みなさんこんにちは!カツオです。
読解力をつけようと思い、読書の本をあれこれ探していたのですが・・・。
読解力の本が多過ぎて、どれを選べばよいかわからない!!
そんなときに見つけたのが、M.J.アドラー、C.V.ドーレンの著書『本を読む本』 (講談社学術文庫)。
1940年に米国で刊行され、世界中で翻訳されており、読書術の古典的名書といわれています。
購入者の口コミを見ると、評価も高かったので「これは!」と思い、購入しました。
ですが、ひとつ不安なことが・・・。
口コミのなかに、「この本が難しくて内容が理解できない」という人が何人かいたのです。
読解力は並程度と自負しているぼくが、実際に読んだ感想としては、
「使われている言葉は難しくないけど、なんか複雑でわかりづらい・・・」
という印象でした。
そこで、今回は『本を読む本』で紹介されている読書術を、わかりやすくまとめてみました!
内容が多くなってしまうので、前編と後編に分けて紹介したいと思います。
もっと読解力を伸ばしたいという方、もしくはお子さんの読解力を伸ばしたいお父さん、お母さんのお手伝いができると幸いです。
- 読書の力(読解力)を積極的に伸ばしたい人向けの本
- 読解力を段階的につける!4つの読書レベル
- 第一レベル「初級読書」学校教育で身につける読解力
- 第二レベル「点検読書」下読みと表面読みで、効率的に情報を得るスピード読解力
- 初級読書と点検読書をマスターするだけでも読解力アップ
1. 読書の力(読解力)を積極的に伸ばしたい人向けの本
まず知っておかなければいけないことは、『本を読む本』を読むだけで誰でも読解力がつくというわけではない、ということです。
冒頭部分には次のような記述があります。
『本を読む本』は、読むに値する良書を、知的かつ積極的に読むための規則を述べたものであります。
つまり、内容が深い本を積極的に理解しようとする人に向けたスキルを紹介しているのです。
そして、この本に紹介されている読書法を積極的に実践しなければ、読解力を伸ばすことはできません。
2. 読解力を段階的につける!4つの読書レベル
- 第一レベル 初級読書
- 第二レベル 点検読書
- 第三レベル 分析読書
- 第四レベル シントピカル読書
各レベルでやることは異なりますが、次のレベルに進むためにはそれより下のレベルのスキルを身につけておかねければなりません。
第一レベルの「初級読書」は、小学生から10代前半までの子供がつけるべき読解力の段階です。
中学校卒業までにつけておきたいスキルなのですが、現実は高校就学までに習得できない人が多いといいます。
読解力のベースとなる初期読書が身についていないと、次の段階に行くことができません。
第二レベルの「点検読書」は、中学卒業前に身につけたいスキル。
1冊を最初からじっくり読むのではなく、限られた時間内でできるだけ多くの情報をつかむことが目標です。
第三レベルの「分析読書」では本格的に本の内容を分析していきます。
最後の第四レベルでは、「シントピカル読書」でさらなる理解を深めていきます。
それでは、それぞれのレベルについて詳しく見てみましょう。
前編の今回は、第一レベル「初級読書」と第二レベル「点検読書」について解説します。
3. 第一レベル「初級読書」学校教育で身につける読解力
基本的には、学校で勉強することによって身につくスキルだと思ってください。
初級読書は、4つの段階分かれてスキルアップしていきます。
読みかた準備期(6~7歳まで)
早い段階から読解力をつけようと、この時期からお子さんに本を読ませようとする人もいるかもしれませんが、それは禁物。
この時期は、まだ準備が完全にできていない段階です。
ここで無理やり読み方を教え込むと、読書嫌いになる可能性があります。
子供の発達状態に合わせて読み方を教えるようにしましょう。
第二段階(小学校1年生まで)
学校の授業では、文脈をたどること、筋道をつかむこと、言葉集めをすることなど基本的な技術の訓練を受けます。
ちなみに日本の小学生は1年生で80字の漢字を習うことになっており、漢字の読み方も練習しはじめる時期です。
この時期を終えると子供は一人で簡単な本が読めるようになります。
第三段階(小学校2年生~小学校4年生まで)
また、学校の国語の本だけでなく、自分で好きな本を選んで、ひとりで読書をするお子さんも出てきます。
本が好きだというお子さんは、この時期に読書の習慣が身につくのでしょう。
ここまでは、学校に通っていればだれでも身につく能力と考えられます。
第四段階(10代のはじめ~中学校卒まで)
第四段階は、自らが読書に対して積極的になる姿勢が必要になります。
第四段階は、読書体験を自分のものにする時期です。たとえば、
- ひとつの作品から得た概念を消化し、次の書物を読む
- ひとつの主題について、複数の著者の本を読み、比較することができる
といったように、読書に対して「もっと知りたい!」と意欲的な姿勢を身につけるのが目標となっています。
ここまでが、著者が理想とする高校就学までに身につけておきたい読解力です。
さて、あなたは小学生や中学生のころ、これくらい積極的に読書をしていたでしょうか?
もしくは、現在本を読むときこれほど積極的に読書をしているでしょうか?
「そうでない」と答えた人は、まず初級読書から身につける必要があります。
4. 第二レベル「点検読書」下読みと表面読みで、効率的に情報を得るスピード読解力
第二レベルは「点検読書」です。
点検読書とは一冊の本を全部読むのではなく、限られた時間のなかで、より多くの情報を引き出すことを目的としています。
ですから、あまり時間をかけて行う作業ではありません。
点検読書の方法は2つあります。
点検読書1 下読み
ある本について、本当に入念に読むべきかを調べるために「下読み」をします。
点検読書の下読みとは、重要なポイントを絞ってそこだけを読むということ。
下読みをすることによって、2回目に読んだときに、より理解が深まりますし、初めから入念に読むよりも時間が節約できます。
それでは、下読みの6つの手順を見てみましょう。
◆下読みの手順
- 本の主題を知るために、表題や序文を見る
タイトルやサブタイトルなど、その本の目的や取り扱う範囲、著者の考えかたを示すものを確認する。 - 本の構造を知るために、目次を調べる
本の著者は、読者に本の中身をわかりやすく伝えるために、もしくは興味を引くように時間をかけて目次を作っている。
目次を読むことで、本全体の大まかな内容を把握することができる。
あらゆる読解力の本にも書かれていることだが、実際にはやらない人が多い(ぼくも含めて)。 - 重要語句を知るために、索引を調べる
索引がある本は、索引で題目、範囲、引用文献を簡単に調べる。
索引に出ている重要な専門語は、該当ページをいくつか開いて読んでみる。
ことばの重要度は、予めタイトルや目次を見て判断する。
また、参照ページの多いことばについては重要度が高いと判断できる。 - 本の論点を知るために、カバーに書いてある謳い文句を読む
著者はこの部分で自分の本の論点をできるだけ正確に要約していることもあるので、必ず読む必要がある。 - 議論の要と思われるいくつかの章をよく読む
議論の重要部分と思われる章のはじめや終わりには要約がついていることがあるので、それを読む。 - 要点を逃さないよう、ところどころ拾い読みをする
ところどころ飛ばしながら本全体を読む。
読む部分は1~2段落ずつ、長くても2~3ページずつくらい読めばよい。
最後の2~3ページは、主張の要約が書かれていることが多いので、必ず読むようにする。
点検読書2 表面読み
「表面読み」は、すぐに理解できな箇所があっても、考えたり調べたりせずとにかく読み進めることをいいます。
脚注、注解、引用文献も参照しません。
初見であれこれ調べるよりも、最初はサラッと読んで、あとから再読する方が理解が深まるという考え方です。
点検読書1を先にしておけば、表面読みのスピードもアップ。
点検読書1、2で内容が十分理解できれば、その本はここで終わりにしてもかまいません。
点検読書の技術をマスターすれば、短い時間で効率よく本の内容を読み取ることができるというスピード読解力が身につくはずです。
点検読書をした結果、まだまだ読み込む必要があると判断したら、次の第三レベル「分析読書」へと進んで行きましょう。
5. 初級読書と点検読書をマスターするだけでも読解力アップ
ここまで、初級読書と点検読書の説明をしてきました。
かなり複雑な本でなければ、点検読書を実践すれば十分理解が深まると思います。
さらに、点検読書をするだけで、読書時間の短縮になるというのも忙しい人にとっては嬉しいメリットですよね。
初級読書と点検読書を実践して、読解力を身につけましょう。
次回は、読解力をつける4つの読書レベル後編「分解読書」と「シントピカル読書」について解説します。