文章構成は映画から学べ!面白くわかりやすい文章は構成で決まる

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文章構成

文章構成の基本「序論」「本論」「結論」という言葉を聞いたことがありますか?

この3つが文章構成の基本といわれており、大学の論文や世に出回っているほとんどの文章はこの形式で書かれています。

「序論」で今から何を語るのか、なぜそれを語るのか、世のなかの動きはどうなっているかなどを客観的に説明し、「本論」で序論で述べたことに対する自分の考え仮説を述べ、そして「結論」で再び客観的な視点に立って論をまとめる。

しかし、いきなりこう言われてもうまい文書なんて書ける気がしてきませんよね。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の著者古賀史健氏は、文章を書くにあたって

映画やドラマなどの映像表現を参考にするという手法

を使えばいいと提案しています。

特に、カメラワークに注目すればこの「序論」「本論」「結論」の書き方が分かるとのことですが、いったいどういうことなのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!

カメラワークから学ぶ「序論」「本論」「結論」の役割

まず、参考にする映画やドラマの素材ですが、著者は次のように言っています。

とくに、芸術性よりも「わかりやすさ」や「伝わりやすさ」「手っ取り早さ」などが優先されるテレビの再現フィルムなどを参考にするといいだろう。

なるほど、確かにこれならレンタル料金もいらないし簡単そうですね。

次に著者は、映像の構成を「導入」「本篇」「結末」の3つに分けて、それぞれのカメラワークを分析しています。

では、男女が出会って結ばれるという簡単な恋愛ドラマを想像しながら、「導入」「本篇」「結末」のカメラワークを見てみましょう。

導入 - 客観のカメラ
導入部分では、ドラマの舞台を説明しなければなりません。
「ここは大学ですよ」「季節は春ですよ」と分かるように、大学や並木道などを遠くから撮影した場面が多く用いられます。
本篇 - 主観のカメラ
本編では、女の子との出会い、初めて声をかけたときの緊張した様子など、主人公の感情や行動が分かるよう、半径数メートルの近距離でのショットが多くなります。
結末 - 客観のカメラ
エンディングでは、もう一度遠くからのショットが出てきます。
主人公から距離を置くことによって、テロップといった「客観的な解説」が入れやすいと同時に、視聴者に「終わった」ということを認識させる効果があります。

このように「客観のカメラ」と「主観のカメラ」を使い分けているのですね。
視点を切り替えることで視聴者の理解を促す効果があると言います。

すべての恋愛ドラマがこうとは言えませんが、言われてみればそうだったかも・・・。
今度ドラマを見るとき確かめてみましょう。

この3つが文章構成の「序論」「本論」「結論」にそれぞれ対応しています。
つまり、序論と結論は客観的な内容を書いて、本論では自分の考えや仮設を述べればいいということなんです。

こうすることにより、文章にメリハリがついて読みやすい文章になります。
映画に例えるととてもわかりやすいですね!

ブログの「導入文」は映画の予告編を参考に

ここまで、文章の構成とカメラワークについてみてきました。

でもここで疑問がひとつ。
普段文章を書くといっても、ブログやメール、企画書程度。そんな短い文章でも、いちいち「序論」「本論」「結論」とか考えて書かなきゃいけないの?

著者は本書で、ブログ等で文構造を意識しすぎると堅苦しい文章になってしまうとしています。
では日常で書く文で大切なことは何でしょうか?

それはずばり、「導入文」

文章を読むかどうかを決めるのは読者です。
だから、文章の冒頭部分で読者を惹きつけ、「読みたい」と思わせる必要があるのだといいます。

そこで、著者がおすすめしているのが「映画の予告編」です。

映画を観てもらうには、まず観客を劇場に誘導し、席に座ってもらう必要があります。

そのために、重要なのが「予告編」

映画の予告編は、ただ映画の冒頭を見せるのではなく、内容を再編集し、ネタバレしないように映画の魅力を1~2分にまとめた、クオリティの高いものです。

観客はこの予告編を見ることで、映画が観たくなり、劇場へと足を運ぶのです。

同様に、読者に文章を読んでもらうためには、読者に「読みたい」と思ってもらわなければなりません。

そのために、文章の内容を上手に編集したものを導入部分にいれておく必要がある、というわけです。

読者を惹きつける3つの導入法

古賀氏は、予告編には3つの種類があるとしています。

  1. インパクト優先型
  2. 寸止め型
  3. Q&A型

では、例を用いながら詳しく説明しましょう。

例えば、今韓国で若者に人気の新たなビジネスについて紹介する文章を書くとします。

1. インパクト優先型 - 結論を冒頭にもってくる方法
結論をあえて冒頭に持ってくることで、読者の興味を引き付ける効果がある。

例)今韓国では、個人放送で稼ぐ若者たちが急増し、中には月に1000万円稼ぐ人もいるということで話題になっている。

2. 寸止め型 - ギリギリまで情報開示する方法
もう少しで正体が突き止められるギリギリまで情報を開示して、好奇心をそそる。ホラー映画でよく用いられる。

例)韓国では今、「楽して大金が稼げる」として新たなビジネスが若者の間でブームとなっている。必要なものは,パソコンとwebカメラ、もしくはスマートフォンのみ。月に1000万円も夢じゃない、その新たな ビジネスとは?

3. Q&A型 - 導入だけで問いと答えが分かる方法
問いと答えを冒頭におき、後から詳しい説明を続ける。情報番組の予告編でよく用いられる。

例)今、韓国では個人放送が若者の間で話題となっている。個人放送とは、パソコンやスマートフォンを利用してライブで配信することができる、日本でいうニコニコ動画のようなものだ。ではなぜ今、韓国で個人放送が人気なのか?
その秘密は、「お金が稼げる」ことにあったー。

違いがおわかりいただけたでしょうか?

ちなみにこれらの例文は「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を参考にオリジナルで作成しました。

私たちが普段書くブログ程度の文章なら、この3つを駆使すれば十分「読みたくなる」導入文が書けると著者は述べています。

映画のカメラワークと予告編が「読まれる」文章のヒントになる

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめてみました。

  1. 映画やドラマでは、視聴者の理解を促すために「客観のカメラ」と「主観のカメラ」を駆使して作品を作っている。
    これを参考に、文章を書くときは序論と結論では客観的な内容を、本論では主観的な仮説や自分の考えを書くと、読者の理解を促すことができる。
  2. 読者は導入部分がおもしろくないと、文章を読まない。
    だから、映画の予告編を参考に、読者を惹きつける導入文を書くことが大切。
    導入の種類は主に「インパクト優先型」「寸止め型」「Q&A型」に分けられる。

これから映画やテレビを観るときは、内容を楽しむと同時に構成にも注目してみましょう。

文章を上手に書くヒントが見えてくるかもしれませんよ!

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