みなさん、こんにちは!
カツオです。
あなたは、会社での悩みといえば何が思い浮かびますか?
ぼくは、人間関係です。
あなたの会社にもこんな人達はいませんか?
- 自分をまったく評価してくれない上司
- 何かと嫌味をいう先輩
- 思い通りに動いてくれない部下
- 媚を売るのだけは誰にも負けない、憎たらしい同僚
そんな彼らと仕事をしていると
「人間関係、もう疲れた・・・orz」
と、会社に行くのが辛くなりますよね。
でも、職場の人間関係がうまくいかないのは、あなたに原因があるのかもしれません!
あなたは、知らないあいだに自己欺瞞(じこぎまん)に陥って、相手を悪者に仕立て上げている可能性があります。
今回は、アービンジャー・インスティチュートの著書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』に沿って、自己欺瞞による人間関係のもつれと、改善方法を紹介したいと思います。
- 自己欺瞞とは、自分にウソをついて無理やり正当化すること
- 上司や部下に不満を抱くのは自分が「箱」の中にいるから
- できない自分を正当化すると「箱」に入ってしまう
- 「箱」に入った状態で相手を非難すると相手も「箱」に入ってしまう
- 相手のことを考えると「箱」から出られる
- 人間関係の向上は会社の業績アップにつながる
1. 自己欺瞞とは、自分にウソをついて無理やり正当化すること
自己欺瞞とは、自分で自分の心にウソをついて、自分が正しいと思おうとする心理のことをいいます。
たとえば、あなたはお母さんに「7時に起こして」とお願いして、目覚ましをかけずにベッドに入ったとします。
翌朝、あなたはぐっすり眠ってしまって、お母さんが起こしても起きませんでした。
結局寝坊して、会社に遅刻してしまいました。
さて、あなたならどう思いますか?
「なんでちゃんと起こしてくれなかったんだ!」
「お母さんのせいで遅刻しちゃったじゃないか!」
こんなふうに、お母さんのせいで遅刻したと思った人もいるのでは?
でも、よく考えてみてください。
悪いのは本当にお母さんでしょうか?
あなた自身は、朝きちんと起きるために最善を尽くしたでしょうか?
お母さんに頼んだとはいえ、朝寝坊して会社に遅刻したのは、あなたの責任です。
そしてあなたは心の中で、自分に責任があるとわかっていたはず。
あなたは自分が悪いとわかっていながら、無意識的にお母さんを悪者にして、「自分は悪くない」と思うように仕向けたのです。
つまり、自分の良心や本心に反しているとわかっていても、無理やり自分を正当化したということです。
これを自己欺瞞といいます。
そして本書では、この自己欺瞞に陥った状態を「箱の中」と表現して、箱の中の自分が原因でおこる人間関係のもつれについて解説しています。
箱の中に入ってしまったら自分だけの世界になって、周りが見えなくなりますよね?
これは自己欺瞞に陥っている人の状態とよく似ているのです。
2. 上司や部下に不満を抱くのは自分が「箱」の中にいるから
「上司からはいつも怒られるし、部下はついてきてくれない」
こんなふうに悩んでいる人も多いでしょう。
ではなぜこのような人間関係の悩みが生まれるのでしょうか。
あなた今までに次の2つの感情を抱いたことがありますか?
「ぼくは部下にしっかり指導してるつもりだよ。でも全然仕事が早くならないし失敗ばかりする」
もしこのように思ったことがあるなら、あなたは「箱」に入っている可能性があります。
この2つの気持ちを言いかえると、
「自分はちゃんとやってるのに、周りの人間がダメなんだ」
と言っているように感じます。
つまり、
「自分は正しくて、相手が悪いんだ」
と思っているということです。
「だって本当のことじゃないか!それの何がいけないの?」
と思った人もいるでしょう。
ここでぼくが言いたいのは、
「自分を正当化するために、相手を悪者として見ていないか?」
ということ。
たとえば、部下の行動に対して、なんでこの行動に出たのか、何が失敗につながっているのかとじっくり考えたことはありますか?
「そこまで考えていなかった」と思ったあなたは、自分ばかりに目がいって、相手のことがきちんと見えていないかもしれません。
つまり、あなたは「箱」の中にいるのです。
3. できない自分を正当化すると「箱」に入ってしまう
では、あなたはなぜ「箱」に入ってしまったのでしょうか。
あなたは部下を持ったとき、どうしなければいけないと思いましたか?
もちろん、部下を立派に育てなければならないと思いますよね。
だからあなたは、部下の指導に励みます。
でも部下の面倒を見ることだけが仕事じゃありません。
他にもたくさんの業務を抱えているはずです。
しかも、自分の実績につながる大事な仕事を。
自分の仕事で頭がいっぱいのあなたは、部下の指導に時間を取りたくないと思うようになります。
だから大事な業務で忙しいときに部下が質問をしてくると、鬱陶しく感じ、対応が雑になったり後回しにしたりします。
部下が困っているのを気づいていたにも関わらず、忙しさを理由に見て見ぬフリをしたことがある人も多いのではないでしょうか?
この時点で、あなたは自分の大事な時間を削って、できるかぎり部下を教育しているつもりになっています。
でも部下は思うように伸びてくれません。
「なんでこんな簡単なこともできないんだ?」
と部下に対する不満が出てきます。
仕事ができない部下に納得できないあなたは、部下の管理がきちんとできていないことを棚に上げて、自分を正当化しはじめるのです。
「部下が仕事ができないのは、自分のせいじゃなくて部下のせいだ」
このようにして自己欺瞞に陥る、つまり「箱」の中に入ってしまったのです。
「箱」の中のあなたは、部下に対して
「何度言っても失敗するダメなやつ」
「あいつは努力が足りない」
このような感情を抱くようになり、あなたにとって部下は「厄介なお荷物」にしか感じられなくなってしまったのです。
4. 「箱」に入った状態で相手を非難すると相手も「箱」に入ってしまう
「箱」の中にいるあなたは、相手のことが見えていない状態です。
そんなあなたから非難を受けた部下は、
「ぼくのこと何もわかってないのに、なんで非難されなければならないんだ!」
という気持ちになってしまうのです。
非難されたことに納得できない部下は、自分を正当化するために「箱」に入ってしまいます。
そして、お互いが自分を正当化するために相手を悪者にしてしまうのです。
実際にあなたの部下も「箱」に入っていて、あなたのことを悪者だと思っているかもしれません。
「ぼくは結果を出そうと努力しているのに、上司は全然評価してくれない」
というふうに。
さて、このセリフどこかで見たことがありませんか?
そう、これはさっきあなたが上司に対して抱いていた感情とまったく同じセリフ。
つまり、あなたとあなたの上司も箱に入った状態であるということです。
5. 相手のことを考えると「箱」から出られる
「箱が原因なら、その箱から出れば関係を改善することができるってこと?」
はい、そのとおりです。
では、どうすれば「箱」から出ることができるのでしょうか?
これが、箱から脱出する方法です。
「え?考えるだけ?」
と思いますよね。
じつは、「箱」から出るために何か行動を起こすではないのです。
相手のためになることを考えた時点で、あなたは箱の外に出ています。
そして相手のために行動することができます。
たとえば部下に注意するにしても、相手が見えていない状態で注意するのと、相手のことを考えて注意するのとでは、「注意する」という行動は同じだけど内容が自然と変わってくるはずです。
考え方しだいで自然と箱の外に出られるということですね。
では、相手の「箱」をはずすにはどうすればよいのでしょうか?
もちろん、あなたが直接相手の「箱」をつかんでポイっとはずすことはできません。
一番望ましいのは、この「箱」の概念を会社全体で共有すること。
そうすれば一人ひとりが相手を思って行動するようになり、会社全体の人間関係が向上します。
そしてこれは、社員のストレスを改善することにもつながります。
「平成24年厚生労働省労働者健康状況調査仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスの有無及び内容別労働者割合」によると、ストレスを感じる労働者の中でストレスを感じる事柄の内容として「職場の人間関係の問題」が41%で最も多いという結果が出ました。
つまり、人間関係の問題が解消することで、ストレスが減る人が多くいるということですね。
6. 人間関係の向上は会社の業績アップにつながる
もう一度「箱」について考えてみましょう。
箱の中にいると、自分しか見えなくなって、相手を悪者にしてしまいます。
また、箱の中では、自分のことしか考えられなくなります。
そうなると、会社全体の業績よりも、自分への評価が一番大切だと思うようになるのです。
すると、頭の中が自分の評価のことでいっぱいになって、業務に集中できなくなってしまいます。
つまり、業務に支障が出てしまうということですね。
時には、仕事ができる同僚に嫉妬したりして、
「たまたま運がいいだけで本当はなにもできない」
「すぐ調子に乗る」
と自分に都合のよいように相手を見るようになります。
そして、「箱」に入った状態で相手を非難すると、相手もまた箱に入ってしまうという悪循環が生じます。
最悪の場合、自分の立場を守るために社内で派閥ができて、相手を陥れるようなことも起きてしまうのです。
会社が実績を上げるためには、社員全体が協力しなければならないのに、これでは話にならないですよね。
だから「箱」の概念を会社全体で共有して、社員一人ひとりが「箱」の外にいることで、業務に集中できるようになり、会社の業績アップにつながるというわけです。
「箱」に入っていることを知るのが人間関係改善の第一歩
- 人間関係がうまくいかないのは、自己欺瞞という「箱」が原因
- 自己欺瞞とは、自分の本心に反しているとわかっていても、無理やり自分を正当化すること
- 自分を正当化するために、相手を悪者にしてしまう
- 「箱」に入った状態で相手を非難すると、相手も「箱」に入ってしまう
- 相手のためになることを考えると「箱」から脱出できる
- 「箱」の概念を会社全体で共有すると業績アップにつながる
最後に本書に出てくる大切なアドバイスを紹介します。
これを知ったからといって、箱の外に出られるわけじゃない。
知るだけでなく、それに即して生きなくてはならない。
今まで学んだことを他人に当てはめて、他人を評価しているあいだは、学んだことに即して生きているとはいえない。
他人の箱を見つけようとしたり、他人のまちがったところに注目するのではなく、自分自身が箱の外に留まるよう努力し、他人を手助けすることが大切なのだということを覚えておきましょう。