海外旅行や海外出張などで、海外に頻繁に行く人、いろいろな国に渡って海外へ行く人にとって、パソコンよりも軽いiPadは持っていくのにとても便利ですよね。
また、短期・長期留学でアメリカなど海外へ行く学生の方にとっても、便利なアイテムだと思います。
そんな人の中で、次のように思っている人もいるでしょう。
「海外でiPadをネットに繋ぐために、無料WiFi以外で便利な方法はないかな?」
「海外でiPadでデータ通信したいけど、海外のSIMカードを現地で購入するのは不安…」
実は、海外でとても便利なApple SIMというiPad専用のSIMカードがあるのを知っていますか?
このApple SIMのサービスを利用すると、海外のさまざまな国で簡単にデータ通信の設定ができ、ネットに繋ぐことができます。
ここでは、このiPad専用のSIMカード「Apple SIM」について、仕組みや使い方、注意点など詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1. Apple SIMはiPad専用のSIMカード!海外でApple SIMを使うメリットとは?
画像)Amazon
Apple SIMとは、Apple社が販売しているiPad専用のSIMカードです。
iPad専用のSIMカードなので、iPhoneにApple SIMを使うことはできません。
海外でiPadを使用するとき、Apple SIMを利用するメリットは2つあります。
- 1枚のSIMカードで世界180以上の国や地域にわたって利用することができる
海外へ行くたびに海外用のSIMカードに差し替える手間が省ける。海外に短期滞在する人、周遊で複数の国へ旅行する人、あちこちに海外出張するビジネスパーソンには便利。
- iPadの端末上で通信会社やMVNO※のプリペイドプランに契約することができる
海外用のSIMカードを購入するために、海外現地の店舗へ行って手続きする手間が省ける。Apple SIMが提携している海外の通信業者の料金プランはプリペイドプランなので,
使いすぎを防ぐことができる。
※ MVNOとは大手通信会社の通信回線を借りて、通信サービスを提供している通信会社のこと。
プリペイドプランということは、チャージされた分だけデータ通信ができる訳です。
もし、いちいち再チャージすることが面倒な場合は、自動リチャージ(Auto Recharge・Auto Renew)のプランを選ぶこともできます。
ただし、帰国後は自動リチャージの設定を解除しておくことを忘れないようにしてください。
Apple SIMはどこで買えるの?
Apple SIMが買えるのは、以下の国のAppleStoreで、600円ほどで購入できます。
香港・イタリア・オランダ・スペイン・スウェーデン・スイス・トルコ
以前はAmazonでもApple SIMを購入できたようですが、現在は販売していませんでした。
また、Apple SIMがすでに内蔵されているiPad端末を持っていれば、わざわざ購入する必要はありません。
どの機種のiPadでもApple SIMが使えるの?
いいえ、すべてのiPadがApple SIMのサービスを利用できる訳ではありません。
では次に、Apple SIMに対応しているiPadは現在どの機種なのかを見てみたいと思います。
2. 海外でApple SIMが使えるiPadは、Wi-Fi+Cellularモデルの機種
海外でApple SIMが使えるiPadのモデルは、「Wi-Fi+Cellular」モデルという機種です。
画像)Apple
iPadには「Wi-Fiモデル」と「Wi-Fi+Cellularモデル」の2つのタイプがあるのは知っていますか?
文字通り、Wi-FiモデルのiPadは、Wi-Fiの電波だけを拾うタイプ。
一方で、Wi-Fi+CelluarモデルのiPadは、Wi-Fiの電波だけでなく、通信会社の電波も拾うことができるタイプです。
そして、Apple SIMが利用できるのは、「Wi-Fi+Cellularモデル」のiPadになります。
まずは、あなたが持っているiPadが「Wi-Fi+Cellularモデル」なのか確認しましょう。
ちなみに、Wi-Fi+Cellularモデルと聞くと、iPadでもiPhoneなどのスマホと同じように通話ができると思った人もいるかもしれません。
しかし、Wi-Fi+CellularモデルのiPadでも、一般的な電話機能はないので注意してください。
もし、iPadを使って通話をしたい場合は、LINEやSkypeなどのアプリを使用する必要があります。
また、この「Wi-Fi+Cellularモデル」のiPadでも次のように2つのタイプの機種があるので、よく確認しましょう。
- Apple SIMがすでに端末に内蔵されている機種
- 海外現地ですぐに利用できる。
- Apple SIMに対応できる機能がある機種
- Apple SIMが付属していない場合は、別売りのApple SIMを用意し、iPadのnano-SIMのトレイに差し込む必要がある。
1. Apple SIMに対応・内蔵しているWi-Fi+CellularモデルのiPadの機種と注意点
次に、iPadのどの機種がApple SIM内蔵なのか、またはApple SIMに対応しているか見てみましょう。
Appleの公式サイトを見ると、それぞれの機種を確認することができます。
※画像)Apple
Apple SIMを内蔵 | 12.9インチiPad Pro(第2世代) 10.5インチiPad Pro 9.7インチiPad Pro |
---|---|
Apple SIMに対応 | 12.9インチiPad Pro(第1世代) iPad(第6世代) iPad(第5世代) iPad Air 2 iPad mini 4 iPad mini 3 |
※2019年9月現在調べ
上記のiPadの機種は、Apple SIMのサービスを利用できる訳ですが、渡航先によっては、安定して電波を拾えない、通信速度が遅くなってしまうこともあるようです。
その理由の一つは、選んだ海外の通信会社が提供している3G・4G LTEの電波の数(周波数帯バンド)がもともと少ないこと。
もしくは、その渡航先では速い通信速度である4GLTE・3Gによる通信のサービスを提供してない通信会社だということが考えられます。
そのほかの理由として、iPadの機種やモデルによって対応している周波数帯(バンド)が違うということが言えます。
つまり、iPadの機種によっては、Apple SIMが提携している通信会社の電波と合わず、たくさんの電波が拾えない可能性がある訳です。
もし、あなたが使っているiPadのモデル番号やiPadが対応するLTEの周波数帯が知りたい場合は、Appleの公式サイトを参考にしてみてください。
海外の通信や周波数などについて詳しく知りたい人は、「海外SIMが現地でネットに繋がらない4つの原因」の記事もぜひ参考にしてみてください。
2. eSIMに対応しているiPad機種もある
ちなみに、Apple SIMだけでなく「eSIM」に対応しているiPad機種もあります。
eSIMに対応しているiPad機種は以下のとおりです。
- iPad Pro 12.9インチ(第3世代)
- iPad Pro 11インチ
- iPad Air(第3世代)
- iPad mini(第5世代)
※2019年9月現在調べ
「eSIMってなに?」と思った人もいますよね。
eSIMは、端末に組み込まれた内蔵型のSIMチップのことです。
このeSIMに対して、従来の標準SIM・micro SIM・nano SIMは「物理SIM(Physhical SIM)」と呼ばれることもあります。
Apple社の製品では、今のところ、iPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XRにもeSIMが搭載されています。
ここで紹介したeSIM対応のiPad機種には、Apple SIMが内蔵されていませんが、SIMカードを購入しなくても、通信事業者によるサービスが利用できるようです。
eSIMでの利用方法については、iPhoneのeSIMの使い方と同じです。
ただし、iPhoneでは利用できるデュアルSIMでの2回線通信の利用が、iPadではできないので注意してください。
3. Apple SIMに対応している海外の国や地域やキャリア(通信業者)は?
Apple社は、Apple SIMによって、世界180以上の国や地域で通信サービスが利用できると謳っています。
この通信網の広さは、海外の通信会社やMVNOがApple SIMのサービスと提携することで実現されました。
世界180以上の国で通信サービスができるには、さぞ沢山の通信会社と提携したんだろうな…と思った人もいるかもしれませんね。
しかし、実際にApple社がApple SIMのサービスのために提携している会社(パートナーズ)は、現在以下の12社です。
画像)Apple
※こちらのキャプチャ画像はアメリカ版のApple公式サイトのものです。日本のApple公式サイトにはau、SoftBank、Sprintがパートナーズに含まれていませんが、Apple SIMの利用は可能です。
日本では、auとSoftBankがApple SIMのサービスを提供しています。
つまり、日本でApple SIMを利用すると、auかSoftBankのプリペイドプランと契約できる訳です。
では、auとSoftBank以外のApple SIMのサービスと提携している通信会社について、もう少し詳しく見てみましょう。
※中国では利用できません。
1. 海外の複数カ国でApple SIMが利用できるグローバル対応のMVNO3つ
Apple SIMをこれだけさまざまな国や地域で利用できる理由の一つに、Apple社がグローバル対応の通信サービスを提供しているMVNOと、提携していることがあります。
グローバル対応とは、一つの国だけでなく複数の国や地域で通信サービスができるということです。
現在Apple社は、「GigSky」「Truphone」のグローバル対応のMVNOと提携しています。
ここでは、それぞれのMVNOについて詳しく見ていきましょう。
MVNOとは大手通信会社の通信回線を借りて、通信サービスを提供している通信会社のことです。通信サービスを紹介する際によく使う言葉なので、覚えておくといいですよ。
1. GigSky
GigSkyは、2010年にアメリカのカリフォルニアで設立されたMVNOの会社です。
海外旅行者向けなどにSIMカードによるデータ通信サービスを提供しています。
GigSkyのApple SIMがカバーしている4GLTE・3G通信の国や地域は以下の通り。
- 北米
- アメリカ・カナダ・バージン諸島・プエルトリコ・メキシコ
- ヨーロッパ
- アイスランド・アイルランド・イギリス・イタリア・ウクライナ・エストニア・オランダ・オーストラリア・キプロス・ギリシャ・クロアチア・サンマリノ・スイス・スウェーデン・スバールバル諸島とヤンマイエン島・スペイン・スロバキア・スロベニア・チェコ・デンマーク・ドイツ・ノルウェー・ハンガリー・バチカン市国・フィンランド・フランス・ブルガリア・ベルギー・ポルトガル・ポーランド・マルタ・ラトビア・リトアニア・リヒテンシュタイン・ルクセンブルク・ルーマニア・ロシア
- アジア・太平洋地域
- アゼルバイジャン・アルメニア・インド・オーストラリア・クリスマス島・グアム・島・シンガポール・スリランカ・タイ・トルコ・ニュージーランド・バングラディシュ・パキスタン・ベトナム・マカオ・マレーシア・台湾・日本・韓国・香港
- 南米
- アルゼンチン・ウルグアイ・エクアドル・エルサルバドル・ガイアナ・グアテマラ・コスタリカ・コロンビア・チリ・ニカラグア・パナマ・パラグアイ・ブラジル・ペルー・ホンジュラス・ボリビア
- カリブ海地域(オランダ領も含む)
- アルバ・アンギラ・アンティグア・バーブーダ・イギリス領ヴァージン諸島・グアドループ・グレナダ・ケイマン諸島・サンマルタン(フランス領)・サンバルテルミー島・ジャマイカ・セントクリストファーネイビス・セントルシア・セントヴィンセントおよびグレナディーン諸島・タークスカイコス諸島・トリニダードトバゴ・ドミニカ・ハイチ・バミューダ・バルバドス・フランス領ギニア・マルティニーク・モントセラト・キュラソー島・シントマールテン島(オランダ領)・ボーネル島、セントユースタティウスとサバ
- アフリカ
- イスラエル・ウガンダ・オマーン・カタール・ガーナ・クウェート・ケニア・タンザニア・チャド・ナイジェリア・バーレーン・パレスチナ・ヨルダン・ルワンダ・レユニオン島・南アフリカ
ちなみに、4GLTE・3Gの通信が利用できる国・地域もありますが、すべての場所で利用できる訳ではないので注意してください。
以下はGigSkyのApple SIMプランで4GLTEが利用できる国・地域です。
- 4GLTEカバーエリア
- スペイン・セウタ島(スペイン)・イビザ島(スペイン)・メリリャ(スペイン)・チェコ・デンマーク・ドイツ・アイルランド・オランダ・ルーマニア・イギリス・スイス・ニュージーランド・南アメリカ・フランス・ギリシャ・ベルギー・カナダ・カナリア諸島・イタリア・ルクセンブルク・マヨルカ島・メノルカ島・ポーランド・ポルトガル・韓国・バチカン市国
参照)list of our upgrades below 2016 、4G/LTE Service
2. Always Online Wireless
※Always Online Wirelessは、2020年8月31日にサービスを終了しました。
Always Online Wireless(AOW)は、Roam Mobilityという会社が提供しているグローバルSIMのサービスのことです。
ちなみに、Roam Mobilityは、北米を中心に通信サービスを提供しているMVNOの会社。
Always Online Wirelessの特徴は、世界90カ国以上で4GLTEによる通信サービスが利用できると謳っていることです。
以下は、Always Online Wirelesslの4GLTEと3G両方の通信がカバーされている国や地域です。
- 北米
- アンティグア・バブーダ・バハマ・バミューダ・カナダ・ケイマン諸島・コスタリカ・ドミニカ共和国・グアテマラ・ホンジュラス・メキシコ・プエルトリコ・タークスカイコス諸島・アメリカ
- ヨーロッパ
- アルバニア・オーストリア・ベルギー・ブルガリア・クロアチア・キプロス・チェコ・デンマーク・エストニア・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・アイスランド・アイルランド・イタリア・ジャージー島・ラトビア・リトアニア・ルクセンブルグ・マルタ島・モルドバ共和国・モンテグロ・オランダ・ノルウェー・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・ロシア・スロバキア・スロベニア・スペイン・スウェーデン・スイス・イギリス
- アジア・太平洋地域
- アルメニア・アゼルバイジャン・バーレーン・カンボジア・ジョージア・香港・インド・イスラエル・日本・ヨルダン・クウェート・マカオ・マレーシア・オマーン・フィリピン・カタール・サウジアラビア・シンガポール・韓国・スリランカ・台湾・タイ・トルコ・オーストラリア・グアム・ニュージーランド
- 南米
- アルゼンチン・ボリビア・ブラジル・チリ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ウルグアイ
- アフリカ
- ケニア・モーリシャス・モロッコ・南アフリカ
各国・地域で利用できる3G・4GLTEの周波数帯バンドを知りたい人は、Alaways Online Wirelessの公式サイトで確認することができます。
3. Truphone
Truphoneは、2006に設立された海外向けの通信サービスを提供しているMVNOの会社です。
イギリスに本社をおき、オーストラリア・ドイツ・香港・フィリピン・ポーランド・スペイン・オランダ・ポルトガル・アメリカにもオフィスを持っています。
TruphoneによるApple SIMの4GLTE・3Gの通信サービスは以下の国で利用することできるようです。
- 北米
- マルティニーク島・プエルトリコ・アメリカ
- ヨーロッパ
- オーストリア・ベルギー・ブルガリア・クロアチア・キプロス・チェコ・デンマーク・エストニア・フランス・フランス領ギニア・ドイツ・ギリシャ・グアドループ・ガンジー島・ハンガリー・アイスランド・アイルランド・マン島・ジャージー島・ラトビア・リトアニア・ルクセンブルク・マルタ島・モナコ・オランダ・ノルウェー・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・スロバキア・スロベニア・スペイン・スウェーデン・イギリス・バチカン市国
- アジア・太平洋地域
- オーストラリア・香港
- アフリカ
- レユニオン島
※すべての国・地域で4GLTEが利用できるわけではありません。
2. アメリカでApple SIMを利用できる通信会社は「AT & T」「T-Mobile US」「Sprint」
前項で紹介してきた複数カ国対応のグローバル通信を提供するMVNO以外に、アメリカでは、AT & T
、T-Mobile US、Sprintの大手キャリア3社のApple SIMの通信プランを選ぶこともできます。
会社規模でいうと、AT & Tは、アメリカで2番目に規模の大きい通信会社。
その次にT-Mobile US、そしてSprintの順番になります。(ちなみに、アメリカで1番目に規模の大きい通信会社は、Verizonという会社ですが、Apple SIMのサービスは提供していません。)
アメリカにてiPadをApple SIMで使うときは、この3社の通信プランの中から選ぶことをオススメします。
オススメする理由は、前項のMVNO(GigSky・Truphone)のプランに比べて対応周波数帯が多く、通信速度が早いことと、料金もMVNOのものより安いものが多いからです。
より詳しくアメリカの通信事情や各社の周波数帯(バンド)などを知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
アメリカ旅行・留学におすすめのプリペイドSIMカード!買うなら日本で?空港で?
T-Mobile US の通信プランは、カナダやメキシコでもローミングで利用することもできます。
3. イギリスでApple SIMを利用できる通信会社は「EE」
イギリスでは、EEというイギリスの通信会社が提供しているApple SIMのプランも利用することができます。
EEは、イギリスにおける携帯電話サービスでのマーケットシェアが1位で、イギリスでも有名な大手通信会社です。
なので複数カ国対応のグローバル通信を提供するMVNOのプランよりも、イギリスではEEのプラン方が、安定した通信サービスが安い料金で受けれるでしょう。
イギリスにてiPadをApple SIMで通信する場合は、MVNO(GigSkyやTruphone)の通信プランよりもEEのプランを、まず検討してみてください。
参照)Statista
4. ドイツでApple SIMを利用できる通信会社は「ドイツテレコム(T-Mobile ドイツ)」
ドイツでは、MVNO(GigSky・Truphone)以外にも、ドイツテレコム(T-Mobile ドイツ)という通信会社が提供しているApple SIMの通信プランも利用可能です。
T-Mobileは、アメリカの通信会社の一つとしても出てきましたね。
実はT-Mobileは、もともとドイツに本社をおく、ドイツテレコムの子会社にあたります。
T-Mobileはドイツだけでなく、海外の現地法人として、アメリカも含め以下の国に拠点をおいています。
- アメリカ(T-Mobile US)
- イギリス(合併などにより現在EEに社名を変更)
- オーストリア(T-Mobile Austria)
- オランダ(T-Mobile Netherlands)
- チェコ(T-Mobile Czech Republic)
- マケドニア(T-Mobile Macedonia)
- モンテネグロ(T-Mobile Montenegro)
- スロバキア(T-Mobile Slovakia)
ただしApple SIMでiPadが利用できるのは、ドイツテレコム(T-Mobile ドイツ)によるサービスのみのようです。
オーストリアやオランダなどでは、T-Mobileによる通信プランは使えないので気をつけてください。
ちなみに、2018年度のドイツにおける携帯電話マーケットシェアは、ドイツテレコム(T-Mobile)が1位でした。
参照)MOODY’S
このことからも、ドイツでApple SIMの通信プランを選ぶときは、MVNOのプランではなく、ドイツテレコム(T-Mobileドイツ)のものをオススメします。
ドイツテレコムなら、より安い料金で安定した通信サービスが受けられるでしょう。
5. 香港でApple SIMを利用できる通信会社は「Three.com.hk」「SmarTone」
香港でApple SIMを利用するときは、MVNO(GigSky)の通信プランだけでなく、香港の大手通信会社であるThree.com.hkとSmarToneのものも選べます。
Three.com.hkは、HT(Hustchison Telecom)という通信会社の子会社にあたります。
香港での携帯電話サービスのマーケットシェアでいうと、2017年度の調べでは、Three.com.hk(HT)は2位で、SmarToneは3位です。
参照)DBS Group
つまり、両方とも香港では有名な通信会社の一つだと言えます。
なので、香港でiPadのApple SIMを利用するときは、MVNOの通信プランよりもThree.com.hkやSmarToneのプランの方が、より安い料金で安定した通信サービスが受けられると思います。
4. 海外でApple SIMを使ってiPadを利用したときの通信料金は高い?
Apple SIMのSIMカードが一つあるだけで、海外の国々でiPadでデータ通信ができるのはとても便利だと感じた人も多いと思います。
「でも、実際Apple SIMを使ったときの通信料金って安いのかな……高いのかな……?」
「やっぱり、Apple SIMよりも海外現地のSIMカードを購入した方がいいのかな……?」
このように思う人もいるでしょう。
ここでは、Apple SIMを使って海外でiPadを利用したときの料金を詳しくみていきたいと思います。
1. アメリカでApple SIMを使ったときの料金比較
アメリカでは、Apple SIMの通信プランは、次の5社の通信会社(キャリア)から選ぶことができます。
- AT & T
- T-Mobile US
- Sprint
- GigSky
- Truphone
※地域またはモデルによって選択できるキャリアは変わる可能性があります。
以下は、それぞれの通信会社の料金プラン比較したものです(Sprintを除く)。
キャリア | プラン | データ容量 | 料金 | 有効期限 |
---|---|---|---|---|
AT & T | Data Connect ※マンスリープラン | 250MB 3GB 5GB | 15ドル 30 ドル 50ドル | 1ヶ月 |
Data Connect Pass ※プリペイドデータプラン | 2G 無制限 | 25ドル 35ドル | 90日 30日 | |
Data Connect Auto Renew(自動更新) ※プリペイドデータプラン | 1GB 7GB 無制限 | 14.99ドル 50ドル 29.99ドル | 30日 30日 30日 | |
T-Mobile US | Mobile Internet Plans ※マンスリープラン | 2GB 6GB 10GB 14GB 18GB 22GB | 10ドル 25ドル 40ドル 55ドル 70ドル 85ドル | 1ヶ月 |
Data Pass | 500MB 3GB | 5ドル 30ドル | 24時間 1ヶ月 | |
GigSky | 北米 | 300MB 500MB 1GB 2GB 5GB | 10ドル 15ドル 20ドル 30ドル 50ドル | 1日 15日 15日 15日 30日 |
Truphone | 40カ国 ※アメリカを含む | 300MB 1GB 3GB | 3ユーロ 9ユーロ 22ユーロ | 1日 30日 30日 |
※上記のプラン料金は2019年2月のものです。
参照)AT & T、T-Mobile Plans、T-Mobile DATA PASS、GigSky、Tuphone
AT & TとT-Mobile USを比べると、T-Mobile USのプランが比較的安いですね。
MVNOでは、GigSkyがTruphoneよりも高いことがわかります。
アメリカでApple SIMを利用する場合は、費用面や通信面から見ると、T-Mobile USのプランがよさそうです。
ちなみに、T-Mobile USのプランだと、カナダやメキシコでもローミングができます。
2. オーストラリアでApple SIMを使ったときの料金比較
次は、オーストラリアでApple SIMを利用してiPadを使用したときの料金を見てみましょう。
オーストラリアでは、Apple SIMの通信プランは、次の3社の通信会社(キャリア)から選ぶことができます。
- GigSky
- Truphone
それぞれの通信プランを比較してみましょう。
キャリア | プラン | データ容量 | 料金 | 有効期限 |
---|---|---|---|---|
GigSky | アジア ※オーストラリアを含む | 300MB 500MB 1GB 2GB 5GB | 10ドル 15ドル 20ドル 30ドル 50ドル | 1日 15日 15日 15日 30日 |
Truphone | 40カ国 ※オーストラリアを含む | 300MB 1GB 3GB | 3ユーロ 9ユーロ 22ユーロ | 1日 30日 30日 |
※上記のプラン料金は2019年2月のものです。
参照)GigSky、Tuphone
GigSkyとTruphoneの料金は、アメリカの場合と同じでした。
2社で比較すると、オーストラリアでApple SIMサービスを利用するなら、Truphoneのプランが一番安いという結果でした。
オーストラリアの場合は、現地の通信会社のSIMカードでも安いプリペイドプランがあるので検討してみるといいでしょう。
5. 海外でApple SIMを使うときの注意点
iPadでApple SIMを使う場合は、まず、あなたのiPadがSIMロック解除されたSIMフリー端末であることをチェックしてください。
2015年5月から、総務省によるSIMロック解除の義務化が始まったことは知っている人も多いでしょう。
なので、2015年以降にdocomo・SoftBank・auで発売されているiPad mini4やiPad Proなどの新しい機種は、SIMロック解除の機能がついています。
ただし、購入日から100日経過していないと、SIMロックは解除できないので気をつけてください。
ちなみに、SIMロック解除の手続きは、各通信会社の店舗やウェブページ(docomo、Softbank、au)でできます。
Apple StoreやApple Online Storeで発売しているiPadについては、2014年以降にSIMフリー端末を販売しています。
なので、それ以降に購入したiPadについては、SIMフリー端末である可能性が高いでしょう。
6. 海外でApple SIMを利用するときのiPadでの設定方法
iPadでの設定の手順は以下の通りです。
- 海外現地に到着したらiPadの「設定」→「モバイルデータ通信」→「新規プランを追加」をタップ。
- 「モバイルデータ通信アカウント」からキャリアを選択する。
- キャリアを選択後、通信プランを選ぶ。
- アカウントを作成するために、名前・住所・メールアドレス・クレジットカード番号などを入力する。
海外現地の住所の入力が必要な場合は、ホテルなどの住所を入力。
- 海外現地での通信が利用可能になる。
もし、残りの通信データ量や有効期限など詳細を知りたいときは、iPadの「設定」をタップ→「モバイルデータ通信」→「データ通信プランを選択」→契約した海外現地の通信会社のプランをタップすると、通信データの残量・有効期限が表示される。
とても簡単だね!これならぼくにもできそう!
参照)Apple
【まとめ】海外でiPadを利用するときはApple SIMを賢く使ってみよう
ここでは、iPad専用のSIMカード「Apple SIM」について詳しく説明してきました。
Apple SIMは、海外でiPadを使うのにとても便利なSIMカードです。
ただし、海外の渡航先によっては、利用できる通信会社(キャリア)や通信プラン・料金が違っていましたね。
まずは、自分の渡航先でApple SIMのサービスが対応しているか、どのキャリアが利用できるか、大体の料金はどのくらいか調べてみましょう。
もし、Apple SIMではなく海外現地のSIMカードを買うつもりでも、渡航先ですぐに現地のSIMカードを購入できないこともあるでしょう。
そんなときは、補助的にApple SIMがあると便利かもしれませんね。