2021年からこれまでの大学入試センター試験が、「大学入学共通テスト」に変わります。
当初、英語試験では「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の4技能を測るために、英検などの外部の民間試験が活用される予定でした。
しかし、文部科学省が2019年の12月に英語試験における民間試験利用の延期を発表しています。
同じように、国語と数学に導入される予定だった記述式問題の出題も見送られました。
これらの変更点で「大学入学共通テストはどうなるの?結局のところセンター試験と同じなの?」と困惑している人もいますよね。
今回は、大学入学共通テストの英語の科目を中心にどのような問題に変わるのか、プレテストによるモデル問題をもとに解説していきます。
これからの大学入学共通テストの対策に必要なことなど詳しく紹介しているので、これから大学入試を迎える中学生・高校生・保護者の方はぜひ参考に読んでみてくださいね。
1. 2021年から大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変わる
周知のように、2021年から大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変わります。
英語では外部の民間試験の活用、そして国語と数学では記述問題の導入がこれまで検討されていましたが、この2つが延期になることが決まりました。※2019年12月
英語の民間検定試験の活用は、大学入試センターが発行する「共通ID」を取得して利用する仕組みになっていました。
しかし、この共通IDを発行する前日に民間試験の活用延期が発表され、受験生や高校生などは対応に追われています。
「結局のところ、大学入学共通テストはどんな内容のテストになるの?」と疑問に思っている高校生や保護者の方もいるでしょう。
ここでは、2021年から始まる大学入試共通テストの変更点と試験内容について説明していきたいと思います。
1. 外部の英語民間試験の活用延期と問題点
文部科学省は当初、2021年から始まる大学入試では、英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価するために、以下の7つの民間試験を大学入学共通テストで活用する方針でした。
- 英検
- GTEC
- ケンブリッジ英語検定
- TEAP
- TEAP CBT
- IELTS
- TOEFL iBT
ちなみに、TOEICは2019年7月に大学入学共通テストへの参加を取り下げて、すでに撤退を発表しています。
なぜ外部の英語民間試験の活用が延期になったかというと、おもな問題点は次の通りです。
- 民間試験によって受験料が、大きく異なり受験生の負担になる。
(GTEC・英検約5000円~、IELTS・TOEFL iBTは約25000円~) - 47都道府県で受験できるのは英検とGTECのみで、その他の試験は10~26都道府県と受験地域が限られているので、地方の受験者は試験を受けるために交通費などの負担がかかる。
- 大学入試として活用できる民間試験は2回のみだが、経済的に余裕がある家庭であれば、何度も練習として試験を受けることができる。
- 民間試験ですでによいスコアを取っていても、大学入試に活用するには「共通ID」(大学入試の専用受験番号)を取得後にもう一度受けなおす必要がある。
- 7つの民間試験の問題の質がまったく異なるので、複数の民間試験を平均化して評価することが難しい。
- 大学によって民間試験の活用方法がバラバラなので、受験生が民間試験が必要なのかどうか、有利になるのか判断することが難しい。
- 高校での授業内容が英語の民間試験対策が目的になり、民間試験団体と利益相反の関係になってしまう可能性がある。
- 民間試験の採点基準や採点方法などの詳細が不明瞭。
2014年に文部科学省が英語の民間試験の活用について打ち出した頃から、受験費用の負担や受験回数などの不平等さ・不公平さは指摘されていました。
結局その解決策が見つからずぎりぎりでの延期になってしまったことは、とくに2019年度や2020年度の受験生の大きな負担になっています。
とりあえず、大学入学共通テストでの外部の英語民間試験の活用は見送られたから、英検などの検定試験の対策はしなくていいんだよね?
民間試験の見送りは大学入学共通テストに限られた話で、受験する大学や学部によっては民間試験が有効な場合があるので注意が必要です。AO入試・推薦入試・一般入試の出願資格に英語の民間検定試験をすでに活用・併用している大学や学部はあります。
その場合は英語の民間試験のスコアの提出が必須だったり、有利になったり、入試免除になったりするのは変わりません。なので、必ず自分の志望校の出願資格を確認し、必要ならば引き続き民間試験対策の勉強を続けましょう。
2. 大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題の導入も見送りに
英語の外部民間試験の活用の延期に引き続き、大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題の導入も見送りが決まりました。
そもそもなぜ今回の大学入試改革で記述式問題の導入が考えられたのでしょうか?
その理由は、1回だけの試験や1点刻みで評価するのではなく、自分が持っている知識を使って論理的に判断する力を測る入試にしようとしたからです。
このような試験にするために、年に数回受験できるようにすることや、いくつかの科目を合わせた複合型の問題の作成などが検討されてきました。
しかし、当初から指摘されていた次のような問題点が解決できずに、結果的に記述式問題の導入も延期になっています。
- これまで機械で処理してきた50万人の採点を人の手で採点する必要があり、十分な採点する能力があるかわからないアルバイトを採点者として利用しなければならなくなる。
- 2017年と2018年に行われたプレテストでは、国語で約3割が自己採点と実際の採点結果が不一致となり、自己採点が難しいため受験生が最終的な志望大学を決めにくくなる。
- 自己採点がしやすい記述問題にすると、本来の趣旨である論理的な思考力や判断力を評価する設問をつくることが難しい。
参照)文部科学省
3. 大学入学共通テストの内容はセンター試験の内容と異なる
英語の外部民間試験の活用も延期、国語と数学の記述式問題の導入も延期…
ということは、大学入学共通テストは結局これまでのセンター試験と変わらないってこと?
そういうわけではないですよ!問題の内容が変わるので注意が必要です。
まず問題内容についてですが、これまでのセンター試験は知識と技能を中心としてきました。
しかし大学入学共通テストは、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価できるような問題に変える方針です。
文章・図・資料などの複数の情報から、必要な情報を読み取る力や比較したり組み合わせる力、課題を解決する力を測る問題が出題されるでしょう。
これについては、国語・数学・英語だけでなく、すべての試験科目で同じように言えることです。
記述式問題の導入が延期された数学と国語については、マーク式のみの出題になります。
また、2021年の大学入学共通テストでは、試験時間が数学は70分、国語は80分になると文部科学省から発表されました。
外部の民間試験の活用が延期になった英語の試験については、結局どうなるの?
英語の試験問題については、次で詳しくみていきましょう。
2. 大学入学共通テスト英語問題の内容と対策(2021年~)
大学入学共通テストで最も対策に困るのが、英語ではないでしょうか。民間試験が見送りとなり、その代わりにどんな問題が出題されるようになるのか気になりますよね。
ここでは、2021年から始まる大学入試共通テストの英語試験ではどんな問題内容になるのか、どのような対策をしたらいいのかを見ていきたいと思います。
1. 発音・アクセント・英作文問題がなくなり「リスニング」の配点が大きくなる
2021年から始まる大学入学共通テストの英語では、リーディングとリスニングで出題されます。
リスニングの配点の割合が半分を占め、大学入学センター試験と比べてリスニングの配点が大きくなる予定です。
大学入試センター試験の英語では出題されていた「発音・アクセント・英作文(整序英作文)」の問題については、なくなります。
英語の試験時間は変わらず140分間で、リスニングの時間も60分のままとなる予定です。
外部の民間試験の活用を見送ったことで、2021年の大学入試では4技能のうちのスピーキングとライティングを測ることが実質できなくなりました。
しかし英語をバランスよく身に着けてほしいという出題者側の意図は、以前と変わっていません。
なので2021年の大学入学共通テストの英語試験では、リーディングとリスニングの配点が半分の割合で問題作成される予定です。
つまり大学入学共通テストの英語対策としては、今までよりもリスニング対策が必要になるでしょう。
2. 大学入学共通テストの英語のプレテストによるモデル問題を分析
さきほど従来の大学入試センター試験は、「知識・技能」を重視した問題になっていましたのに対し、2021年から始まる大学入学共通テストでは、「思考力・判断力・表現力」が測れる問題も出題されると紹介しました。
これを聞いて「思考力・判断力・表現力を測る問題とは、具体的にどんなテストになるの?」と疑問を持った人や、「センター試験よりも難しくなったらどうしよう・・・」と不安に思った人もいるでしょう。
そこで、2018年に行われた大学入学共通テストのプレテストのモデル問題から、英語ではどんな問題が出題されているのか見ていきたいと思います。
1. 試験内容(リーディング・リスニング)
2018年に行われた大学入学共通テストのプレテストの英語試験では、次のような内容で出題されました。
以下は、英語のリーディング(筆記)の試験内容です。
リーディング(筆記) | ||
---|---|---|
問題のねらい | CEFRレベル | |
第1問A | 簡単な語句や単純な文で書かれている交換留学生のお別れ会に関する伝言メモの情報の探し読みを通じて、必要な情報を読み取る力を問う。 | A1程度 (英検3~5級程度) |
第1問B | 市のウェブサイトに掲載された平易な表現で書かれている姉妹都市との交流イベントの告知記事からのイベント内容等に関する情報の探し読みを通じて、必要な情報を読み取り、書き手の意図を把握する力を問う。 | A2程度 (英検準2級程度) |
第2問A | インターネット上に掲載された料理レシピやその写真からの料理の特徴の読み取りや推測を通じて、平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉える力や、情報を事実と意見に整理する力を問う。 | A1程度 (英検3~5級程度) |
第2問B | 学校における生徒の携帯電話使用の是非についてディベートの準備をする場面で、平易な英語で書かれた短い説明文の読み取りを通じて、その概要や要点をとらえる力や、書き手の意見を把握する力を問う。 | A2程度 (英検準2級程度) |
第3問A | イラスト付きの平易な英語で書かれた学園祭に関するブログの読み取りを通じて、書かれている内容の概要を把握する力を問う。 | A1程度 (英検3~5級) |
第3問B | 平易な英語で書かれた異文化体験に関する記事の読み取りを通じて、書かれている内容の概要を把握 する力を問う。 | A2程度 (英検準2級程度) |
第4問 | 生徒の読書習慣について書かれた複数の記事の読み取りを通じて、記事やグラフから、書き手の意図 を把握する力や必要な情報を得る力を問う。 | B1程度 (英検2級程度) |
第5問 | ポスタープレゼンテーションのための準備をする場面で、アメリカにおけるジャーナリズムに変革を 起こした人物に関する物語の読み取りを通じて、物語の概要を把握する力を問う。 | B1程度 (英検2級程度) |
第6問A | 授業で行うグループプレゼンテーションのための準備をする場面で、アジアの女性パイロットに関する記事の読み取りを通じて、記事の概要・要点や論理展開を把握する力や、要約する力を問う。 | B1程度 (英検2級程度) |
第6B | イエローストーン国立公園で起こった出来事に関する記事の読み取りを通じて、記事の概要・要点を 把握する力、情報を整理しながら読んだりする力、要約する力を問う。 | B1程度 (英検2級程度) |
参照)大学入試センター
次は英語のリスニングの試験内容です。
リスニング | ||
---|---|---|
問題のねらい | CEFRレベル | |
第1問A | 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い発話の聞き取りを通じて、情報を把握する力を問う。 | A1程度 (英検3~5級程度) |
第1問B | 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い発話を聞き、それに対応するイラストを選ぶことを通じて、発話内容の概要や要点を把握する力を問う。 | A1~A2程度 (英検3~5級から準2級程度) |
第2問 | 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い対話を、場面の情報とイラストを参考にしながら聞き取ることを通じて、必要な情報を把握する力を問う。 | A1~A2程度 (英検3~5級から準2級程度) |
第3問 | 身の回りの事柄に関して平易な英語で話される短い対話を、場面の情報を参考にしながら聞き取ることを通じて、概要や要点を目的に応じて把握する力を問う。 | A1~A2程度 (英検3~5級から準2級程度) |
第4問A | 必要な情報を聞き取り、図表を完成させたり、分類や並べ替えをしたりすることを通じて、話し手の 意図を把握する力を問う。ここでは、身近に起きたエピソードや作業を行うための指示を聞く。 | A2~B1程度 (英検準2級から2級程度) |
第4問B | 複数の情報を聞き、最も条件に合う寮を選ぶことを通じて、状況・条件に基づき比較して判断する力を問う。ここでは、複数の学生寮の説明を聞く。 | B1程度 (英検2級程度) |
第5問 | 身近な話題や知識のある社会的な話題に関する講義を聞きメモを取ることを通じて、概要や要点をと らえる力や、聞き取った情報と図表から読み取れる情報を組み合わせて判断する力を問う。ここでは、技術革新と未来の職業の関わりについての講義を聞く。 | B1程度 (英検2級程度) |
第6問A | 身近な話題や馴染みのある社会的な話題に関する会話や議論を聞き,話者の発話の要点を選ぶことを通じて、必要な情報を把握する力や、それらの情報を統合して要点を整理、判断する力を問う。ここでは、ゲームについて異なる意見をもつ二人の会話を聞く。 | B1程度 (英検2級程度) |
第6問B | 身近な話題や馴染みのある社会的な話題に関する会話や議論を聞き,それぞれの話者の立場を判断し、意見を支持する図表を選ぶことを通じて、必要な情報を把握する力や、それらの情報を統合して要点を整理,判断する力を問う。ここでは、ゲームが人に与える影響に関する複数の意見を聞く。 | B1程度 (英検2級程度) |
参照)大学入試センター
リーディング・リスニングともに身の回りにある題材から新聞や講義などの内容をもとに出題されていることがわかると思います。
基本的な英語力だけでなく、図や表などの複数の情報合わせて出題の意図を読み取り、判断する力が問われていることも特徴的です。
レベルとしては、これまでの大学入試センターと同様にCEFRレベルのA1~B1程度まで(英検でいうと3~5級から2級程度)の英語力を測っています。
ちなみに、CEFR とは Common Eroupean Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ共通参照枠)の略です。
CEFR は言語習得の段階を6つのレベルに分けており、それぞれの英語検定試験でどのスコアを取れば、どの CEFR のレベルにあたるかを示しています。
出典)文部科学省
CEFRのA1レベルは、「よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し用いることができる」くらいの英語力です。
CEFRのB1 レベルは、「仕事・学校・娯楽などで普段であるような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる」くらいの英語力にあたります。
出典)文部科学省
ここで紹介した問題は2018年のプレテストの試験内容ですが、2021年から始まる大学入学共通テストも、同じような方針の問題になることが予想されます。基礎の英語力・コミュニケーション力を伸ばすことも大切ですが、図や表から読み解く力もつけていくことが対策の一つになるでしょう。
2. プレテストのモデル問題(リーディング)
それでは、2021年から始まる大学入学共通テストのリーディング(筆記)でどんな問題が出題されるのか、プレテストのモデル問題をもとに見てみましょう。
以下は、CEFRレベルのB1(英検2級程度)の問題です。
学生の読書習慣について書かれた2つの記事について、記事だけでなくグラフから筆者の意図を読み取ることができるか問われています。
読書習慣がある子供たちが減っていることとその原因、読書をするメリット、子供に読書習慣をつけるためにはどうしたらよいかなどが書かれています。
以下は、この2つの記事についての設問です。各設問の空欄に当てはまるものを選ぶ形式となっています。
問2は、グラフと記事の内容から読み取る問題になっているので注意が必要です。
3. プレテストのモデル問題(リスニング)
次はリスニングの問題を見てみましょう。以下は、CEFRレベルのB1(英検2級程度)の問題です。
技術革命とこれからの職業との関わりについての内容となっています。
上のワークシートをヒントに、以下の文章の聞き取りをします。
この問題の文章の聞き取りは1回ですが、問題によっては2回だったりするので、聞き取りの際には注意が必要です。
AIの導入でどのような仕事がどのくらい無くなるのか、19世紀の産業革命ではどのような変化が起こったかなどが書かれています。
以下は、このリスニングに対する設問1です。
以下は、これに続く設問2のリスニングと問題です。
設問2については、設問1のリスニング内容もふまえての問題です。くわえて、上のグラフの情報も合わせて予測し、解かなければいけない問題となっています。
2021年から始まる大学入学共通テストの英語では、リーディング・リスニングともに英文の内容を理解すること、そして図や表などの情報を正確に読み取る力も必要になることがわかりましたよね?このポイントを忘れずに、対策問題集などを利用しながら勉強していくようにしましょう。
参照)大学入試センター
3. 大学入学共通テストの英語の難易度はセンター試験と比べてやや高くなる傾向に
問題内容の趣旨が「思考力・判断力・表現力」を問うことになる大学入学共通テストですが、結局のところ問題の難易度は高くなるのか気になりますよね?
そこで、大学入学共通テストの英語の難易度を調べてみました。また英語だけでなく、国語・数学などその他の教科の難易度も調べたので、合わせて参考にしてください。
まずは、英語の難易度についてみてみましょう。
以下の内容は大手予備校「河合塾」によって、大学入学共通テストのプレテストでの問題と結果をもとに分析されたものです。
英語 | リーディング(筆記) | リスニング |
---|---|---|
2017年プレテスト | センター試験より総語数が約1000words増に。 文章は読みやすいが、読む英文量が多い。 | 聞き取りの速度が速くなっている。 センター試験と比較してやや難しい内容。 |
2018年プレテスト | センター試験より総語数が約1000words増に。 設問での語数が約2倍になっている。 難易度があがる後半の設問が難しい傾向に。 | センター試験と比べて自然な英語の聞き取りになっているので、慣れてないと難しい。 後半の設問は聞き取りが1回だけなど難易度があがる。 |
大学入試センター試験と比べて、リーディング・リスニングともに難易度が上がる傾向になることがわかるでしょう。
リーディングについては、英文量が増えるので読解のスピードがより求められるようになります。
リスニングに関しては、一般的な会話で使われている自然な英語の言い回しに慣れておくことが重要なポイントです。中には1回しか聞き取りができない問題もあるので、素早く正確に聞き取りをし内容を把握する力も必要になります。
参照)河合塾プレテスト分析2018年2017年11月2018年2月
英語以外の国語・数学など大学入学共通テストの難易度
次に英語以外の科目、国語や数学などの難易度について見てみましょう。以下は、2018年度の大学入学共通テストのプレテストによる分析です。
数学Ⅰ・A | センター試験と比較すると自分で考える分量が増えて、難易度が高くなっている。 |
---|---|
数学Ⅱ・B | センタ-試験と比較して問題量に対して解答時間が足りない傾向に。難易度は問題によってはばらつきがあった。 |
国語 | センター試験と比較して、マーク式問題だけみると、現代文・古文はほぼ同じ、漢文はやや易しくなった。 |
物理基礎 | 難易度はセンター試験と同じ程度。 |
物理 | 難易度はセンター試験と比べて高くなっている。 |
化学基礎 | 難易度はセンター試験と比べて高くなっている。 |
化学 | 難易度はセンター試験と比べて高くなっている。 |
生物基礎 | 難易度はセンター試験と比べて高くなっている。 |
生物 | 難易度はセンター試験と比べてやや高くなっている。 |
地学基礎 | 難易度はセンター試験と比べてやや高くなっている。 |
地学 | 難易度はセンター試験と比べて高くなっている。 |
世界史B | 難易度はセンター試験と比べてやや高くなっている。 |
日本史B | 難易度はセンター試験と比べてやや高くなっている。 |
地理B | 難易度はセンター試験と同じ程度。 |
現代社会 | 難易度はセンター試験と同じ程度。 |
倫理 | 難易度はセンター試験と同じ程度。 |
政治・経済 | 難易度はセンター試験と同じ程度。 |
参照)河合塾
とくに数学など理系科目を中心に、センター試験と比べて、難易度が高くなっていることがわかりますよね。
このプレテストの平均点は、英語を含めほとんどの科目が約5割以上という結果でした。
どの科目の問題も文章や資料などを正しく理解し、必要な情報を合わせながら考え判断する、そして高校の授業や日常生活などの場面設定において、自分の知識をもとに考えるというような内容になっています。
英語と同じように、大学入学共通テストに対応した問題集を解くなどして対策するようにしましょう。
4. 大学入学共通テストの英語対策にオススメの問題集
大学入学共通テストは、従来の大学センター試験と問題の内容が異なるため、きちんと大学入学共通テストに対応した問題集を活用することをオススメします。
ここでは、大学入学共通テストの英語対策にオススメの問題集をご紹介。赤本で有名な「数学社」が出版している問題集です。
1. 大学入学共通テスト スマート対策 英語(筆記〔リーディング〕)
数学社 本体1,100円+税
大学入学共通テストのリーディング(筆記)の対策問題集です。演習問題だけでなく、大学入学共通テストのプレテストの詳しい傾向分析や勉強方法も紹介。
英文の読み上げ音声付き。2018年の第2回のプレテストがついているので、本番形式による実践テストもできます。
2. 大学入学共通テスト スマート対策英語(リスニング)
数学社 本体1,100円+税
大学入学共通テストのリーディングの対策問題集です。センター試験と大学入学共通テストのプレテストを分析・予想し、演習問題を作成。
リスニングの音声は、スマホとパソコンで聞くことが可能です。
リーディングの問題集と同じように、2018年の第2回のプレテストがついているので、本番形式による実践テストもできます。
3. 文部科学省は2025年から英語の4技能が測れる試験にしていく方針
「当面の大学入学共通テストは、リーディングとリスニングが中心になることはわかったけど、そのあとはどうなっていくの・・・?」と疑問に思った人もいるでしょう。
文部科学省は2025年1月の大学入試から、英語の4技能「書く・読む・聞く・話す」を測ることができる試験の導入していく予定であることを発表しています。
2020年から1年かけて検討し、具体的に決めていくようです。
国語や数学の記述式については、いったん白紙にすることになり、試験の評価方法を見直していくことになっています。
しかし、2025年までにも大学入学共通テストが段階的に変わる可能性もあるので、定期的に情報を調べておきましょう。
2022年の大学入学共通テストの問題作成の方針については、今年(2020年)の6月頃に大学入試センターから発表がある予定です。
2025年に大学入学共通テストを受ける予定の学生は、リーディングとリスニングだけでなく、ライティングとスピーキングの対策もしてく必要があるってことだね。
そうですね。大学入学共通テストに限った話だとそうなります。
ですが英語力は大学入試だけでなく社会に出たときにも役に立つ機会があるでしょう。
早い段階で英語の4技能をまんべんなく力をつけておくことは、長い目でみると大きなメリットになると思いますよ。
参照)大学入試センター
4. 大学入学共通テストが利用されるかどうかは受験する大学によって変わるので注意
これから大学入試を迎える学生や保護者の方は、どれくらいの数の大学が入学試験として大学入学共通テストを活用するのか、気になるところでしょう。
文部科学省による2019年の調査では、大学入学共通テストを「活用する」と答えた大学は約6割、「活用しない」は約1割、また「決まってない」は約3割でした。
※調査対象 1,068校(大学:759校、短期大学:309校)有効回答数 964校(大学692校、短期大学:272校)
以下は、大学の種類の内訳です。
参照)文部科学省
従来の大学入試センター試験の活用を基本としていた国立大学・公立大学は、約9割以上の学校が大学入学共通テストを活用すると答えています。
一方で私立大学については、大学入学共通テストの利用大学は、約6割にとどまっています。
また大学入学共通テストの活用は、大学・学部によって大学独自の試験と併用したり、取り入れる科目も異なったりと、利用方法はまちまちです。
ちなみに、東京大学は大学入学共通テストの活用について、次のような変更点を発表しています。
東京大は10日、2020年度に始まる大学入学共通テストで、英語のリスニングを活用すると発表した。現行の大学入試センター試験ではリスニングは使わず筆記だけを活用し、個別試験でリスニングを課していた。
共通テストの英語は筆記の後継であるリーディングと、リスニングの両分野が実施される。配点は各100点だが、東大はリーディングを140点満点、リスニングを60点満点に換算して利用する。
引用元: 日本経済新聞
この変更に伴ない、国立大学を中心に各大学も大学入学共通テストの利用方法を変えてくる可能性もあります。
まず自分の志望大学・志望学部の出願条件をチェックし、大学入学共通テストが必要か、またどの科目の受験が必要か、変更点などがないか確認しましょう。
まだ大学入学共通テストを利用するか「決まっていない」大学も約3割あるので、こちらについても注意しておく必要があります。
5. 大学入学共通テストや英語4技能の対策方法
「英語教室や英会話教室に通いたいけど高い・・・」「部活が忙しいから英語塾に通う時間がない・・・」という中学生や高校生もいますよね。
ここではそんな忙しい学生さんでも、気軽に手軽に利用できる英語学習アプリやオンライン英会話などを紹介します。
大学入学共通テストや英語の4技能を無理なく勉強したいという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.「Polyglots(ポリグロッツ)」4技能の対策に手軽に利用できる英語アプリ
Polyglotsは、株式会社ポリグロッツが開発した英語学習アプリ。これまで約140万人がダウンロードしており、評判も高いアプリです。
このアプリ一つあれば、英語の4技能「書く・読む・聞く・話す」をまんべんなく勉強できることができるでしょう。
リーディングについては、BBC WorldやThe Japan Times、Asahi Weeklyなどの記事が翻訳文付きで読むことができます。
わからない英単語をタップするとすぐに意味を確認でき、単語帳にも自動保存されるので、中高生の人でも無理なく続けることができるでしょう。
またリーディングだけでなく、リスニングできる記事もあるので、リスニング対策にもオススメ。
無料で利用できる「Hand Shake」の機能を使うと、一緒に英語を学ぶ相手や外国人の友達を見つけることができ、英語でチャットすることも可能です。
日本語を勉強しているネイティブから英語を教えてもらったり、自分が日本語を教えたりと、気軽に生の英語に触れながらライティングスキルも伸ばすことができるでしょう。
スピーキングについては、月額480円~の有料サービスになりますが、英会話のレッスンが受けることができます。
2.「レアジョブ英会話」4技能対策にオススメのオンライン英会話
レアジョブ英会話は、独自のアプリを用いて、フィリピン人講師によるマンツーマンのオンライン英会話のレッスンを提供しています。
コースは、日常英会話コース・ビジネス英会話コース・中学高校生コースの3つがあり、なかでも中高生コースは大学入試に向けた英語4技能対策にオススメです。
実際に、中学校や高校などでもレアジョブ英会話が導入されている実績があります。
中学高校生コースの特徴は、4技能を強化する教材を使っているだけでなく、TESOL(英語教授法の資格)を取得し、中高生向けにトレーニングされた認定講師のみが教えているということです。
また、英検の二次試験対策として、対策問題集を利用した本番同様の模擬面接を受けることもできます。
このように中学生・高校生に特化したコースなので、英語初心者でも安心して勉強を続けられるでしょう。
レアジョブ英会話の中学高校生コースは、月額9,800円で毎日25分の1レッスンを受けることができます。
オンライン英会話に関しては、こちらの「教えて!オンライン英会話」で実際に大手のオンライン英会話を試された体験談が紹介されているので気になる方は参考にされるといいでしょう。
3. 「スタディサプリ 」リスニング・スピーキング対策できる英語アプリ
スタディサプリ Englishは、リクルートが開発したアプリです。
TOEIC L&R TEST対策コース・ビジネス英語コース・新日常英会話コースの3つがあります。
中高生向けの英語の4技能対策には、新日常英会話コースがオススメ。
スマホやSNSなど中高生が興味を持つような身近な話題もピックアップされていて、ドラマ式で学ぶことができます。
レッスンの英語レベルは英検5級から準1級ほどと、英語初心者からでも学ぶこと可能です。
リスニングでは聞き取りをした英語をタイピングする「ディクテーション」と、聞き取った英語を追いかけて発音する「シャドーイング」のレッスンがあります。
なので、英語を正しく聞き取り発音できているかチェックすることができるでしょう。
また、「瞬間発話プラクティス」というレッスンでは、日本語の文をすぐに英語に訳して発話するというスピーキングの実践的なトレーニングも可能。
ネイティブの発音と比較しながら学べるので、正しい発音も身につけることができます。
一部のレッスンは無料で受けることができますが、有料のレッスンは月額2,178円(税込)です。(App Storeから申し込みした場合月額2,500円(税込)。12ヶ月パック月1,738円(税込)。6ヶ月パック1,958円(税込)。)
ちなみに、有料のプランに申し込みした方は、「日常英会話コース」※1も無料で利用することができるメリットもあります。
※1 日常英会話コースは、2019年11月26日をもって、新規有料会員申し込みを終了しています。
4. 「StudyNow」リーディング・リスニング対策できる英語アプリ
StudyNow は、株式会社イオテックインターナショナルが開発した英語学習アプリです。
これまで90万人がダウンロード。雑誌のプレジデントや日経トレンディ、DIMEなどでも紹介されており、大学の入試問題にも採用されている評価の高い英語学習アプリです。
すべての英文記事を読みながらリスニングができ、日本語訳や解説まで付いているので、中高生の英語初心者からでも学ぶことができます。
国内海外のニュースだけでなく、ゲームやアニメ、映画、音楽など幅広いジャンルの記事を取り扱っていることも特徴的です。
また、長く続けることでポイント報酬が加算され、有料の機能が無料で使えるので、ゲーム感覚で楽しく勉強を続けることができるでしょう。
無料のアプリですが、プレミアム機能(単語帳・ワード検索機能・音声再生速度調整など)を使う場合は有料(月額360円)になります。
5. 「Asahi Weekly」リーディング対策できる英字新聞
Asahi Weeklyは、朝日新聞社が発行している週刊英字新聞です。
リーディングには、やっぱり紙のものを読み書き込みながら勉強したいという人もいると思います。
そんな人には英字新聞はオススメ。Asahi Weeklyの記事の内容は初級・中級・上級とレベルといろいろあるので、英語初級者の中高生からでもリーディング対策に使えます。
国内海外のニュースだけでなく、英語学習コラムや最新映画のシナリオと翻訳などさまざま。
英語レベルによって、日本語訳や日本語注釈も付いているので、効率よく読み進められるでしょう。
一部の記事はオンラインで音声のリスニングも可能で、購読は紙の新聞かデジタル版を選ぶことができます。
【まとめ】大学入学共通テストの英語対策にはまず正しい情報収集と出題内容の確認を
2021年から始まる大学入学共通テストの英語を中心に見てきましたが、いかがでしたか?
外部の英語民間試験の活用が延期になったことで、当面の大学入試ではリーディングとリスニングを中心とした大学入学共通テストの対策が必要となるでしょう。
国語と数学においては、記述式の問題の導入も見送られました。
しかし、どの科目においても従来のセンター試験とは異なり、「思考力・判断力・表現力」が問われる問題に変わるので注意が必要です。
また英語試験について、2025年の大学入試ではリーディング・リスニングだけでなく、リーディング・スピーキングの4技能が測れるようにしていく方針です。
外部の英語検定試験の活用と記述式問題の導入は、延期・見送りになっただけで中止・廃止が決まったわけではありません。
これからの段階的に大学入試が変わっていく可能性もあります。
なので、まず大学入試について最新かつ正しい情報を把握し、どのような出題内容になっているのかを確認するようにしてください。
また、志望大学の出願資格・出願条件もあわせて随時チェックしておきましょう。