突然ですが、あなたは目標を持っていますか?
「営業トップになりたい!」
「会社の経営で成功したい!」
このように、ビジネスにおいての目標を掲げている方も多いでしょう。ですが、
「自分なりに努力はしているつもりだけど、うまくいかない。」
「決意してすぐはがんばってたけど、最近は怠け気味」
という方も多いはず。
実は、目的を達成させるには、技術が必要なのです。
そんな技術を教えてくれるのが、青木仁志氏の著書『目標達成の技術』です。
今回は、『目標達成の技術』に沿って、目標達成できない原因と成功するための10原則を紹介します。
- 目標達成できない原因「成功の10の障害」
- 目標達成「失敗のサイクル」と「成功のサイクル」
- 目標達成を実現させる「グランドルール」
- 目標達成を導く「成功の10原則」
【まとめ】目標達成を助けてくれる心強い一冊
1. 目標達成できない原因「成功の10の障害」
目標に向かって努力をしているにも関わらず、目標が達成できなかたり、周りから認めてもらえないことがあります。
「努力しているのに、なぜ目標達成ができないのかがわからない」
このように感じている人も多いのではないでしょうか?
著者は、目標達成ができない原因を次のように述べています。
どんなに考えても、原因がどこにあるのかわからないーこうした悩みは自分自身の根底となる心構えに問題があります。
そして、目標達成を妨げる内的要因を、「成功の10の障害」として詳しく紹介しています。
成功の10の障害
1. セルフコントロールができない
自分の意識と行動を一致させることができないと目標達成が難しくなります。
思考があれこれ気移りしているため、優先順位がつけられず、その時したいことをしてしまうのです。
今自分にとって何が一番大切なのかを考えて行動するという習慣をつけることが必要です。
2. 自己概念が低い
「自己概念」とは、自分が自分に対して抱いている考えのことを言います。
自分のことを嫌いだと思っている人は、自己概念が低いです。
自己概念が低いと、自分を低く見るようになり、「頑張ってもムダだ」と思い込んで成長できなくなってしまいます。
自分はこうなりたいというイメージを大切にし、自己愛や自尊心と常に向き合う事が大切です。
3. 欲求充足の方法がわかっていない
人は満たされていないと、現実から逃れるために快楽を選ぼうとします。
ときには、賭博や麻薬といった非合法なことに手をつける人もいますし、宗教や酒に身を委ねてしまう人もいます。
また、能力が高く、真面目な人ほど完ぺきをを求める傾向があり、欲求充足の基準が高くなりがち。
周囲にいる人にも同じレベルを求めるあまり、部下に強くあたったり妻に不満をぶつけたりしてしまうのです。
人になにかを求めるのではなく、家族や部下と素直に話し合うという姿勢を忘れてはいけません。
4. 意思決定能力の不足
成功する人は目標や目的が明確で、自分の目標に効果的な行動かどうかを判断基準として意思決定をしています。
自分の目標に効果的かどうかではなく、自分にとって楽な方を選んでいては目標達成に近づくことはできません。
5. 問題解決能力の不足
困難にぶつかると、どうしたらいいのかわからなくなってしまう人がいます。
逃げ道だけを探し続ける人も多く、そのような人は
「どうすれば解決できるのか」ではなく、「できない理由」を完ぺきに考えるのです。
これでは、いつまでたっても先へは進めません。
困難にぶち当たったら、できない理由を並べて回避するのではなく、一度立ち止まって解決方法を見つけるという姿勢が大切です。
6. パワーパートナーがいない
損得を基準として人と付き合っている人に人脈はできません。
相手のためにすることが、自分のためになるという意識を持って人と接すると、自然と信頼関係が生まれ、パワーパートナーとなるのです。
ひとりでは達成できないことも、周囲の助けがあれば達成できることもあります。
もちろん、助けてもらったときは、心から感謝することを忘れてはいけません。
7. 言い訳のくせ
言い訳をすることで、自己正当化をします。
よく使われる言い訳は次の通りです。
- 忙しすぎて時間が無い
- 何かを始めるには年をとりすぎてしまった
- わたしなりに精一杯がんばりました
- お金がないからできない
言い訳を盾に今までやってこなかったことは、言い訳をやめればできるはず。
目標を決めて、どうすれば目標を達成できるのか、やるべきことを考えて実行すれば目標達成につながります。
8. 勉強不足
専門知識がないと、目標達成の障害になります。
自分が関わっている業界についても、実はあまり良く知らないという人は少なくありません。
9. エネルギー不足
願望が曖昧で、熱意に欠けると活力がなくなり力を十分に発揮できなくなります。
また、身体的、精神的にも健康でなければ目標達成に向かってスムーズに進むことができません。
睡眠不足、偏った食事、運動不足を解消することも目標達成の重要項目だと意識しましょう。
10.怠惰・ルーズ
本当に追求しなければならないことをいい加減に済ませてしまう場合があります。
たとえば、プレゼンテーションの準備をいい加減にしている人は成果は出せません。
顧客のことをよく調べずにセールスをしても、同じく成果は望めないのです。
2. 目標達成「失敗のサイクル」と「成功のサイクル」
前項で説明した「成功の10の障害」は、それぞれ繋がって「失敗のサイクル」となり悪循環に陥ってしまいます。
これでは、目標達成は愚か、目標すら失ってしまうことになります。
一方、「成功のサイクル」というのもあります。
自分がやるべきことが明確な人は、自分で目標を設定し行動することができます。
目標が達成されると、自信となってさらなる目標に向かって進むようになります。
3. 目標達成を実現させる「グランドルール」
グランドルールとは、成功は自分から始まり、他人への貢献によって完結するというものです。
グランドルールの具体的な内容は「能力開発の5段階」と「代償と報酬の原理」の2つに分けて説明します。
能力開発の5段階
能力の開発は段階があり、レベル1からレベル5まであります。
レベル1:知識-知っただけで知ったつもりになって満足しない
レベル2:理解-わからないことをわからないままにしない
レベル3、4:実践・習得-できないことをできないままにしないで、できるようになるまでおこなう
レベル5:貢献-自分ができるようになったら、自分だけのものにせずまわりの人に分かち合う
レベル1:知識
まずは情報や知識を知る段階。
ただ単に知って終わりでははく、知った事を実践したり、自分なりに探求することで自分のモノにしていくことが大切です。
レベル2:理解
「こんなことも知らないのかと思われたら嫌だ・・・」
という変なプライドから、理解できない点があっても質問できないという人がいます。
ですが、知らないことをそのままにしていては先に進むことはできません。
会社の上司や友人、家族、自分よりも若い人などと常にコミュニケーションをとり、理解を深める努力が必要です。
レベル3、4:実践・習得
- 毎日5時に起きる
- 月に本を最低10冊読む
- 毎日日記をつける
など、新たな目標を設定し、実践します。
最初は張り切って実践していくのですが、モチベーションを継続させることは難しいです。
実践のコツは、自然とできるようになるまで、つまり歯を磨くのと同じように習慣化するまで続けること。
レベル5:貢献
自分が新しい技術を身に着けたら、今度は周りの人と共有しましょう。
自分が良いと感じたものは、できるだけ多くの人に伝える姿勢が大切です。
他人に教えることで、自分を超えられることを恐れるようでは、人間的な成長は望めません。
奉仕の論理で行動する気持ちを忘れないようにしましょう。
レベル3,4は知識として得たことを実践していくための技術を習得してく段階。
レベル5は知識と技術を総合して、人にも貢献していける「人格のレベル」での実践。
代価と報酬の原理
目標を達成するために、本を読んだり、セミナーに出かけたり、通信教育を受けるなど積極的に自己投資をすることが重要です。
求めるものに対して正当な代価の先払いをすることは、自分の未来に対して積極的に先払いするのと同じことと考えましょう。
グランドルールを踏まえた成功者の特徴
グランドルールを踏まえて成功した人の特徴を、「知識(ナレッジ)」「技術(スキル)」「観点(マインド)」の3つの点で紹介しています。
成功した人の特徴に自分がどれだけあてはまるのか、何が欠けているのかを確認してみましょう。
知識(ナレッジ)
5つの基本的欲求に沿った5つの分野において、優れています。
- 健康
- 心理学(人間学)
- 職業
- お金
- 趣味・教養
技術(スキル)
目的を達成できる人は、次の7つの技術を体得しています。
- 優先順位
優先順位を決めて、目標に向かって最優先のテーマを実行する。(プライオリティマネジメントスキル) - 意志の疎通
相手を理解し、自分の考えを相手に伝えることができる能力。(コミュニケーションスキル) - 人間管理
どんな人とも友好的に接することができる。(ヒューマンリレーションスキル) - 時間管理
時間を有効的に使って行動する能力。(タイムマネジメントスキル) - 交渉力
交渉によって、自分以外の人の力を得て、自分の目標を達成する。(ネゴシエーションスキル) - 意思決定
目標達成のために効果的な意思決定ができる。(ディシジョンメイキングスキル) - 管理能力
他の人々の協力を得て、組織的に目標を達成する。(マネジメントスキル)
観点(マインド)
物事の見方や考え方は、目標を達成できるかどうかにおいてとても大きな影響があると考えられます。
- ものごとを肯定的に捉えるか否定的にとらえるか
- 多くの人に支えられているからこそ成功できるという考え方
- 自己愛から隣人愛への移行(誰かに力を貸す)
4. 目標達成を導く「成功の10原則」
グランドルールの精神のもと、次の「成功の10原則」を実行することで、目標達成を実現させます。
成功の10の原則
1. あらゆる事柄に目標を設定し、計画的に生きる(優先順位を守る)
自分の願望を明確にし、それを実現させるために具体的な行動計画を立てて実行します。
たとえば、体重10kg落とすという目標を設定したら、それに向けて運動や食事管理を計画的に行うということです。
2. セルフコントロール能力の取得
セルフコントロール能力とは、目標に焦点を合わせる能力と、最優先の事柄に集中できる能力のことを言います。
コントロールの領域は5つです。
- 自分ではコントロールできると思っていて、実際にはコントロールできない領域
- 自分ではコントロールできると思っていて、実際にはコントロールしていない領域
- 自分ではコントロールできると思っていて、実際にコントロールできる領域
- 自分ではコントロールできないと思っていて、実際にはコントロールできる領域
- 自分ではコントロールできないと思っていて、実際にコントロールできない領域
まず、自分がコントロールできることとできないことを区別していきます。
コントロールできることに焦点をあわせ、それに全力で取り組むのです。
さらに実力をつけるためには、コントロールする領域を増やす必要があります。
コントロールできそうな領域をコントロールする領域に入れる、つまり、2と4を3の領域に入れて物事に取り組むことで、効率よく目標を達成させるというわけです。
3. 成功者としての自己概念を形成する
「自分は必ず成功できるんだ」と自分に言い聞かせましょう。
できないと思っている人は、周りの人ができると言っても、できないことを証明しようとします。
できると思っている人は、まわりの人ができないと言っても、できることを証明するようになるのです。
著者は、全財産が数千円だったときでも毎日鏡に向かって「お前はセールスの天才だ!」と言い続けることで、「セールスの天才だったらどう動くのか?」という意識に変わったといいます。
できると思うことで行動に変化が生まれ、目標達成へとつながるというわけです。
4. 心の法則を使う
心の法則には、「信念の法則」「期待の法則」「因果の法則」「習慣の法則」があり、それぞれの作用を理解することが大切です。
- 信念の法則
周りに反対されても、明確な目的があり、達成するために必要なことだと貫き通せば成果はでる。 - 期待の法則
今は辛い状況だったとしても、将来の明確な目標があれば耐えられる。 - 因果の法則
人同士の関係は目標達成においてとても重要。
人は内的世界にあるもの(自分の願望)しか関心がないので、その願望を満たせるような自分になることで良い関係をつくっていく必要がある。 - 習慣の法則
習慣は第二の天性なり。
目標達成のためにするべきことを毎日行い習慣化することで良い結果を生み出す。
5. パワーパートナーの協力を得る能力
本書では、「パワーパートナー」とは次のような人だと述べています。
あなたが成功させたい人でその人の成功があなたの成功になる人。
たとえば、あなたがリーダーとなってチームでプロジェクトを進めている場合、チームのメンバーがぞれぞれ目標達成し成功させたチームと、リーダーであるあなたがひとりだけ頑張ったチームとでは、前者の方が成果が出るというのは理解できるはずです。
配偶者や会社の人、取引先の人などその人が成功することで自分の成功につながるのであれば、全力でサポートしましょう。
パワーパートナーを作るためには、なによりも信頼関係を築くことが大切です。
常にパワーパートナーの立場に立ってサポートを続けましょう。
6. 専門能力を開発し、真のプロフェッショナルになる
専門能力を開発するとは、一つの成果が出るまで、その道を徹底的に極めるということを言います。
すぐに諦めて別のことを始めるようでは、専門性は極めることができません。
また、日頃から本やセミナー、業界人との情報交換を通じて情報収集することも忘れないようにしましょう。
7. 過去志向型から未来志向型への変革
今は辛くても、継続して達成経験を積み上げていけば、つらい時期は通り過ぎ目標達成できます。
どんなに嫌なことがっても、未来につながる経験だと前向きにとらえましょう。
8. 一生学び続ける
常に向上心を持ち続け、学ぶ姿勢を忘れてはいけません。
注意する点は、社会に有益であり、自分やパワーパートナーの成功に寄与するものでなくては、学ぶ意味はなくなってしまうという点です。
9. 健康管理を徹底し、エネルギッシュに生きる
目標達成のために一生懸命努力するのは良いことですが、体を壊してしまっては意味がありません。
規則正しい食生活と、適度な運動で健康を保ちましょう。
10. 実践主義に徹する
目標は頭の中で描くだけでは達成できません。
必ず実践することが必要です。
実践するにあたって大切なのが、「80:20セオリー」。
「優先事項の20%によって80%の成果が生み出される」という意味です。
たとえばセールスの仕事において考えてみると、見込み客の開拓やプレゼンテーション、フォローアップが優先事項の20%にあたり、その他の雑務や会議は非優先事項となります。
つまり、見込み客の開拓やプレゼンテーションに時間をかけて、その他の雑務はできるだけ短時間で済ますことがもっとも成果が出やすい実践方法であるといえます。
【まとめ】目標達成を後押ししてくれる心強い一冊
「目標達成の技術」は、なりたい自分がいるのになかなか実現できないと悩んでいる方におすすめしたい一冊です。
「明確な目標が見つかったから、計画的に達成していきたい」と思っている方にも有効に使っていただける本だと思います。
行事計画表などもついているので、自分だけの目標達成本をつくることができます。
目標を見失いそうな時や、怠けてしまいそうなときに繰り返し読むとより効果的です。