読まれる文章の書き方は読者に「自分事」と思わせて自分の主張に納得してもらうこと

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読者の椅子に座る

皆さんは文章を書くとき、何に気を付けながら書きますか?

  • 論理展開?
  • 誤字脱字?

もちろんどれも大事なことです。でも、もっと大切なことがあります。

それはズバリ、「読者」です。

小説や雑誌、新聞はもちろん、あなたが書くブログやメール、ちょっとしたメモにだってちゃんと読者がいるのです。

読者にとって読みやすい文章を書きたいなら、読者の気持ちを考えて書くことが大切だという事を解説したいと思います。

でも、「読者の気持ちになる」って、なんだか分かりづらいですよね。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の著者、古賀史健氏は本書の中で、

必要なのは、隣に立つのではなく、読者と同じ椅子に「座ること」である。

と述べています。
では具体的にどうすれば良いのでしょうか?
一緒に見てみましょう!

読者と同じ椅子に座る2つの方法

「読者の椅子に座る」と聞いて、あなたは何を思いましたか?

ひょっとしたら、「読者の立場に立つこと」と思った人もいるかもしれません。
でも、読者の立場に立つという意味ではありません。

例えば、自分はネイルアートに興味がないし、実際にやったこともないのに、ネイルアートが好きな人に向けて、ネイルアートの楽しさを共感させるような文章を書けと言われても困りますよね。

仮にネイルアート好きになったつもりで(読者の立場に立って)書いたとしても、読者の気持ちを動かすほどの文章は書けません。

そういった意味で、書き手が座ることのできる「読者の椅子」は、2種類しかないと言っています。

それは、「10年前の自分」「特定のあの人」です。

では、順番に見てみましょう!

10年前の自分

あなたが今持っている有益な情報や経験を、10年前の自分に語りかけるようにして書きます。

そうすることで、今、この瞬間に10年前の自分と同じ悩みを抱えている人に伝わる文章になるのです。

10年前に限らず、「あの時の自分」を思い起こすことが、読者の椅子に座る最も確実な方法です。

特定のあの人

対象読者が定まらないとき、「多数派」を対象に書こうとすることが多々ありますが、それは逆効果。

誰に向けた文章なのかわからない、あやふやな文章になってしまいます。

そうならないために、ある特定の人を定め、年齢、性別、職業、年収、住んでいるところなど細かく設定し、その人に向けた文章を書くのです。

「たった一人の人」の椅子に座ることで、強い主張を持った文章が仕上がり、読者がついてきます。

架空の人を設定するのが難しければ、知り合いの人を想定すると良いでしょう。

10年前の自分ならすぐに想像できるし、特定の人を設定すれば、必要な情報を選んで記事を書くことができますね。

実際の読者は不特定多数!誰が読んでも分かる文で書く

先ほど、文章を書くとき、特定の人を設定して書きましょうと述べました。

でもここで注意したいことがあります。それは、実際に読む人は不特定多数の人であるということ。

どれだけ対象を設定して書いたとしても、実際に読む人を書き手が決めることはできません。

特定の人を設定して書くと、その人にしか通じない言葉(例えば専門用語)を用いることが多くなります。

専門性の高い言葉を使うことにより、内容が雑になり、一般の読者にとって読みにくい文章になってしまうというわけです。

そこで、著者が提案していることは、椅子に座る特定のあの人でもない、自分でもない、もう一人の読者を想定すること。

つまり、自分の書くテーマと全く無縁の人が読むことを設定するということです。そうすることで、専門知識がない人が読んでも、わかりやすい文章が書けるのです。

身近な人だと、世代が異なる母親が、文章を読んで理解できるかを考えながら書いてみると良いでしょう。

読者を説得するのではなく、納得させる文章を書く

ここまで読者を特定の人に設定して文章を書くことと、不特定多数の読者にも理解できる文章を書くことの大切さを述べてきました。
ここでもう一つ、読者について考えておきたいことがあります。

それは、読者を説得させるのではなく納得させるということ。

想像してみてみて下さい。例えば、両親や友人に

  • 「英会話をしなさい」
  • 「本を読みなさい」
  • 「資格をとりなさい」

と言われたとします。

どれも大事なことは分かるけど、ただ一方的に言われてもなぁ・・・と思ったことはありませんか?

読者も同じで、どんなに大事な教えであっても、他人事である以上は耳を貸さないし、一方的に説得されたとして、反発が生まれることもあるといいます。

逆に、読者は「他人事ではない!」と思ったとき、自ら耳を傾けるようになります。

ただ一方的に説得させるのではなく、読者にも「自分事」と思わせて、自分の主張を納得してもらうことが、読者の理解につながるというわけです。

読者に「自分事」だと思わせるポイントは2つ。

  1. 読者に、独自の仮説を提示し、「あなたはこの仮説をどう思うか?」と問いかけて、読者も一緒に検証させる
  2. 自分の主張に対する読者の反論を意識して文章を書く

自分の主張に対して自らが反論することで読者と対話形式になり、読者を参加させることができる。さらに反論に対して再反論することで主張がより強化される。

実際に例文を作ってみました。

【主張】小学生に公衆電話の使い方を教育するべきだと思う。

【反論】一方で、いつも携帯電話を持たせているから必要ないという声もある。

【再反論】しかし、緊急時に携帯のバッテリーが切れていたりした時に、公衆電話が目の前にあっても、お金がいらない緊急通報機能などを知らなければ、子供から連絡をすることが難しくなる。

【結論】だから、携帯電話が普及した今だからこそ、公衆電話の使い方の再確認をするべきだ。

このように、読者も文章の中の一員となって読み進めていけるよう工夫すると、読者の理解も促せるというわけですね。

読者の椅子に座って、読者を納得させる文章を書く

最後に、ポイントをまとめてみよう!

  • どんな文章にも読者がいることを忘れてはいけない
  • 読者の椅子に座ろう!10年前の自分や、ある特定の人に向けて文章を書く
  • 実際の読者は不特定多数!誰が読んでも理解できるように書く
  • 読者は「他人事」には耳を貸さない!「自分事」と思わせて、書き手の主張を納得させることが大切

文章は、読む人がいてこそ意味があるもの。

メールでもブログでも、ちょっとしたメモでも、読者にとって読みやすい文章を書くことを心掛けたいですね。

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