働くとは何か?就活の悩みは「自分の大切なこと」で解決

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就活マニュアルを熟読している学生さん!
最近、働く意欲が薄れてきた社会人の方!

こんにちは、カツオです。

今回のテーマは「働くとは何か?」

就活をしている、もしくは毎日会社に通っているあなたは、

「なぜ働かなくちゃいけないのか?」
「働くとはどういうことか?」

と考えたことはありますか?

働くことに関するこういった疑問は、「自分が大切にしていること」を考えることで解決するかもしれません。

ほぼ日刊イトイ新聞の著書新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」 (ほぼ日ブックス)
には、糸井重里氏をはじめ、多数の著名人が就職について対談した内容が記されています。

それぞれの対談のなかでキーワードとなるのが「自分が大切にしていること」。

では、働くことと「自分が大切にしていること」は、どのような関係があるのでしょうか?

目次

  • 新卒の面接は「自分が大切にしていること」を聞けば十分
  • 働く理由とは?得ることの喜びと大切なものを守るため
  • 矢沢永吉の就職論「上がりたい」と思える仕事をしているか
  • 働くとは「自分が大切にしていること」を守ること

新卒の面接は「自分が大切にしていること」を聞けば十分

まず、リクルートに入社し数多くの人事業務をこなしてきたKIZUNAパートナーズ株式会社代表取締役社長河野晴樹氏と糸井重里氏の対談から学んだことを紹介しましょう。

人事担当者の生の声って、とても気になりますよね。

この本全体のキーワードが「自分が大切にしていること」になったのは、この対談がきっかけなのかなと感じました。

河野氏は、本書の中で次のように述べています。

(前略)新卒の面接をやる場合、「君がさ、これまで大切にしてきたことって何?」という、ものすごく概念的な質問で十分なんですよ。
(引用:ほぼ日の就職論 はたらきたい。p31/ほぼ日刊イトイ新聞)

なぜこのようなことが言えるのでしょうか。

◆面接官が見ているのは、「この人と一緒に働けるかな」ということ

会社について語るうえで、最も大切なことは

「この会社は何をすることでお客様を喜ばせているか」

ということ。

でも、それを意識しながら働いている人は少ないのが現状です。

まだ働いたことがない学生なら、なおさら説明するのは難しいと考えられます。

だから面接で、この会社についてどう考えているかなんて聞いてもあまり意味がないのです。

それよりも、面接官も人ですから、

「この人と一緒に働けるかな」
「仲間になれるかな」

というところが判断基準になるといいます。

そこで、重要なのが

「これまで大切にしてきたことって何?」

という質問なのだそうです。

◆自分が大切にしてきたことを素直に伝える

では、面接でこれまで大切にしてきたものを質問されたとき、どのように答えるのが正しいのでしょうか。

質問に答えるときは、難しいことを答える必要はありません。

あなたが本当に大切にしていることについて、素直に伝えれば良いのです。

面接官が見ているのは、大切にしていることを聞かれたときに、「聞いてもらえた!」と嬉しそうに話すか、それとも「やばい!聞かれた!」と焦るかという点です。

嬉しそうに話す人、きちんと言葉にできる人は仲間になれそうかな?と思うし、焦りが見えたり、悲しそうな顔をしたりする人は採用できないと河野氏は述べています。

採用される側から考えても、「自分が大切にしているもの」に共感したうえで「一緒に働きたい」と言ってくれる企業なら、気持ちよく働けるのではないでしょうか?

「でも面接マニュアルなんかを読むと、お辞儀の仕方とか言葉遣い、質問の返し方なんかが書かれている。結局そういうところで人を選んでるんじゃないの?」

と思った人も多いのでは?

もちろん、数ある企業の中には言葉遣いや振る舞いで判断するところもあるかもしれません。

大手企業の大量面接の場合は、一人に当てる時間が短いからどうしてもそういうところで人を判断せざるを得ないという事情もあるでしょう。

学生さんは就職先を企業名で決めてしまいがちですが、中小企業でもきちんと自分を見てくれる企業に就職するということも選択肢のひとつだと思います。

大量面接を行う企業に就職したいと思っている人は、うわべの部分で判断されるかもしれないということを知り、そのようなかたちで採用を決める会社と長く付き合えるかどうかをきちんと考える必要がありますね。

◆経営者が読んでいる本を読む

さて、この対談の最後に学生へのアドバイスとして、企業に入って働くことを考えている学生は、経営者の読んでいる本を読むことを勧めています

なぜなら、経営者は「何が大切か」をとてもシンプルに考えているから。

大切なものの基準がぶれないようにするには、これが効果的なのだといいます。

ぜひ参考にしてみてください。

そして、就職活動で悩んでいる学生さんは、ぜひ「自分が何を大切にしているか」をじっくり考えてみてください。

働く理由とは?得ることの喜びと大切なものを守るため

次に漫画家しりあがり寿氏と糸井重里氏の対談から、「なぜ働くのか?」という疑問を解決するヒントを紹介しましょう。

しりあがり寿氏はかつて会社に就職し、会社勤めをしながらマンガを描いていた時期もあったそうです。

そんな彼は、当時会社に就職できて素直に嬉しかったと語っています。

その理由は、得ることの喜びがあったから。

しりあがり寿氏は、本書の中で次のように述べています。

たとえば、あの、就職したあとって、カレー屋に入って、迷いなく「カツカレー」を食えるわけですよ。(中略)そう。我慢しなくていいんですよ。いちばん高いメニューでも、食べたければスパーンって頼める。あれ、ほんっとに幸せでしたね。
(引用:ほぼ日の就職論 はたらきたい。p91/ほぼ日刊イトイ新聞)

このように、「食べたい物が食べられる」「好きな本が買える」「好きなだけ映画が見られる」といった得ることの喜びがあったから、就職できてうれしかったというのです。

「それってあまり特別なことに感じないけど」

と思った人もいるでしょう。

でも、こういった当たり前のことが働くことの意味になり、お金を稼ぐことの喜びになるのです。

◆トラブルを避けるために働く

さらに、この対談で糸井氏はしりあがり寿氏に大切にしていることについて質問しています。

しりあがり寿氏は、自分が大切にしていることは「トラブルを避けること」だと述べています。

お金がない事で「買いたいモノが買えない」「友達にお金を借りたが返せない」「お金を借りるために嘘をつく」といった、お金に関わるトラブルを避けるために、サラリーマンになったのではないかと思っているそうです。

「結局お金のためか」

と思いましたか?

お金のために働くというのも、立派な働く理由です。

彼はトラブルのない生活が大切で、それを守るために会社に就職するという道を選んだのです。

このように、自分の大切なことは、必ずしも特別なことである必要はありません

大切なものを見つけなくちゃ!と思って、人とは違う特別なことを無理やり大切なものにつくりあげてしまう人もいるかもしれないけど、それは間違いです。

自分にとって本当に大切なものを探す、というのが重要なポイント。

そのためには、周りの情報にまどわされることなく、自問自答をくり返すことが大切です。

矢沢永吉の就職論「上がりたい」と思える仕事をしているか

本書で最も興味深かったのが、糸井氏とロック歌手矢沢永吉氏の対談です。

矢沢氏はロック歌手でありながら、会社の経営者でもあります。

会社の経営者として今の若い人の仕事観について次のように考えています。

  • 責任が問われるのが嫌だから「えらくなりたくない」と思っている人が多い
  • 働くおもしろさを味わう前に、辛いものだと決めつけている
  • 会社でえらくなるよりも、プライベートを大切にしたい、会社に縛られたくないと思っている人が多い

矢沢氏は、別にこのことが悪いと言っているわけではありません。

問題は、「えらくならなくていい」「プライベートを大事にしたい」ってスタンスを40歳や50歳になっても続けていけるかどうかということ

もちろん、その考え方を貫く人もいるでしょう。

でも、後々現実的にそのスタンスに無理があることに気がつきます。

たとえば、結婚して、子どもができてお金を稼がなくちゃいけないときに、それでも「えらくならなくていい」「プライベートを大事にしたい」という気持ちを貫く。

いくら苦しくても、この生き方で生きていくと決めたならそれでもかまいません。

ただし、このスタンスを貫くことで思うような暮らしができなくなったとき、周りの人や国のせいにしてはいけないというのが矢沢氏の就職論です。

これは、常に自分自身にも言い聞かせていることなのだと言います。

そんな矢沢氏が大切にしてきたことは、「上に行きたい」という気持ち

金持ちになりたいとか、いい暮らしがしたいとか、いろいろ言うけど、あれはほんとうは、「上がりたい」って言ってるんだよね。
(引用:ほぼ日の就職論 はたらきたい。p253/ほぼ日刊イトイ新聞)

武道館ではなく渋谷公会堂でもいいのだけど、日本ロックの殿堂と言われると「武道館まで上がりたい」と思ったという矢沢氏。

つまり、矢沢氏は音楽の世界で上に行きたいと思う気持ちを常に持っていたのです。

これは、矢沢氏が音楽の仕事を心から楽しんでいるからだと思います。

仕事を楽しいと思うか、やらされていると思うかは働き方に大きく関係してきます。

行き着くところ、どんな職種だって、やらされてる、働かされてると思ってだらだら気分悪くやってるのと、これ、俺のテリトリーなんだと思ってプライド持ってやるのとでは、全然違うからね。
(引用:ほぼ日の就職論 はたらきたい。p255/ほぼ日刊イトイ新聞)

この対談を読んで、矢沢氏は仕事や地位に対する貪欲さが大切だと考えているように感じました。

あなたが現在している仕事、もしくは就職しようとしている会社で「上に行きたい」と思いますか?

仕事に貪欲になれているか。

貪欲になれていないなら、なぜ貪欲になれないのか。

このような観点から働き方について考えてみるのも良いかもしれません。

働くとは「自分が大切にしていること」を守ること

ここまでの話をまとめてみましょう。

  • 面接は、就活マニュアルではなく「自分が大切にしていること」が言葉でしっかり言えることが大切。
  • 会社は名前で選ぶのではなく、自分に共感して「一緒に働こう」と言ってくれる中小企業を選ぶという考え方もある。
  • 企業に入りたい学生は経営者が読む本を読むことを勧める。
  • 「自分が大切にしていること」は何か特別なことである必要はない。
  • 「えらくならない」「プライベートを大事にしたい」という生き方もいいけど、苦しくなった時にまわりの人や国のせいにしてはいけない。
  • 上に行きたいと思える仕事をしているかが大切。

『ほぼ日の就職論 はたらきたい。』を読んで、働くとは「自分が大切にしていること」を守ることだ、と感じました。

この本を読み、自分が大切にしていることを考えることで、会社選びや働き方の考え方が柔軟になるのではないかと思います。

働くことに関するとてもリアルな5つの対談を読むことができるので、いろんな人の仕事観を知りたいという人にオススメの1冊です。

働き方で悩んでいるあなたに、何かヒントを与えてくれるかもしれません。

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