英会話初級者から上級者まで共通して持っている悩みは、とっさに英語が出てこないことでしょう。

後で落ち着いてじっくり思い返した時に「あぁ、こう言えば良かった!」と悔しい思いをしたことはありませんか?

必要な時に言葉がすぐに出てくるように、英会話の瞬発力を鍛えるには、実践経験値を上げていく必要があります。

なぜなら、英会話とは、以下の5つ事項を瞬時にすることだからです。

  1. 相手の言っていることを聞き取る
  2. 内容を理解する
  3. 返答を考える
  4. 頭の中にある単語の引き出しを開け、必要な単語を選ぶ
  5. 選んだ単語を並び替えて、文を組み立てる

これらの工程を一瞬で素早くできるようになるには時間を要します。

そこで、今回は会話のキーとなる2、3、4の時間を少しでも引き延ばし、時間を稼ぐ方法「つなぎ言葉」をご紹介します。

基本編「えーっと…」を英語で何て言う?

英語で会話中に、単語がすぐに出てこない、または考えをまとめるのに言葉に詰まることは誰もが経験したことがあるはずです。

その時に、無意識に「えーっと…」「あのー」と言ってしまったことはありませんか?

これは日本語です。

日本語を知らない相手にとっては「Eight?」「Ate?」「I know?」のように聞こえ、話がかみ合わなくなるかもしれません。

英語で「えーっと」は以下のように言います。

つなぎ言葉 発音
Hmmm… 口を閉じて鼻から息と声を出すように「フーン」
Ummm… 一定音で「アーン」
Uhh… 低い声で「アー」
Err… 下を奥に置いて出すRの音を加えた「アー(R)]
Well… 「ウェール」
So… 「ソーゥ」
You know… 「ユーノウ」
I mean… 「アイミーン」

上記のアー音はどれも日本語のアの音に近いです。
これからは「エ」を「ア」に変えてみましょう。

質問を受けて答えを考えている時

英会話で難しいのは、質問に答える事です。
会話の内容をコントロールしているのは聞き手なので、答える側はトピックを選べません。

ここでは相手に気持ち良く待ってもらえるようなフレーズが使えると良いでしょう。

つなぎ言葉 意味
Let me see…. えーっと
Let’s see… えーっと
Good question. 良い質問だね。
That’s an interesting / a difficult question. それは面白い/難しい質問だね。

あまり日本語の会話ではしないことかもしれませんが、聞き手の質問を褒めることで、多少間があったとしても気持ちよく待ってもらえます。
私たち英会話講師が生徒様の質問を受け、分かりやすく説明するために頭の中で情報をまとめる時に良く使うテクニックです。
また、会話の流れが自然に運んでいるように聞こえます。

単語がとっさに出てこない時

人は忘れる生き物です。【人の記憶についてはこちらを参照 ➜ 英会話の習得が上手な人たちの特徴

英単語が思い出せないことはよくあることです。
しかし、その場で単語を思い出さないと会話が進まないこともあります。

そんな時は一人で思い出すよりも、相手にも協力をしてもらいましょう。
聞き方は以下の通りです。

つなぎ言葉 意味
How do (can) I say? 何て言えばいいんだろう?
What’s the word? 何て言う単語だったかな?
What’s it called? 何て言うんだったかな?
Whatchamacallit? ”what you may call it” の俗語。 何て言うんだったかな?
I’m not sure how to say it in English… 英語で何と言うのかが分からないのですが…

急に黙ってしまうのはできるだけ避けましょう。

質問の意味が伝わらなかったのだろうか、単語や表現を考えているのだろうか、聞かれたくない質問をしてしまったのだろうか、などと相手は心配していまします。

リアクションをすること、今何を考えているのかを言葉にすることは大切です。

説明がうまくできない時

人前で発表する時に多用してしまいがちな「えーっと」「あのー」ですが、友達や親しい人とリラックスして話している時でも言葉に詰まることはあります。

その場合、「・・・みたいな」「・・・って感じ」と言うことはありませんか?

さて、英語ではどのように言うのでしょうか?

つなぎ言葉 意味
(It’s) like… …みたいな
(It’s) kind of (like) … …みたいな
(It’s) sort of (like) … …みたいな

最近「like」を多用しすぎてしまうネイティブスピーカーが多いです。
特にアメリカ西海岸の若者に多いのですが、各単語の後に「like」と言ってしまう人もいるほどです。

【例】
It’s like, you know, like a building, like you can see in Peace Park with like a round roof.
(えーっと、平和公園にあるみたいな、えーっと丸い屋根みたいなのがついた、あのビルみたいなやつ)

良くない癖として指摘されることもあり、癖は周りの人にもうつることがあります。
あまり同じ言葉を多用しすぎると聞き手は心地よくないこともありますので、使いすぎないように心がけて下さい。

説明が難しいため、相手に汲み取ってもらいたい時

今から説明するが、うまくまとめられるかどうか不安な時は、聞き手にも歩み寄ってもらいましょう。

そのために布石を打っておくと良いでしょう。

Where should I start? どこから話せば良いんだろう?
How should I put this? どう説明したら良いんだろう?
What’s the best way to put this? どう説明したら良いんだろう?
How can I explain this? どう説明したら良いんだろう?

putは置くという意味以外に表現する「言う」という意味もあります。

【例】

  • I need to put this into English.(これを英訳する必要がある。)
  • Please put your name here.(ここに名前を記入してください。)

まとめ

つなぎ言葉を英語で「(Stalling) Fillers」「Hesitation Devices」などと言います。
「時間稼ぎをするための言葉」「ためらい語」という意味です。

つなぎ言葉を使うと、こんな良いことがあります。

  • 沈黙を防ぐことができる
  • 考える時間が稼げて、心に余裕ができる
  • 話すことばが自然に聞こえる

そして、つなぎ言葉の最大の魅力は、始めた文章を途中で諦める時にも使えるということです。

【例】
The reason why it happened is… ummm… it’s actually hard to say!
「なぜそうなったかと言うと… えーっと… 説明が難しいな!」

通常なら、上記の英文は「is」で終わるわけにはいきません。
しかし、「ummm」のようなつなぎ言葉を使うことで、新しい文章「難しいな」にシフトすることができるのです。

ぜひ、つなぎ言葉をうまく使って、より自然な英会話を楽しんでください。