説得したいなら伝え方を学べ! 人の心を動かす言葉の伝え方

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伝え方が9割
みなさん、こんにちは!
カツオです。

こうやって文章を書いたり、ツイッターをしていると、

「人の心に響く文はどうやったら書けるのだろう?」
「もっと上手な伝え方はできないものか・・・」

と悩むことが多くなりました。

そこで手に取ったのが、コピーライター佐々木圭一氏の著書『伝え方が9割』

帯にはこのように書かれています。

この本で学べば、あなたのコトバが一瞬で強くなり、人生が変わります

「人生が変わる!?」

半信半疑で読んだのですが、読んで納得。

人の心を動かす言葉の伝え方というのが存在して、それを身につければ、会社でもコミュニケーションがうまくいくし、SNSやブログでおもしろい文が書けるようになるということがわかりました。

今回は『伝え方が9割』の内容に沿って人の心を動かす言葉の伝え方を紹介したいと思います。

目次

  1. 人の心を動かす言葉の伝え方とは
  2. 「ノー」を「イエス」に変える技術3つの基本ステップ
  3. お願いの言葉を作るときの7つの切り口
  4. 「強いコトバ」をつくる技術
  5. 就活にも役に立つ!人の心を動かす言葉の伝え方

1. 人の心を動かす言葉の伝え方とは

あなたは企画書を作成中ですが、どうも期限までにできそうもありません。
そんなとき、あなたならどうしますか?

「すみません。がんばったんですけど期限までにできなさそうです。もう少し時間をください。」

と正直に言う人もいるでしょう。

でも頼んだ人にとって、あなたのがんばりなんて大事なことではありません。

だから頼んだ人は、あなたの申し出を不満に思い、嫌味を言ったり、時間をくれなかったりするかもしれません。

では、こんなふうに言ってみてはいかがでしょう?

「すみません。もっと良い企画を作りたいのでもう少し時間をいただけませんか?」

先ほどと少し印象が変わりましたね。

前者は自分のがんばりをアピールしたのに対して、後者は「もっと良いものを作りたい」という気持ちを含んだ伝え方です。

頼んだ人にとって、良い企画が出来上がるのはメリットになります。

だから、前者に比べて不満を感じず、気持ちよく期限を延ばしてくれるかもしれません。

ここでもう一度、2つの言葉を比べてみましょう。

「すみません。がんばったんですけど期限までにできなさそうです。もう少し時間をください。」

「すみません。もっと良い企画を作りたいのでもう少し時間をいただけませんか?」

伝え方は違うけど、結局はどちらも「企画書を書くために時間をください」という内容ということに気が付きましたか?

つまり、同じ内容でも伝え方次第で、相手の感じ方や行動に違いが出てくるというわけです。

「でもそんな上手に言葉を選ぶことなんてできないよ!」

と思った人も多いのでは?

実は、上手な伝え方は簡単な技術さえ身につければ、だれでも実践することができるのです。

『伝え方が9割』を読めば、相手に「イエス」をもらえるような言葉の伝え方や、相手の気分を害さない言葉の選び方、相手の心に印象が深く残ったり、興味をそそるような表現を学ぶことができます。

2. 「ノー」を「イエス」に変える技術3つの基本ステップ

『伝え方が9割』には、大きく分けて2つの技術について書かれています。

「ノー」を「イエス」に変える技術と、「強いコトバ」をつくる技術です。

まずは、「ノー」を「イエス」に変える技術について見てみましょう。

これは、会社の同僚や友人、家族の誰かにお願いをするときに「イエス」の答えがもらえる言葉の伝え方の技術です。

最初に、「ノー」を「イエス」に変える技術の3つのステップを覚えておきます。

ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ステップ2 相手の頭の中を想像する
ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる

それでは、各ステップについて詳しく、見ていきましょう。

ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
自分の頭の中に浮かんだ言葉をそのまま口に出すということは、自分の求めることをストレートに言うということ。

つまり、相手の考えや思いは含まれていないということです。

自分の要求をそのまま伝えていたことが相手に受け入れてもらえない原因だったのですね。

ステップ2 相手の頭の中を想像する
相手に受け入れてもらうためには、まず相手の頭の中を想像してみましょう。

相手の好きなもの、嫌いなもの、性格などの情報を思い出してみてください。

ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる
相手の好きなもの、嫌いなもの、性格から相手のメリットになるような言葉を考えていきます。

大切なのは、相手の目線で言葉を考えることです。

3. お願いの言葉を作るときの7つの切り口

3つのステップに従って言葉を作れば良いのですが、いざ考えると言葉が思い浮かばないですよね。

そこで、お願いの言葉を作るときの7つの切り口が紹介されています。

ちなみに例文は、ぼくが本書に従って作ってみたものです。

「イエス」に変える7つの切り口
①相手の好きなこと
②嫌いなこと回避
③選択の自由
④認められたい欲
⑤あなた限定
⑥チームワーク化
⑦感謝

①相手の好きなこと

「イエス」の答えをもらう最も基本的な考え方です。

例えば、好きな人をデートに誘うとき、

「カオリちゃん、ぼくとデートしてください。」

とストレートに言うと、デートするメリットは自分にしかありません。

でも、

「カオリちゃん、おいしいケーキ食べに行かない?」

と誘うと、ケーキ好きの彼女は「おいしいケーキが食べられる!」とメリットを感じて
「イエス」という可能性が高くなります。

②嫌いなこと回避

あえて相手が嫌いなことから言葉を作ります。

横断歩道のない道路を渡る人が多いので、注意書きの看板を設置しようとしたときに

「ここを渡らないでください」

ではなく、

「ここは東京都で最も人身事故が多い場所です」

と書いて、事故に遭いたくなければ、ちゃんと横断歩道のあるところで渡りましょうという切り口で伝えます。

③選択の自由

人は「決定」をするよりも、比較の方が負担が少ないから答えやすいのだそうです。
また、相手がどちらを選んでも自分の目的は達成できるというメリットがあります。

「ハヤカワさん、今度の日曜日遊びに行かない?」

よりも、

「ハヤカワさん、今度の日曜日映画を見に行くか、水族館に行くかどっちがいい?」

の方が、答えやすいということです。

④認められたい欲

人間のDNAには「認められたい欲」が組み込まれていて、それを満たすためにちょっとくらい面倒なことでもやろうと思うのです。

この「認められたい欲」が満たされるような言葉を選ぶことで、多少面倒なことでもお願いを聞いてくれる可能性が高くなります。

「穴子くん、明日の会議の資料作ってくれない?」

と言うよりも、

「穴子くんが作ってくれる資料が一番見やすくて助かるんだ。お願いしてもいいかな?」

のほうが、引き受けてくれる可能性が高いです。

⑤あなた限定

相手が寂しがり屋だったり、かまってほしい性格だったりすると有効な伝え方。
「あなたが必要なんだ!」という気持ちを言葉で伝えましょう。

「取引先との食事会に出席してくれないか。」

と言うよりも、

「中島くんにだけは、食事会に出席してほしい。」

と名前を使って伝える方が、心に響きやすい。

⑥チームワーク化

相手が面倒くさがっていると感じるときは、すべてを任せるのではなく「いっしょにやろう」とチームワーク化するのが効果的。

特に子供になにかさせたいときはこの方法がオススメです。

「たらちゃん、おもちゃを片付けなさい!」

ではなく、

「たらちゃん、いっしょにおもちゃを片付けよう。」

の方が動いてくれる可能性があります。

ただし、自分も動かなくてはいけません。

⑦感謝

著者いわく、最終手段にして最大の方法がこの「感謝」。
人は感謝を言われると「ノー」と言いにくいのだと言います。

代表的なものが、本書でも紹介されているトイレの張り紙です。

「トイレをキレイに使ってください。」

ではなく、

「いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます。」

となっているお店やコンビニがたくさんあります。

ただお客さんにお礼を言っているのではなく、「キレイに使ってね」というお願いが含まれていたなんて気がつきませんでした!

また、感謝の伝え方は会社でも活用できます。

「フグ田くん、今回も新人教育よろしく。」

よりも、

「フグ田くんいつもありがとう。今回も新人教育お願いしてもいいかな?」

と言う方が「ノー」と言いにくくなります。

さて、7つの切り口を見て、あなたはどう思いましたか?

「思ったよりも簡単そうだ」

と感じた人も多いのではないでしょうか。

ではここで、「ノー」から「イエス」になる仕組みをおさらいしておきましょう。

「ノー」から「イエス」になる仕組み

  • ぼくの目的はカオリちゃんとデートすること。
  • 「ぼくとデートしてください」というと、「ノー」の答えが返ってくるかもしれない。
  • カオリちゃんの好きなものを考える。→カオリちゃんはケーキが好き。
  • 「カオリちゃん、おいしいケーキ食べに行かない?」と誘う。
  • カオリちゃんはメリットを感じて「イエス」という可能性が高くなる
  • カオリちゃんは、ただケーキを食べに行くだけと思っているが、結局デートには変わりないので、ぼくの目的は達成される。

4. 「強いコトバ」をつくる技術

あなたは、SNSやブログを運営していますか?

もし運営しているなら、「強いコトバ」をつくる技術はとても参考になると思います。

「強いコトバ」とは、人の心に印象づけるような言葉や興味をそそるような言葉のことで、本書では「人の感情を動かすエネルギーのあるコトバ」と表現しています。

著者は、世の中に言葉や情報が溢れている今だからこそ、誰かに見つけてもらえるような「強いコトバ」を作る技術が必要なんだと主張しています。

「強いコトバ」をつくる技術も、「ノー」を「イエス」に変える技術と同じように、作り方があるので、紹介していきましょう。

「強いコトバ」をつくる5つの方法

  1. サプライズ法
  2. ギャップ法
  3. 赤裸々法
  4. リピート法
  5. クライマックス法

1. サプライズ法

「!」や「そうだ、」といった語頭・語尾に入って言葉を強調するサプライズワードを使って言葉を強調する方法。

【サプライズ法作り方】

①伝えたいコトバを決める。
②適したサプライズワードを入れる。

では、実際に作り方に沿って強いコトバを作ってみましょう。

①伝えたいコトバ 「カツオ、いい加減にしなさい」
②適したサプライズワードを入れる 「カツオ!いい加減にしなさい!」

このように比べてみても「!」がついている方が言葉が強調されていることがわかりますね。

2. ギャップ法

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」
というふうに、言いたいことと反対の意味の言葉を使うことで、インパクトを強くする方法。

【ギャップ法作り方】

①最も伝えたいコトバを決める。
②伝えたいコトバの正反対のことワードを考え、前半に入れる。
③前半と後半がつながるよう、自由にコトバを埋める。

「タマがかわいい」をギャップ法で強いコトバにしてみましょう。

①最も伝えたいコトバ 「かわいい」
②反対のコトバ 「ブサイク」
③前半と後半をつなげる 「他の猫がブサイクに見えるくらい、タマがかわいい」

3. 赤裸々法

「顔が赤くなる」や「頭の中が真っ白」といった、人間の感覚を使うことによって、人の温度が感じられる言葉をつくることができ、その生々しさが相手に強い印象を与えます。

【赤裸々法作り方】

①最も伝えたいコトバを決める。
②自分のカラダの反応を赤裸々にコトバにする。
③赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れる。

「緊張している」を赤裸々法で強いコトバにしてみましょう。

①最も伝えたいコトバ 「緊張している」
②自分のカラダの反応 「ひざが震える」
③赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れる 「ひざが震えるほど、緊張している。」

4. リピート法

同じ言葉をくり返して、相手に言葉を刷り込ませる方法。
童謡にもよく用いられます。
リピート法を使うことによって、記憶に残すことと、感情を含ませる効果があります。

【リピート法作り方】

①最も伝えたいコトバを決める。
②くり返す。

「寒い」をリピート法で強いコトバにしてみましょう。

①最も伝えたいコトバ 「寒い」
②くり返す 「寒い、寒い。」

5. クライマックス法

言いたいことを言う前にクライマックスワードを言うことで、相手の意識を自分に向ける効果が期待できます。
クライマックスワードとは、「これから大事なことを言いますよ~」と予告する言葉のことです。

大学の講義や、セミナー、プレゼンなどで話をしていて、聞いている人が集中できてないと感じたときにクライマックス法を使うと、聞いている人の集中力を維持することができます。

クライマックスワード例
「ここだけの話、・・・」
「みんなには秘密なんだけど、・・・」
「これだけは聞いていてほしいのですが、・・・」

【クライマックス法作り方】

①いきなり「伝えたい話」をしない。
②クライマックスワードから始める。

クライマックス法で「来月花沢さんと結婚するんだ。」を強いコトバにしてみましょう。

①いきなり「伝えたい」話をしない
②クライマックスワードから始める 「まだ誰にも言ってないんだけど、来月花沢さんと結婚するんだ。」

5. 就活にも役に立つ!人の心を動かす言葉の伝え方

「ノー」を「イエス」に変える技術と、「強いコトバ」をつくる技術について見てきました。

言葉の伝え方次第で、相手に与える印象や、相手の行動に変化があることを実感することができたのではないでしょうか。

人の心を動かす言葉の伝え方マスターするとSNSやビジネスに加え、就職活動にも役に立ちます。

2016年4月入社対象「選考時重視する要素」

日本経済団体連合会が2016年11月に発表した「2016 年度 新卒採用に関するアンケート」によると、2016年4月入社対象の「採用選考活動にあたって重視した点」という項目で、13年連続で「コミュニケーション能力」が第1位という結果でした。

つまり、面接のとき、面接官はあなたのコミュニケーション能力を重点的に見ているということですね。

面接の時に何を言おうか考えると同時に、どのように伝えれば面接官の心に響くのかという点も考えておくと良いでしょう。

「ノー」を「イエス」に変える技術も、「強いコトバ」をつくる技術も、特別難しいことをしているわけではありません。

重要なのは、技術を繰り返し練習して技を自分のものにするということ。

慣れるまでは『伝え方が9割』をよく読んで、手順通り一つ一つ意識しながら強い言葉を作る練習をしましょう。

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