード」です。

ここでは、それぞれのカードの特徴やメリット・デメリットを紹介していきたいと思います。

1. 高校生でもクレジットカードを持って行きたいなら「家族カード」

クレジットカードは、原則高校生を除く18歳以上の人しか作れないことになっています。

しかし、クレジットカードの「家族カード」なら、作れる場合があります。

ただし、海外留学やホームステイなどでクレジットカードを利用したい場合に限られます。

対象は15歳から18歳の高校生で、中学生は申し込むことはできません。

また、国内で使う目的で作ることはできないので、注意しましょう。

参照)三井住友 VISA カード

クレジットカード「家族カード」のメリットとデメリット

クレジットカードの家族カードを使うメリットは、全部で6つあります。

家族カードのメリット

  1. 家族カードの申し込みには、与信審査はない。
  2. 家族カードでついたポイントを本会員(親)のカードに合算できる。
  3. 本会員(親)のクレジットカードに保険サービスが付いていた場合、家族カードを持っている人にも同じ内容の保険サービスが受けられる。
  4. 家族カードの利用明細書は、親に送られるので子供の利用金額を把握しやすい。
  5. 現地の ATM で現地通貨を引き出せる。(キャッシング)
  6. 買い物で分割払いができる。

クレジットカードの家族カードを使うデメリットは4つです。

家族カードのデメリット

  1. 本会員(親)のクレジットカード発行には与信審査がある。
  2. クレジットカードの家族カードの場合、利用限度額は親が持っているクレジットカードの利用限度額の範囲内になる。
    例えば、限度額が80万円の場合、親のクレジットカードと家族カードそれぞれ80万円まで利用できるのではなく、合わせて80万円まで利用できる。
  3. 引落し銀行口座の残高に関わらず、クレジットカードの限度額まで使えるので使いすぎる可能生がある。
  4. 後払いなのでキャッシングに金利(年利18%ほど)かかる。
久美子先生久美子先生

クレジットカードの特徴としては、支払いが後払いだということ。
だから、今月どれくらい使ったか、ちゃんと自分で把握していないと使い過ぎてしまうので、気を付けましょう!

りゅうが君りゅうが君

はい!

久美子先生久美子先生

あと、クレジットカードは、飛行機・ホテルなどの予約の時に、身分証明書代わりに使うこともできるよ。
その点でもクレジットカードは便利ですね。

2. 高校生がクレジットカード以外に持てるカード「デビットカード」

デビットカードは、中学生を除く15歳以上、または16歳以上から利用できるものが多くあります。

デビットカードは銀行口座と直結していて、カードでお金を使った時に銀行口座からお金が引かれる即時払い(即時決済)が特徴です。

クレジットカードは後払いなので、支払いが翌月・翌々月だったりです。

なので、今月いくら全部使ったか自分で考えながら利用しないと、ついつい使い過ぎてしまうこともあるかもしれません。

しかし、デビットカードの場合は銀行口座の残高分しか使えないでので、その点については安心です。

1. 「デビットカード」のメリットとデメリット

デビットカードを使うメリットは、全部で5つあります。

デビットカードのメリット

  1. 与信審査なしでカードを持てる。
  2. 銀行口座の残高にある分しか使えないので、使い過ぎを防げる。
  3. 買い物をした品物の破損、盗難、カードの不正利用に対する保険がついている。
  4. 海外の ATM で現地通貨を引き出せる。(金利なし)
  5. 利用履歴などがリアルタイムでウェブ上で確認できる。(カードによる)

デビットカードを使うデメリットは3つ。

デビットカードのデメリット

  1. 銀行口座に残高がないと使えない。
  2. ポイントの還元率がクレジットカードより低い。
  3. 一部のサービスやお店によって使えない場合がある。

2. 高校生の留学にオススメのデビットカード

楽天銀行シルバーデビットカード

楽天銀行「シルバーデビットカード(Visa)」

16歳以上の人が申し込みできます。発行手数料は無料、年会費は2,160円(税込)です。
ポイントの特典は、1,000円のご利用で10ポイント(100円で1ポイント)加算されます。

HISワールドキャビット

スルガ銀行 HIS の国際キャッシュカード(VISA)World Cabit

中学生を除く15歳以上の人が申し込みできます。入会金・年会費は無料です。
年間利用金額の0.2%がキャッシュバックされる特典があります。

あおぞら銀行

GMOあおぞらネット銀行「Visaデビット付キャッシュカード」

15歳以上の人が申込できます。発行手数料、年会費は無料です。
デビットカードでの利用額に対して0.6%がキャッシュバックされる特典があります。

3. クレジットカードが持てない中学生・高校生におすすめ「海外プリペイドカード」

海外プリペイドカードは、カードにもよりますが、年齢制限がないもの、13歳以上の人が使えるもの…と、高校生だけでなく中学生も使えるカードです。

プリペイドカードと言えば、カードにお金をチャージ(先払い)できる ICOCA や Suica を思いだす人も多いと思います。

カード自体にお金をチャージする点で言えば、海外プリペイドカードと ICOCA や Suica は同じです。

しかし海外プリペイドカードは、そのチャージする方法が違います。

海外プリペイドカードのチャージの仕方を理解してもらうために、カードの申し込みから利用開始までの流れを見てみましょう。

  1. 海外専用プリペイドカードの会社のWebサイト、郵送、FAXで申し込みをする。
  2. 1~2週間ほどでプリペイドカードが届く。
  3. 海外プリペイドカードの専用の自分のオンラインアカウントを開設する。
  4. 海外プリペイドカードのアカウントに銀行などの窓口・ATM・ネットバンキングで振込をする。
  5. 振り込みを指示した銀行等が自分の海外プリペイドカードのアカウントに入金する。
  6. 自分の海外プリペイドカードのオンラインアカウントにログインし、入金された円を外貨に両替するとお金のチャージが完了する。

海外で使えるようになる。

参照)Manepa Cardの使い方ガイド

りゅうが君りゅうが君

海外プリペイドカードの専用アカウントを作って、そのアカウントにお金を振り込んでチャージする仕組みなんだね。

久美子先生久美子先生

そう!

りゅうが君りゅうが君

海外プリペイドカードの使い方は?

久美子先生久美子先生

クレジットカードやデビットカードと同じ。
海外の Visa Plus・Master Card 対応の ATM から現地の通貨を引き出せるし、Visa・Master 加盟店で買い物、ネットショッピングにも使えます。

1. 「海外プリペイドカード」のメリットとデメリット

海外プリペイドカードを使うメリットは6つです。

海外プリペイドカードのメリット

  1. 年齢制限がない、または低い。
    クレジットカードの審査に通らなかった人、18歳以下の奨学生・中学生・高校生の子供も持つことができる。
  2. 使いすぎを防ぐ。
    クレジットカードと違って、ICOCA や Suica のようなプリペイド式(先払い)なので、使える金額はカードにチャージした分だけになる。
    お金の管理に不安なお子さんにも安心。
  3. 銀行口座が不要でカードを作ることができる。
    盗難・紛失にあった場合、銀行口座にある全額が危険にさらされる心配がない。
    カード自体の管理が不安なお子さんでも、銀行口座は関係ないので安全。
  4. 利用履歴などがリアルタイムでウェブ上で確認できる。
    本人だけでなく、保護者の方もプリペイドカードの利用履歴をチェックし一緒に管理できる。
  5. 海外の ATM で現地通貨を引き出せる。(金利なし)
  6. 外貨でチャージできるプリペイドカードの場合、為替レートが有利(円高)のときに自由にまとめてチャージすることができる。
    お子さんの授業料など高額なお金を振り込むときに節約可能。

海外プリペイドカードを使うデメリットは3つあります。

海外プリペイドカードのデメリット

  1. プリペイドカードにチャージする手間がかかる。
  2. チャージ残高がないと使えない。
  3. クレジットカードやデビットカードのように、カードの不正利用に対する補償がないことが多いので、カードの盗難・紛失などによる損害は自己負担になる。

クレジットカードやデビットカードは、申込みのときにカードの引落しの銀行口座を登録しなければなりません。

プリペイドカードの場合は、プリペイドカードのアカウントに振り込む形なので、申し込みの際に銀行口座は不要です。

留学している間この海外プリペイドカードを利用して、親からの送金手段として使っても良いかもしれません。

もちろん渡航して現地で銀行口座を開いて、海外送金に使うこともできますが、渡航してすぐに現地で銀行口座が作れるか分からない場合もあると思います。

その場合に備えて、予備の手段として持っていっても良いかもしれませんね。

親からの送金手段としてプリペイドカードを利用する場合は、本人以外の人(親)が振り込みをすることになるので、委任状を事前にカード会社に提出を忘れないようにしましょう。

久美子先生久美子先生

プリペイドカードによっては、カードのセキュリティロックを自分のプリペイドカードのオンラインアカウントからかけられるカードもあります。

りゅうが君りゅうが君

セキュリティロックをかけると、カードが使えなくなるの?

久美子先生久美子先生

はい。万が一誰かがカードを悪用しようとしても、ロックがかかっていれば不正利用を防ぐことができます。

りゅうが君りゅうが君

それならカードを使わないときはセキュリティロックをかけておくと、より安心だね。

久美子先生久美子先生

そうですね。
特に年齢が低い子どもは、カードを紛失する可能生はあるから、保護者がある程度、管理できると安心だですよね。

参照)マネパカード セキュリティロックの使い方

2. 中学生・高校生の留学にオススメの海外プリペイドカード

マネパカード

Manepa Card(マネパカード)

15歳以上の人が申し込みできます。発行手数料・年会費・チャージ手数料は無料。チャージは外貨と日本円でできます。専用のアカウントでセキュリティーロックも自由にかけられるので安心です。

MoneyT Global

MoneyT Global

13歳以上の人が申し込みできます。入会金・年会費・口座手数料・チャージ手数料は無料。日本円でチャージすることができる海外プリペイドカードです。申し込みに与信審査が必要ないのも嬉しいポイント。

ネオマネー

NEO MONEY(ネオマネー)

13歳以上の人が申し込みできます。入会金・年会費・口座手数料・チャージ手数料は無料。チャージは日本円になります。国内外の Visa 加盟店でのショッピングにも使えます。

キャッシュパスポート

Cash Passport(キャッシュパスポート)

審査や年齢制限がないので、未成年の方におすすめのプリペイドカードです!
チャージ手数料に入金額の1%がかかりますが、スペアカードを無料で発行できます。チャージは外貨(8通貨)と日本円で行うことが可能。また、Master Card の加盟店で利用することができます。海外で使っても T ポイントが貯められるので、とてもお得です(200円毎に1ポイント)。

〜まとめ〜留学中どうやってお金の管理をするか考えておこう!

高校生でも使えるクレジットカードの家族カード、デビットカード、海外プリペイドカードについて紹介してきました。

どのカードを作って持っていくか、1枚だけ持っていくか、念のために複数枚もっていくか…など具体的に留学中のお金の管理をどうするか、是非渡航まえに考えておいて下さい。

中学生・高校生が海外にホームステイをしたり留学する場合、子ども自身だけでお金の管理をさせておくのが心配な保護者の方も多いと思います。

留学する前に、お金の管理についてはちゃんと話し合って決めておきましょう。