日本語を学習する外国人のあるある
外国人が日本語を学習するときに苦労するのが敬語です。
せっかく覚えた動詞の形が敬語になると形が変化してしまうため、どの単語なのかが認識できなくなるのです。
【例】「来」くる ➡ きます
確かに「く」が「き」に変わると別の単語だと思ってしまうのも無理ないような気がしますね。更に日本語には尊敬語・謙譲語・丁寧語が存在するので、本当に複雑なのです。
【例】お越しになる ➡ 参る ➡ 来ます
ただ、英語に敬語がないわけではないのです。動詞の形は変わらなくても、言い方ひとつで相手にどう響くかは違ってきます。
ここで英語のカジュアルな表現と丁寧な表現を比較してみましょう。
The door! | ドア! |
---|---|
Open the door. | ドアを開けて! |
Will you open the door? | ドアを開けてくれない? |
Can you open the door? | ドアを開けてくれない? |
Will you please open the door? | ぜひドアを開けてくれない? |
Can you please open the door? | ぜひドアを開けてくれない? |
Could you open the door? | ドアを開けて頂けませんか? |
Would you open the door? | ドアを開けて頂けませんか? |
Could you please open the door? | ぜひドアを開けて頂けませんか? |
Would you please open the door? | ぜひドアを開けて頂けませんか? |
Do you mind opening the door? | ドアを開けてもらっても構いませんか? |
Would you mind opening the door? | ドアを開けて頂いても構いませんか? |
Could you possibly open the door? | 何とかドアを開けて頂けますでしょうか? |
can, could, will, would の違い
可能 | 意思 | |
---|---|---|
カジュアル | can | will |
丁寧 | could | would |
could と would は can と will の丁寧な表現です。
では、can / could と will / would の違いは何でしょう?
依頼文においてはほとんど違いがなく、どれもよく使います。
それぞれの単語の意味で比較すると、can / could は可能かどうかを聞いており、will / would は相手の意志を聞いています。
つまり will / would は口調によっては命令文になることがあります。
ちょっと静かにしてくれない?
急いでいただけますか?
また、will / wouldを使うときの
に注意しておきましょう。【依頼】写真を撮ってくれない(ませんか)?
【可能・許可】写真を撮ってもいい(ですか)?
× Will I take a photo?
× Would I take a photo?
丁寧すぎるのは良くないときもある
日本語のように動詞の形が変わるわけではないですが、これだけたくさんの言い回しがあると複雑に感じるので、
と質問を頂いたことがあります。しかし、それはお薦めしません。なぜなら英語の世界では、丁寧さよりもその人との距離のほうを重視するからです。
丁寧すぎる表現は場合によっては距離を感じてしまい、相手に寂しい思いをさせてしまう恐れがあるのです。
様々な表現を見直し、相手やシチュエーションに合わせて表現を使い分けられるようになれると良いですね。
今回の学習内容まとめ
- 英語のカジュアルな表現と丁寧な表現
- Could you~? と Would you~? はどちらを使っても問題ない
- Will you~? や Would you~? は口調によっては命令文になってしまう
- 丁寧であればあるほど良いわけではない
今回は英語のカジュアルな表現と丁寧な表現を比較してみました。
13レベルの文章をご紹介しましたが、英語の世界は日本ほどの縦社会ではないので、あまり細かく気にする必要はありません。
まずは基本の文章を
や が使えるようになったら、他の言い方も使うように心がけ、少しづつ表現を増やしていき、徐々に状況に合わせて使い分けられるようになれると良いですね。