英語で会話しているときに、自分では正しく表現しているつもりなのに、相手に全く通じなかったり、不自然な間ができてしまったという体験をされたことはありませんか?

語彙と英文法の学習に力を入れている日本人の英語は、文法的には正しくても、実践会話の中では誤用に近いものとなることがあります。

知識を入れる作業と用法を学ぶ作業の比率がアンバランスになり、日本語の感覚で英会話をしてしまうからです。

今回は英語の語彙やフレーズが持つニュアンスを見直してみましょう。

会話中に相手がキョトンとしてしまい、再度言い直す際に気をつけられるヒントにして下さい。

英語の語彙やフレーズが持つニュアンスの違いによる間違い10通り

How do you think?【あなたはどう思う?】

英会話で頻繁に使うこのフレーズは中級・上級レベルの方も言ってしまったことがあるのではないでしょうか?

How = どう?と覚え、それを応用して英作文をするとこのように言ってしまいがちです。

ネイティブスピーカーは「How = 方法を表す疑問詞」と解釈するため、上記の英文は相手がどのように物事を考えるのか、思考回路を聞いているように聞こえます。

今回は相手の意見が何なのかを聞きたいので、”What do you think?”と聞くと良いでしょう。

Where is the capital of Canada?【カナダの首都はどこですか?】

Whereを道案内のシチュエーションでよく使うため、見落としがちなのですが、whereの解釈も見直しておきましょう。

私たちの多くは、Where = どこ?と覚え、それを応用して英作文します。

詳しくは「Where = 方向や方角を表す疑問詞」と解釈するため、上記の質問には“It’s at the east side of Canada.【カナダ東部だよ。】”と言われてしまうかもしれません。

“It’s Ottawa.【オタワだよ。】”という答えを引き出すには”What is the capital of Canada?”と聞くと良いでしょう。

My hobby is shopping.【私の趣味は買い物をすることです。】

日本語では「趣味は買い物をすることです。」と言っても不自然な感じはしませんが、英語の「hobby」は少し捉え方が違います。

食べる、寝る、買い物をする、お酒を飲む、など、日常的にすることをhobbyとは言わないのです。

この場合、シンプルに”I like shopping.”と言うと良いでしょう。

また、相手の趣味を聞くときも”What’s your hobby?”よりは”What do you like to do in your free time?”と聞いた方が相手も答えやすいでしょう。

I’m boring.【退屈だなぁ。】

Boreは「人を退屈させる」という意味ですが、語尾が混乱しやすいです。

「-ing」で終わっていれば、「主体が相手を退屈させる」
「-ed」で終わっていれば、「主体自身が退屈している」、事を意味します。

つまり、上記の文は「私は退屈な人間である。」という意味になります。自身が退屈である場合、”I’m bored.”と表現します。

Excite、surprise、interestなども使い方が類似しているので気をつけましょう。

I had a phone call at midnight.【夜中に電話がかかってきた。】

「夜中」や「深夜」というと、具体的な時間がはっきりしていない、「夜遅い時間」というぼんやりした意味ですが、「midnight」は「午前0時」という意味です。

真夜中と曖昧に表現するときは”in the middle of the night”や時間帯によっては”early morning“と表現すると良いでしょう。

I had an accident.【事故に遭いました。】

これはイディオムなのですが、【お漏らしをしてしまった。】という意味になるのです。

交通事故現場に遭遇した場合は”There was an accident.”
事故に巻き込まれた場合は“I was in an accident.” ”I had a car accident.”
トラブルが発生した場合は”I had a trouble with…”と表現すると良いでしょう。

He is drinking tomato soup.【彼はトマトスープを飲んでいる。】

スプーンを使ってスープを食する時は”He is eating tomato soup.”または”He is having tomato soup.”と言います。

Drinkは一般的に飲み物(液体)を飲む時に使う表現です。

上記の文はカップに直接口をつけて飲んでいるという意味として使うことは可能ですが、マナーとしても決して良い印象ではありません。

更に、日本語では薬も「飲む」と言いますが、英語では”I take a medicine.”と言います。

“I drink medicine.”は水薬の場合にいう事はできますが、どんな薬も共通してtakeを用いることが一般的です。

Teach me your email address.【メールアドレスを教えて。】

日本語の「教える」は英語では様々な表現があり、使い分けます。

”teach”知識や技能を教える場合に使い、例文のように情報を伝える場合”tell”を使います。

因みに機械の使い方などをやって見せながら教える場合は”show”を使います。

  • I teach him English.【私は彼に英語を教える。】
  • I’ll tell you my secret.【あなたに私の秘密を教えてあげる。】
  • Can you show me how to use this dishwasher?【この食洗器の使い方を教えてくれない?】

I enjoyed very much.【とても楽しかったよ。】

enjoyは「~を楽しむ、~で楽しく過ごす」と訳し、「enjoy+事柄」という形で使います。

enjoyを使う場合、”I enjoyed talking with you.”【あなたと話せて楽しかった】のように、具体的に何が楽しかったのかを伝えましょう。

総合して楽しかったと曖昧に言う場合は”I had a good(great) time.”と表現します。

また、「enjoy」は少し堅苦しい印象があると捉える人もいるので、会話では”I had a great time talking with you.”と言うのが良いでしょう。

I’m expecting!【期待しているよ!】

「期待する」という意味で用いる場合、「expect+事柄」という形で表します。

例えば”I’ll be expecting you at nine tonight.”【今夜9時に来られるのをお待ちしていますよ】のように使います。

上記の文のように、expect単独で使った場合、「妊娠している」という意味になります。

期待していることを伝えたい場合は”I expect (a lot) from you.”と言うと良いでしょう。

まとめ

今回は日本人英語学習者がよくしてしまう間違いを10通り見直しました。

既に知っている単語でも、間違った解釈をして覚えていたり、他の意味があることを知らなかったり、文中に用いる方法が分からないことが原因で、このような誤りが生まれるのかもしれません。

英会話に完璧な文法は必然ではないですが、ちょっと表現を間違ったり、日本語の感覚で英作文をすることで、意図していたものとは違うとんでもない意味になり、失笑をかったり、相手に不快な思いをさせてしまうことがあるかもしれません。

ネイティブスピーカーがキョトンとしていたら、大きな声で繰り返してみるのも一つの手段ですし、言い回しを変えてみることで正しい文に近づくかもしれません。

また、ネイティブスピーカーにきちんと通じたかどうかを確認するためにも、英会話には笑顔とアイコンタクトが欠かせません。

最後にアイコンタクトのコツですが、相手の目を見るのがどうしても抵抗がある方は、相手の眉間を見ることから始めてみてはいかがでしょうか?下を向いたり、モジモジしないように心掛けましょう。