2020年(令和2年)に日本の大学入試が大きく変わります。
大学入試が変わることはニュースや新聞で知っているけど、具体的にどう変わるか・・・知らない人は多いのではないのでしょうか?
特に大学入試の英語に関しては変更点が多いので、早めに確認して対策しておく必要があります。
2020年以降に大学受験を迎える人とその保護者の方は、是非参考に読んでみてください。
※この記事の内容は2020年3月時点の情報です。
1. 2020年には大学センター試験が「大学入学共通テスト(仮称)」に変わる
2020年にこれまでのセンター試験が廃止されて、新しい入試制度「大学入学共通テスト(仮称)」が導入されることになります。
また、高校においては「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」が高校2~3年生の間に複数回受けられ、その結果が進学や就職の際の学力証明の為に使われる予定です。
この「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」は2019年から始まりますが、実際にテストの結果が大学入試に利用されるのは2023年度からとなっています。
試験の呼び方も、以下のように変わります。
従来 | 2020年以降 |
---|---|
一般入試 | 一般選抜 |
AO 入試 | 総合型選抜 |
推薦入試 | 学校推薦型選抜 |
参考図書)「2020年大学入試改革丸わかりBOOK」株式会社ワニ・ブックス
1. 2020年大学入試の問題形式に記述・論述が加わる
なぜ大学入試を変える必要があるかというと、今までの単なる詰め込み式の知識に対する試験では、今後、国際社会で日本はやりあっていけないという危機感からです。
ノーベル賞受賞者が世界で一番多い国のアメリカでは、実は大学入試というものはありません。
高校生のときに受ける SAT(共通テスト)のスコアと高校生活の成績や課外活動の実績、志望動機のエッセイ、面接で大学への入学が決まる仕組みになっています。
SAT だけでなく高校生活の学習や、特にボランティアの課外活動の実績を重視することも特徴的です。
SAT の受験科目は、読解・論述・数学で、推理力や書く力、読解力、分析力をを測るテストになっていて、何度でも受験することができます。
これに見習い、「大学入学共通テスト(仮称)」は記述・論述の問題が導入され、主体性を重視した思考力・判断力・表現力を測るテスト内容に変わる予定です。
これまでの選択問題中心のセンター試験とは、大きく変わることになるでしょう。
また、「大学入学共通テスト(仮称)」の問題内容は単なる教科ごとのテストではなくなります。
社会的な問題を英語で解答させたり、いくつかの資料を読み取って数式を使い解答させたりと、他の教科を取り入れた複合的なものが出題される予定です。
以下は、文部科学省の「大学入学者選抜改革」から抜粋したものになります。
- 出題者が問題文で示した流れに沿って解答するだけでなく、問題解決のプロセスを自ら選択しながら解答する部分が含まれるようにする
- 複数のテキストや資料を提示し、必要な情報を組み合わせ思考・判断させる
- 分野の異なる複数の文章の深い内容を比較検討させる
- 学んだ内容を日常生活と結びつけて考えさせる
- 他の教科・科目や社会との関わりを意識した内容を取り入れる
- 正解が一つに限られない問題とする
- 選択式でありながら複数の段階にわたる判断を要する問題とする
- 正解を選択肢の中から選ばせるのではなく必要な数値や記号等をマークさせる
引用元: 文部科学省 大学入学者選抜改革
すでにこのような内容の入試を取り入れている国立大学、私立大学は沢山あるので、2020年を待たずに対策しておいた方が良いでしょう。
試験以外の大学入試の際に必要になる高校の内申や調査表についても、いくつか見直しされました。
まず、部活動・ボランティア活動の欄に「留学や海外経験」の事項が加わったこと、またそれぞれの活動についてより具体的な内容の記載が必要になったことです。
- 各教科・科目及び総合的な学習の時間の学習における特徴
- 行動の特徴、特技
- 部活動、ボランティア活動、留学・海外経験
- 取得資格・検定
- 表彰・顕彰等の記録
英語に興味がある人や海外へ行ってみたい人は、学校や留学エージェントの短期留学プログラムやホームステイ、国や地方自治体が行っている留学プログラムなどを利用することをおすすめします。
海外経験を増やしておくことは大学入試の為だけではなく、様々な面で将来プラスになるで検討してみると良いでしょう。
奨学金制度を利用すれば、金銭的負担を軽くして留学することも可能です。
高校生の留学奨学金!短期から長期まで返済不要(給付型)のオススメ奨学金リスト
大学入試、色々変わるんだね・・・。
大学入試が変わる前の年、2019年に大学受験を迎える人が浪人するってなったら大変そうだね。
確かに。
入試制度も内容もがらっと変わるから、できるだけ浪人は避けた方が良いかもしれませんね。
2020年大学入試の問題例
では、2020年の大学入試でどんな問題が出されるか見てみましょう。
大学入学共通テスト(仮称)環境科の予想問題です。
- 夜晴れていると地面が冷えるため、そこに接した空気は冷やされる。そのため、地面からある高さまでは上空にいくほど気温が高くなり、通常の温度分布とは逆になる。この減少を温度逆転層と呼ぶ。
次の5つの問いに答えなさい。問1 温度逆転層の現象を表すグラフを書きなさい。
問2 温度逆転層の現象を簡単に説明しなさい。
問3 温度逆転層ができる要因を説明しなさい。
問4 煤煙と光化学スモッグの違いについて説明しなさい。
問5 どのような第二の燃料を使えば、どのうように大気汚染を回避できるのか。
参考図書)2020年の大学入試問題 講談社現代新書
次は、2016年に早稲田大学の政経学部で出題された問題です。
- 下の文を呼んで、賛成か反対かの理由をすくなくとも2つ挙げ、あなたの考えを英語で述べなさい。
「喫煙は日本では違憲とされるべきである」
(試験時間15分:模範解答130文字程度)
自分の知識を元に、自分の考えや意見を論理的に説明することを要求される問題だということが分かるのではないでしょうか。
ちなみに、以下の問題は世界的に有名なオックスフォード大学で出された問題です。
- 木を描くとします。その木は現実のものですか?
- 火星に人間をどう説明しますか?
- カタツムリには意識はあるでしょうか?
参考図書)「オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の入試問題 あなたは自分を利口だと思いますか?」河出書房新社
難しい・・・なぞなぞみたいな問題だね。
創造力や思考力を働かせて、自分の知識や考えをいかに筋道をつけて述べられるか・・・そういう内容の問題だということが分かるよね。
2. 2020年大学入試の英語が、読む・書く・聞く・話すのテストに変わる
外務省が発表している平成28年度のデータでは、海外に在留する法人総数は約134万人で、前年度より2万人増。
海外進出をしている日系企業は、7万1820拠点で前年度より約700拠点増で、どちらとも過去最多の数になっています。
つまり、急速なグローバル化に伴い、英語によるコミュニケーション能力の向上が急務という訳です。
2020年の大学入試改革によって記述・論述の問題も加わると同時に、英語の試験もがらっと変わることになります。
今までのセンター試験では、読む・聞くが中心のテストでしたが、2020年からは実際に使える英語習得を目的に、読む・書く・聞く・話すの4技能が重視されるテストになる予定です。
2020年大学入試からは民間の英語検定試験が利用される
読む・書く・聞く・話すの4技能をテストすると言っても、毎年約50万人が受験する大学センター試験で、同じ日に一斉に英語のスピーキングのテストをすることは難しいですよね。
一人ずつスピーキングを聞く時間もないし、それを判定する試験官も足りません。
だから、2020年の「大学共通テスト(仮称)」では民間の英語検定試験を利用する方針になっています。
以下が「大学共通テスト(仮称)」に活用される民間の検定試験です。
- 英検
- TOEIC L&R/TOEIC S&W
- TOEFL iBT
- Cambridge English
- GTEC CBT/GTEC for Students
- IELTS
- TEAP/TEAP CBT
それぞれの試験の内容やレベルは少しずつ違うので、各試験のスコアを CEFR と照らし合わした以下の対照表が利用されることになります。
ちなみに、CEFR とは Common Eroupean Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ共通参照枠)の略。
CEFR は言語習得の段階を6つのレベルに分ける枠組みで、それぞれの英語検定試験でとのくらいのスコアを取れば、どの CEFR のレベルにあたるかが上の表に示されています。
例えば、CEFR の A1レベル(基礎段階の言語使用者)は、「よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる」など。
CEFR の B2レベル(熟練した言語使用者)になると、「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも複雑な文章の内容を理解でき、母語話者とは普通にやり取りができる」などです。
では、いつ受けた英語検定試験が「大学入学共通テスト(仮称)」に利用できるのでしょうか?
高校3年生の4月から12月の間の2回までの英語検定試験の結果が、「大学入学共通テスト(仮称)」に採用される予定になっています。
どのように外部英語検定試験の結果が、大学入試に利用されるかというと・・・
高校3年生になって英語検定試験を出願するときに、試験を実施する団体に自分の試験結果をセンターへ送ることを依頼しておくと、団体がセンターへ送付してくれます。
その結果を受け取ったセンターは、大学からの依頼に応じて「大学入学共通テスト(仮称)」の成績と一緒に、英語検定試験の結果を大学に知らせるという仕組みです。
実は、英語の試験がこの仕組みに完全に変わるのは2023年度以降です。
2020年じゃないの?
2020年から2023年までは「大学入学共通テスト(仮称)」の英語のテストも、今までのセンター試験のように行われる予定になっています。
どうして?
英語検定試験の利用状況などを確かめる為です。
2020年から2023年までの間はそれぞれの大学の判断で、「大学入学共通テスト(仮称)」の英語試験か英語検定試験のどちらか、または両方を入試として取り入れるかを選択できるようになっているので、受験者側も注意しておく必要があります。
2. 2020年大学入試から必要になる民間の英語検定試験
2020年を待たずに、すでにTOEICやTOEFLなどの民間の英語検定試験を大学入試に取り入れている国立・私立大学も多くあります。
(例:早稲田大学・筑波大学・立教大学・関西学院大学・西南大学・立教大学・専修大学・法政大学・上智大学・明治大学など)
大学全体の36.3%はすでに導入済みで、これからは間違いないく英語検定試験のための対策が必要になるでしょう。
入学後に TOEIC の受験を必須にしたり、大学卒業の条件の一つに TOEIC などのスコアを定めている大学もでてきています。
私立の大学、国立の大学への進学に関わらず、これから英語の4技能を伸ばすことは必須になるという訳です。
1. TOEIC L&R/TOEIC S&W
参照)TOEIC
TOEICは、アメリカの ETS(Educational Testing Service)が提供しているテストで、日本事務局は、IIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)です。
テスト内容は、どれだけ英語によるコミュニケーションをとれるかを測るために、身近なことからビジネスまで幅広く出題されます。
TOEIC L&R | TOEIC S&W | |
---|---|---|
受験者数 | 約250万人(平成28年度) 全世界では約700万人 | 約3.2万人(平成28年度) |
年間回数 | 10回 | 24回(1日2回✕12回) |
会場数 | 全国47都道府県 最大251会場 | 全国13地域 最大43会場 |
成績表示 | 10~990点 | 0~400点 |
出題形式 | リスニング、リーディング | スピーキング、ライティング |
実施方式 | 紙(マーク式) | コンピューター スピーキング(マイク付きヘッドセット) ライテイング(キーボードでのタイプ) |
受験料 | 5,725円 | 10,260円 スピーキングのみは6,804円 |
2. TOEFL iBT
参照)TOEFL
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)も、TOEIC と同様アメリカの ETS(Educational Testing Service)が提供しています。
日本事務局は、CIEE(国際教育交換協議会)です。
TOEFL iBT(インターネットによる TOEFL テスト)は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・カナダなどの大学進学等を目的に広く活用されている試験で、130カ国9,000以上の機関で採用されています。
TOEFL のテスト内容は、アカデミックな問題が中心です。
TOEFL iBT | |
---|---|
受験者数 | 非公開 |
年間回数 | 40~45回 |
会場数 | 全国最大86会場 |
成績表示 | 0-120点 (4技能を各0~30点で評価) |
出題形式 | リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングング |
実施方式 | コンピューター |
受験料 | 235アメリカドル |
3. 英検
参照)英検
英検は、公益財団日本英語検定協会が行っていて、文部科学省も後援してる試験です。
英検には7つの級が設定されており、自分のレベルに合ったどの級からでも受験することができます。
英検は、国内の約1,700校にのぼる高校・大学の入学試験や単位認定で優遇されている試験です。
海外留学でも、約400の機関で英語力証明の資格として認められています。
2014年にはオーストラリアの5州の州立高等学校でも英検が準2級より認定されるようになりました。
英検 | |
---|---|
受験者数 | 約339.4万人(平成28年度) |
年間回数 | 3回 |
会場数 | 230都市 400会場+準会場 |
成績表示 | 英検 CSE スコアでの合否判定 |
出題形式 | 一次試験:リスニング・リーディング・ライティング 二次試験:スピーキング |
実施方式 | リスニング・リーディング・ライティング:紙 コンピュータースピーキングング:面接・コンピューター |
受験料 | 準1級:6,900円 2級:5,800円 準2級:5,200円 |
4. IELTS(アイエルツ)
参照)IELTS
IELTS(International English Language Testing System:アイエルツ)は、ブリティッシュ・カウンシルと IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機能によって運営されている試験です。
世界9,000機関で採用されています。
海外留学や海外移住申請のために、またイギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどの大学や大学院の入学の判断基準のために、よく利用されているテストです。
IELTS は、アカデミックなテストと一般的なテストの2種類のテストがあります。
IELTS(アイエルツ) | |
---|---|
受験者数 | 約3.7万人(平成28年度) 全世界では290万人 |
年間回数 | 約40回 |
会場数 | 全国最大約90会場 |
成績表示 | 1.0-9.0(0.5刻み) |
出題形式 | リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング |
実施方式 | リスニング・ライティング・リーディング:紙・コンピューター スピーキング:ネイティブの試験官と対面面接 |
受験料 | 25,380円 |
5. TEAP/TEAP CBT
参照)TEAP
海外の大学進学などの為に作成されている TOEFL や IELTS は、日本の大学進学の為に利用する高校生には難しすぎるという問題がありました。
そこで、上智大学と公益財団法人日本英語検定協会が共同で開発した新しい英語試験がTEAP(Test of English for Academic Purposes)です。
TEAP は日本の「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るための試験で、テスト内容も大学の授業や留学で遭遇する場面などが中心になっています。
試験のレベルは、英検でいうと準2級から準1級程度の難易度です。
2017年11月現在、TEAPを採用している大学は上智大学や青山学院大学、早稲田大学など120校以上で、これからもTEAPを採用する大学は増えていくとみられています。
TEAP/TEAP CBT | |
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受験者数 | 約1.4万人(平成28年度) |
年間回数 | TEAP 3回/TEAP CBT 2回 |
会場数 | 全国最大 約35会場 |
成績表示 | TEAP:80~400点 TEAP CBT:0~800点 |
出題形式 | リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング |
実施方式 | TEAP:紙 スピーキングは面接 TEAP CBT:コンピューター |
受験料 | リスニング・リーディング:6,000円 リスニング・ライティング・リーディング:10,000円 リスニング・ライティング・リーディング・スピーキング:15,000円 |
6. ケンブリッジ英語検定(Cambridge English)
参照)ケンブリッジ英語検定
ケンブリッジ英語検定は、ケンブリッジ大学英語検定機構が開発した英語試験です。
世界130カ国、20,000以上の大学や企業や、ビザ申請のために政府機関などで活用されています。(イギリス・オーストラリア・アメリカ・カナダなど)
幼児、小学生から大人の学習者まで進路や目的によって試験のレベルが異なるのが特徴です。
ケンブリッジ英語検定 | |
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受験者数 | 国内人数は非公開 全世界では約250万人 |
年間回数 | 各10~16回程度 |
会場数 | 最大12会場(2018年度には全47都道府県で実施予定) |
成績表示 | レベル毎 80~230点 |
出題形式 | リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング |
実施方式 | リスニング・ライティング・リーディング:紙・コンピューター スピーキング:受験者2名ペア形式 |
受験料 | CPE(C2):25,380円 CAE(C1):22,140円 FCE(B2):19,980円 PET(B1):11,880円 KET(A2):9,720円 |
7. GTEC(ジーテック)/GTEC CBT
参照)GTEC
GTEC はベネッセコーポレーションと Berlitz International ELS Educational Services が提供している英語試験です。
小学校から高校生、社会人まで受験できる試験で、小中学生向けの GTEC junior、中高生向けの GTEC、社会人向けの GTEC と3つがあります。
GTEC junior の試験の場合は Junior1・Junior2・Junior Plus の3つのレベルに。
中高生向けの GTEC の場合も Core・Basic・Advanced の3つのレベルに分かれています。
社会人向けの GTEC の試験は1つです。
大学入試で利用できる中高生向けの GTEC は、日本の中学生・高校生に合った内容で、学校で習った英語を実際の生活で使うことを測るための問題を中心としています。
これまで1,550校を越える高校で採用されており、国内の大学の推薦・AO 試験で GTEC のスコアを使うことが可能です。
GTEC(ジーテック) | |
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受験者数 | 約94万人 |
年間回数 | 紙のテスト:2回 コンピューターテスト:3回 |
会場数 | 全国1,770会場(コンピューターテストは58会場) |
成績表示 | 紙のテスト:0~980点 コンピューターテスト:0~1,400点 |
出題形式 | リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング |
実施方式 | 紙のテスト リスニング・ライティング・リーディング:紙 スピーキング:タブレット式 コンピューターテスト |
受験料 | 紙のテスト:5,040円 コンピューターのテスト:9,720円 |
英検と TOEIC だけでなく、沢山の英語検定試験があるんだね。
TEAP や GTEC とか全然知らなかったよ。
英検と TOEIC は、今も採用している学校や企業は国内外に沢山あるよね。
TEAP は、大学進学向けに作られた新しい試験なので、日本の大学入試のために利用しやすい検定試験だと言えます。
どんな試験か、一度受けてみてもいいね。
そうだね。
どの検定試験が自分の英語レベルや目的に合っているかはもちろん、試験会場は自宅から近いか、受験料はいくらか、テスト形式や内容はどのようなものか…などを比較しながらどの検定試験を受験するか決めると良いでしょう。
3. 2020年大学入試の英語対策!国語力とアウトプット(書く・話す)を鍛えよう
2020年度の大学入試から必要とされる読む・書く・聞く・話すの英語の4技能ですが、どのように伸ばしていけば良いのでしょうか?
今までの学校の英語の授業は、読む・聞く(インプット)が中心の授業だったので、大学入試の英語も選択や穴埋め問題など、速読や記憶力を中心とするテスト形式でした。
しかし、これからは書く・話す(アウトプット)の英語能力も要求されることになります。
つまり、自分の考えを英語で表現する力をつける必要があるのです。
ちなみに、英語習得に必要とされる絶対時間は一般的に2800時間と言われています。
でも、日本の公立小学校・中学校・高校の英語授業量の合計は、1800時間も足りない1000時間しかないのが現状です。
しかも、2016年度の TOEFL iBT の日本人平均点アジア31カ国中28位で、スピーキングは最下位。
文部科学省の調査によると、高校3年生の英語力は6~7割が中学3年生レベル(英検3級程度)しかないと言われています。
圧倒的に英語力も英語の勉強時間も足りないということが分かりますよね?
文部科学省の方針で小学校から高校までの英語の授業時間はこれから増えていく予定ですが、それでも1800時間の不足を全て補うことはできません。
つまり、学校以外で英語に触れる時間を積極的に作らなければならないという訳です。
1. 国語力・思考力を伸ばすためには読書量を増やす
まず、2020年の「大学入学共通テスト(仮称)」で活用される英語検定試験の一つである TOEIC のライティングとスピーキングのサンプルテストを見てみましょう。
仕事を探すために沢山の方法があります。新聞・広告・インターネットの求人サイト・個人的な推薦。
仕事を探すための一番良い方法は何だと思いますか?理由は?
あなたの意見を理由と例を挙げて説明しなさい。
収入はよくないけれど、仕事以外の時間が十分に取れる仕事に就きたいという人がいます。
給料は安いけれど、休暇を十分にとれる仕事に就くことをあなたはどう思いますか?あなたの意見と理由を述べなさい。
問題をちきんと読み取れるリーディング力、英語で表現するライティング力やスピーキング力はもちろん必要です。
しかし英語力の前に、まず自分の考えを表現するための国語力と論理的思考力がないと解けない問題だということが分かるのではないでしょうか。
では、この国語力と論理的思考力を身につけるにはどうしたら良いのでしょう。
一番身近で簡単にできる方法は、読書量を増やすことです。
英語の本を読むの…?と思った人もいるかもしれませんが、いきなりそれは難しい人も多いと思います。
まずは日本語の本を沢山読んで活字に触れること。
読書によって多くの本に触れることで、様々な知識が得られ、語彙力・創造力・論理的思考力を伸ばすことができます。
読書習慣がない人は、まず自分の好きな分野、興味のある分野の本から読んでみましょう。
英語力を伸ばすことも大事ですが、英単語は知っているけど何を書いたらいいか、話したらいいか分からないということにならないように、日頃から国語力と論理的思考力を鍛えておくことが大事です。
2. オンライン英会話教室で英語を話す機会を増やす
日本の英語教育は、まだまだインプット(読む・聞く)が中心で、アウトプット(書く・話す)の機会が少ないということは話しましたね。
だから、まず書く・話すの英語学習量を意識的に増やしていくことが必要です。
書くことは自分でも勉強できそうですが、話すことはなかなか一人じゃ難しいでしょう。
一人で繰り返しフレーズを発音練習することも大事ですが、実際の会話で覚えた英語を使うという作業はまた1つハードルが上がります。
長期留学などで英語漬けの生活にして、手っ取り早くスピーキングを伸ばすということができれば良いのですが、そうも出来ない人が大半ですよね。
そういう人は、オンライン英会話スクールを利用すると良いでしょう。
オンライン英会話スクールでは、Skypeなどのソフトを利用してインターネット上で英会話の授業が受けられます。
授業は基本的にマンツーマンで、自分の英語レベルや目的、授業回数に合わせてコース選べるので英語初級者でも安心。
また、オンライン英会話スクールは、通学する英会話スクールよりも安いので、気軽に始めることができるのでおすすめです。
- ビジネス英会話、日常英会話、職業別英会話、TOEIC対策などのコースがある
- 月額5537円~毎日受講できるプランから1日2回受講できるプランなども
- Skypeがつながればどこでも受講できる
- 無料体験レッスンで25分×2回受講できる
- 2ヶ月1500円OFFのキャンペーンも
- 学研グループのオンライン英会話教室
- パソコン、スマホでも簡単にマンツーマンレッスンが受けられる
- Skypeを使わず、独自の通話システムを利用することで設定も簡単
- 1レッスン毎に予習復習の課題を用意
- 日本人サポートを利用できるので初心者でも安心
- 総合英語コース、実践英会話、発音、ビジネス英会話、小学生・中学生・高校生コース・英検対策など様々なコースがある
- 毎日25分プランが月々5480円~
- 10日間無料で毎日レッスンの受講ができる
- 厳しいテストを合格した4000人以上のフィリピン人講師がいる
- Skypeでマンツーマンレッスン
- 日常英会話コース、ビジネス英会話コース、中学・高校生コースなどがある
- 毎日25分レッスンが月額5800円~
- オプションサービスとして学習相談が受けられる(月額+980円)
- 無料体験として25分のレッスンとカウンセリングが受けられる
- 予約をしなくてもいつでも好きなだけレッスンが受けられる
- PC 以外でもスマホやタブレットにネイティブキャンプのアプリを入れたら受講できる
- 日常英会話コース、ビジネスコース、キッズコース、TOEIC 対策コース、発音コースなどがある
- プレミアムプランが月4,950円~(教材費別途必要)
- 7日間の無料トライアルがある
- 小中高生向けの通塾とオンラインの複合型英語教室
- 週1回レッスン(1時間)✕4回が月10,000円
- 日本人講師と一緒に予習し、オンラインで外国人講師とマンツーマンの英会話を受け、最後にまた日本人講師と復習するので、低学年でも保護者の付き添いが不要
- オンラインのレッスンの間も日本人講師が付いている
オンラインの英会話スクールって意外に沢山あるんだね。
今、オンラインの英会話スクールはどんどん増えていっています。
フィリピン人講師のスクールが多いようですが、ネイティブスピーカーの講師がいるスクールもあります。
まずは無料体験レッスンを受けてみて、自分に合ったスクールを選びましょう。
3. 解説付きの英字新聞で英語の語彙力を増やす
英検2級の合格には3,800~4,000語、英検準1級の合格には6,800~7,000語、英検1級の合格には12,500~13,500語の語彙力が必要と言われています。
やはり、英語力を伸ばすために沢山の英単語を覚えることは必須です。
英単語帳で単語だけ覚えることも大事かもしれませんが、難しい単語を覚えてもそれをどのような場面で使ったら良いか分からない…ということも多いですよね。
その場合は、英字新聞がおすすめです。
実際の文章で英単語がどのように使われているか確認しながら覚えていくことが出来るので、英語を書くとき、話すときの参考になります。
また、時事問題を英文で読むことでTOEICなどの英語検定の試験対策にも繋がるでしょう。
以下の英字新聞は初級から中級者向けのものです。
日本語での注釈・解説付きの英字新聞は、初心者でも気軽に始められます。
4. 英語試験対策(TOEIC)のアプリを活用する
2020年の「大学入学共通テスト(仮称)」では、TOEIC をはじめ、様々な英語検定試験が導入される予定です。
なので、時々 TOEIC などの英語検定試験を受けて、早めに試験に慣れておくことも大切になります。
小学生向けには英検や JET(Junior English Test) などを受けることは良い練習になるでしょう。
JET は、TOEIC や TOEFL を開発した同じ機関である米国 IMET が作ったテストです。
つまり、テストの出題傾向が TOEIC に似ているので、将来の TOEIC 対策として小学生のときから活かすことができます。
TOEIC などの英語検定対策のためには、様々な対策本や問題集が出版されています。
また、最近は英語検定対策のためのアプリも沢山あるので、アプリをスマホに入れておけば時間がある時にいつでも勉強できて便利です。
以下では、TOEIC 対策と英単語集のアプリを紹介しています。
- リクルートが開発したアプリ
- TOEIC対策、日常英会話の講座が受けられる
- 新日常英会話コースは月額1,738円(税込)~、TOEIC対策コースは月額3,058円(税込)~
- 7日間無料体験が受けられる
- 無料
- 一般財団法人国際コミュニケーション協会が提供しているTOEIC対策のアプリ
- ビジネスや日常の色々な場面で使われる英会話をまとめたもの
- 理解度を確認するテストや会話のフレーズの解説付き
- テストの申し込みの締切日が近づくとお知らせを受け取ることができる
- 600円
- 国内最大級の単語集で、1万3千語が収録されている
- どれだけ単語を覚えたか語彙数をカウントする機能や、知っている単語はスキップできる機能、一度覚えた単語をきちんと記憶するために再び登場する機能などがある
まとめ~2020年の大学入試改革で論述・記述が加わり、英語の4技能が必要になる~
2020年に大学入試改革によって、論述・記述が加わり、英語は読み・書く・話す・聞くの4技能が求められることが分かりました。
これからの大学入試の英語には、英語検定の試験対策の勉強が必須になります。
でも、ただ試験対策の勉強をするだけでなく、将来ちゃんと仕事などで活かせるような英語の勉強の仕方をすることが大切です。
せっかく英語を勉強するなら、読み・書く・話す・聞くをバランスよく勉強し、生きた英語を身に着けておくと将来の選択肢の幅が広がることになるでしょう。